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化学物質・化学物質過敏症(環境病)をめぐる最近の動き

※新聞記事等については、当センターにて要旨をまとめたものであり、記事原文とは異なる情報もあります。


オランダ議会は、すべてのネオニコチノイド系農薬の使用禁止を票決。家庭でも使用禁止に。

先月3月18日、オランダ議会は、すべてのネオニコチノイド系農薬の使用を暫定的に全面禁止する議案を賛成多数で可決しました。
これは、議会が政府(農務大臣)に対し、すべてのネオニコチノイド系農薬および、類似の性質をもつフィプロニルの農地および家庭での使用と、販売の暫定的な禁止を求めたものです。同時に、ネオニコチノイド系農薬に類似の性質を持つフィプロニルの使用の全面禁止も求めています。

その期間の決め方も特徴的で、
「ネオニコチノイド系農薬がハチや人の健康に悪影響を及ぼさないことが証明されるまで」
とされています。危険とわかるまで使う、ではなく、安全が証明されるまで禁止、というのは、予防原則が取り入れられていますね!(以下、リンク参照)
[4月12日・国際NGOグリーンピースジャパン・スタッフブログ記事より]




化学物質過敏症 「世界で一番清潔な家」

化学物質過敏症(MCS)を患うと、空中にほんの少し化学物質が混ざっているだけで、喘息の発作や皮膚病、頭痛、あるいは鬱(うつ)などを引き起こす。このたび、CS患者用抗アレルギーアパートが初めてチューリヒ郊外に建築された。12月1日に入居が始まる。 (略)

MSC患者用の新しいアパートは、チューリヒ市の南東、労働者が多く住むライムバッハ(Leimbach)区の丘の麓(ふもと)にある。通りの突き当り、森がすぐそばに迫るアパートを訪ねると、暖房の取り付けやしっくい作業が行われていた。庭ではパワーショベルが土を掘り起し、配線作業の真っ最中だ。12月1日には新しい住人の入居が始まる。15戸を数える新居の一つはシフェルレさんのものだ。夢が一つかなえられる。「キャンピングカーで何年も過ごしたけれど、やっと住まいを持つことができます」

 チューリヒ当局がこのプロジェクトを計画したのは約5年前。MCS患者が直面している問題や、患者の予算に見合った賃貸住宅がなかなかないという実情に理解を示し、アパート用の土地の提供と建築費の負担を決めたのだ。費用総額は600万フラン(約6億6000万円)。大半は住居建築促進用基金からの出資だが、特殊な要望に新技術を利用することになったため、建築費用は平均より25%増しとなった。

 広さ1200平方メートルのこの土地は、生物学的な見地から選ばれた。環境が汚染されておらず、アンテナや工場地域から遠く離れていることが条件だった。建築資材は専門家がMCS患者の耐性を吟味して選んだ。有機材料に非常に敏感に反応するため選択肢はあまりなく、技術者は新しい技術の中から資材を探すしかなかった。工事現場は禁煙で、絶縁用のフォームプラスチックや溶剤といった「有害物質」の使用も禁じられた。

 セメントはその場でその場で作った。一般の建築物は不凍液の入った製品を使っているが、ここではそれも使えない。気温が氷点下になるたびに作業を中断しなければならなかった。骨組みも、電磁波を避けるためにできるだけ鋼鉄は使わず、繊維ガラスを利用。電気ケーブルには特別な層を被せ、コンセントの数も減らしてふたをつけた。窓枠は通常木製のところをプラスチック製に変え、床には石を使い、天井は生セメント、内側の壁はすべて石灰のみを塗りつけた。

 アパートの広さは50〜88平方メートル。賃貸料は月々1180〜2595フラン(約13万〜28万円)で、市が一部負担する。入居を希望する場合は医師の診断書を提出、入居が決まったら厳しいルールが待っている。まず喫煙は禁止、肉を焼いてはならない、香水や香料、携帯電話、ワイヤレス電話も使ってはいけない。なるべく音を立てないようにし、壁を塗ってはならず、除菌洗浄剤や推奨されている洗浄剤以外の使用もご法度だ。

 このパイロットプロジェクトはチューリヒ市にとっても大きな意味を持つ。技術的データは一つ残らず記録され、将来他の「清潔な」建物のために利用される。入居者も、ベルン大学が行う長期調査に任意で参加する。シフェルリさんはこうした数あるルールや条件も意に介しない。「このような建物の建設は、私にとってシンボル的な意味を持っているのです。20年近くも『仮病使い』と蔑まれてきたのですからね。これは私たちの抱える問題が認められたということであり、生活の質を改善するチャンスなのです」と胸を張った。
[11月25日・swissinfo・独語からの翻訳 小山千早]




流行する香り付き柔軟剤 「過敏症」の人たち悲鳴

 香り付きの柔軟剤を使って洗濯して衣類に香りを漂わせることが流行しているが、こうした状況に化学物質過敏症の人たちが「普通に暮らすことができにくくなった」と悲鳴を上げている。近所の家から流れてくる柔軟剤や芳香剤などの香りをかいだだけで体調が急に悪くなったりするのだ。「香料公害」が起きているのか、当事者らの声を聞いて考えてみた。 (白井康彦)
 長野県に住む四十代の女性は「強い香料のにおいを発している人とすれ違ったりするだけで、めまい、ふらつき、震え、動悸(どうき)が生じます」と訴える。
 症状がひどくなったのは昨年夏。柔軟剤や洗剤、シャンプーなどの家庭用品で香りの強い商品が人気を集めてきたことが影響していると考えている。
 微量の化学物質によって、めまい、頭痛、吐き気、のどの痛みなどのさまざまな症状が出るのが化学物質過敏症。患者数は全国で七十万人とも百万人ともいわれる。一般家庭では、新築の家に使われた建材や農薬が原因になることが多いと考えられてきたが、香料を使った日用品による香料公害も問題視され始めている。
 この女性は、柔軟剤の影響が特に大きいと感じている。近所

空気を清潔に保つため、建物は「タマネギ式」の造りになっている。建物の中に入っていくほど空気が清潔になる仕組みだ。各アパートの入口にはエアロックのような場所があり、住人や訪問客はここで服を着替えたり、脱いだ服をそのまま洗濯機へ入れたりできる。各部屋へ通じるドアはかなり頑丈だ。どの部屋も強力な換気装置で連結されており、有害な匂いやガスはきれいに吸い取られる。 から強すぎる香りが漂ってくるだけでなく、職場でも他人の衣類から出る柔軟剤の香りに悩まされる。「たばこの受動喫煙と同様の『受動香料吸入』です。こういう問題があることを国民に知ってほしいし、国には対策を立ててほしいです」
 岐阜市に住む小沢祐子さん(68)は「香料自粛を求める会」の代表を務める。三年前の秋、生鮮食品を買いに行った店内で、女性とすれ違ったときに強い芳香臭をかいだ。意識がなくなってその場にうずくまった。顔面が蒼白(そうはく)になり、言語機能の極端な低下、筋肉硬直などの症状が出た。
 その後も同様なことが続き、外出を控えたり、外出の際に防毒マスクを着けたりするなどの対策を講じているが、最近では散歩もしにくくなったと感じている。道を歩いている人の服から出てくる芳香臭が耐えがたいのだという。
 消費者庁や国民生活センターなどが協力して運営している「事故情報データバンクシステム」には消費生活センターなどに寄せられた製品の苦情が蓄積されている。「柔軟剤」というキーワードで出てくる情報は八月末現在で百十六件。
 「隣の家から流れてくる柔軟剤の香りが強すぎて、のどや頭が痛い」「アレルギー反応が起きた」といった深刻な例がずらりと並び、国に対策を求める声も目立つ。
◆一部自治体「配慮を」 実効性ある対策 手つかず
 香りが強い生活用品を好む消費者は多いが、健康被害の原因になることもある。また、化学物質過敏性の発症メカニズムは未解明。こうした中で行政は何ができるだろうか。
 岐阜市は二〇〇五年から市有施設に「香料自粛のお願い」というポスターを張っている。「健康被害の要因となることがあるので配慮をお願いします」と、市民に柔らかく呼び掛ける内容だ。
 小沢代表の訴えを聞いた市議が市議会で要望し、市が受け入れた。
 公共施設のポスターやホームページに同様の「お願い」を出す自治体は、岐阜県、岡山県、滋賀県野洲(やす)市、同県守山市などと増えてきている。ただ、健康被害を感じている側は、実態調査や何らかの規制など、より実効性のある対策を国に求めている。
 厚生労働省化学物質安全対策室の担当者は「うちの省にも健康被害の声は届いており、問題意識は持っている」と説明する。香料公害の対策づくりに政府がいつ取り組み始めるか注目される。[9月2日・東京新聞]



<柔軟剤>「高残香」タイプで体調不良を訴える人が増加

 洗濯に使われる柔軟剤の香りで体調不良を訴える人が増えている。国民生活センターによると、柔軟剤の香りで「鼻やのどが痛くなる」「気分が悪くなる」という相談は、2012年は48件と、09年の5件から急増した。最近の柔軟剤は香りが長く続く「高残香」タイプの製品が人気を呼んでいるが、関係者は過度の使用に注意を呼びかけている。
 シックハウス症候群や化学物質過敏症の患者を診ている札幌市のクリニックでは、電車やバスの中、隣の家などから来る柔軟剤の香りで体調不良を訴える患者が増えている。主な症状は、頭痛や吐き気、倦怠(けんたい)感など。渡辺一彦院長は「数年前まではほとんどなかった」と驚く。
 大手洗剤メーカーの担当者は、高残香タイプの柔軟剤について「昨年度は売り上げが前年度の1.4倍に伸びた」と話す。このメーカーは年2回の消費者アンケートで、柔軟剤購入の際に重視する点を尋ねているが、05年以降はほぼ一貫して「香りがよい」がトップ。柔軟剤本来の目的である「肌触りよく仕上がる」などを上回り、11年下期の調査では7割近くに上った。
 洗濯の際にメーカーが想定する使用量を上回る量の柔軟剤を使う消費者も多いという。別のメーカーの製品には「香りをもっと楽しみたい時は好みに合わせて使用量を増やして」と記載され、ウェブサイトで「使用量の目安の2倍程度を上限とする」とアドバイスを掲載している。
 一方、神奈川県が11年、国内外の柔軟剤15点を洗濯時の濃度に薄めて香りを調べたところ、香りの強さを示す臭気指数は、大半の製品で、県が定める住宅地での工場排水の規制値並みだった。
 厚生労働省のシックハウス問題に関する検討会委員の中井里史・横浜国立大教授(環境疫学)は「化学物質に過敏な人の大半は、たばこ臭と香料に耐えられない」と指摘。NPO法人「化学物質過敏症支援センター」の広田しのぶ事務局長も「たばこの臭いも、吸う人には快いが、非常につらく感じる人も多い。柔軟剤の香料も同じだと考えてほしい」と訴えている。【8月3日・毎日新聞 田村佳子、写真も】

 ◇ことば:高残香性柔軟剤
 強い香りが長持ちすることをうたった衣類用柔軟剤。「新鮮な香り ずっと続く」「着ている時まで」「着るとき 香り蘇(よみがえ)る」などの宣伝文句で、仕上がりの柔らかさより香りの強さを強調している。08〜10年に大手3社が相次ぎ発売、柔軟剤全体の売り上げが約1.5倍に伸びた。香りはアントラニル酸メチル、ジヒドロキシジメチル安息香酸メチルなど多種類の化学物質を組み合わせた人工香料でつけられている。




化学物質過敏症訴訟 600万円で和解成立=神奈川

 防護マスクなどの安全対策が講じられないまま有機溶剤を使って作業し、化学物質過敏症になったとして、茅ヶ崎市の男性(44)が当時の勤務先など2社に損害賠償を求めた訴訟は26日、横浜地裁で和解が成立した。2社は和解金として計600万円を男性に支払う。和解金を支払うのは、電気機器製造会社「日本システム」(綾瀬市)と、半導体製造関連会社「カナメックス」(厚木市)。
 男性は、日本システムの社員だった2000年から、カナメックスの作業所に出張して電気配線の固定作業などを担当、2社から有機溶剤の有害性を知らされず、安全対策も取られなかったことで体調を崩したなどとして、約1700万円の損害賠償を求めていた。(2013年7月27日・読売新聞)



バイオイニシアチブ2012年報告書が無線と電磁場について警告

米ニューヨーク州レンセラー--(BUSINESS WIRE)--(ビ ジネスワイヤ)-- バイオイニシアチブ・ワーキング・グループ2012の新たな報告書によれば、電磁場と無線技術(無線周波数帯の放射)による健康へのリスクの証拠が 2007年以後に急増しています。この報告書は、1800件を超える新たな科学的研究を調査したものです。携帯電話の使用者、子供を望んでいる人々、子 供、妊娠中の女性には特に大きなリスクがあります。

スウェーデン・オレブロ大学のLennart Hardell医学博士は次のように述べています。
「携帯電話やコードレス電話の使用者の間でグリオーマ(悪性脳腫瘍)と聴神経腫のリスクが増大している 傾向が一貫して見られます。疫学的証拠に従えば、無線は人体にとって発がん性があると指定されるべきです。既存のFCC/IEEやICNIRPの一般安全 制限や参考基準は、一般の人々の健康を守る上で十分ではありません。」
十数件の新たな研究では、携帯電話の電波と精子の損傷に関連が認められています。ポケットの中やベルトの上にある携帯電話でも精子のDNAを傷つけ、精子 の形態異常や男性の生殖能力への悪影響が生じるかもしれません。インターネットと無線接続するノートパソコンも精子のDNAを損傷する可能性があります。

自閉症の生物学的要因についての強い証拠によれば、電磁場と無線は自閉症のリスクと症候を強めると考えられます。「自閉症と無線技術との関連については積 極的な調査が行われていますが、自閉症者、あらゆる年齢の子供、子供をもうけることを予定している人、妊娠中の女性は無線や電磁場への暴露を最小限にとど めるべきです」と、Martha Herbert(医学博士、PhD)は述べています。
妊娠中の女性が携帯電話やノートパソコンのような無線機器を使用すると、胎児の脳の発達に影響が及ぶかもしれません。動物についての調査でも人間についての調査でも、活動亢しん、学習障害、行動障害との関連が認められています。

共同編集者のDavid O. Carpenter医学博士によれば
「今では、世界の数十億人に影響する健康リスクの証拠が大きく増えています。有害性についての証拠を考えれば、現状は十分ではありません。」
この調査では、電力線、電気配線、電化製品、携帯端末による電磁場と無線技術(携帯電話・コードレス電話、基地局タワー、「スマートメーター」、Wi- Fi、無線ノートパソコン、無線ルーター、赤ちゃんモニター、その他の電子機器)による電磁場を調査しました。健康面の調査項目は、DNAと遺伝子の損 傷、記憶・行動・注意力への影響、睡眠障害、がん、アルツハイマー病のような神経疾患でした。現在日常生活のいたるところに存在する電磁場や無線への暴露 に対する防御として、新たな安全基準が緊急に必要とされています。

バイオイニシアチブ2012年報告書は、www.bioinitiative.orgで入手できます。
本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を 資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。



シックスクール「現状知って」…岩手

 岩手県奥州市立胆沢第一小学校で2010年2月頃、校舎の老朽化に伴う工事中に、児童たちに発症したシックスクール症候群。2年半以上が経過し、現在も症状に苦しんでいる子どもたちへの理解が薄れている。今年7月の市議会だよりに、子どもたちが回復したかのような報告が掲載され、10月の紙面で回答を修正して掲載する事態となった。保護者らは「現状を知ってもらいたい」と強く訴える。

 「現在はいずれの児童も快適な学習環境のもと、元気に活動しています」
7月の市議会だよりのコーナー「あれはどうなった」で、「あれから2年 シックスクール対策は」に対する市教委側の回答が掲載された。いまだに症状を抱える子どもの保護者らから異論が上がり、10月の紙面で、「定期的に治療を継続しています」と回答を差し替えて再掲載した。

 シックスクール症候群を発症した子どもたちの苦しみは、2年半以上がたった今も続いている。
  同市胆沢区に住む中学1年の女子生徒(13)は当時、同小の4年生だった。父親(44)によると、当初は同症候群と診断されたが、10年8月には化学物質過敏症も加わり、症状が悪化したため転校。その後、転校先の学校の協力を得て対策をとってきた。¥中学に進学してからも、制汗剤や野焼きの煙などに接すると、強い頭痛や吐き気などを訴えている。症状が出ると早退し、酸素ボンベを付けるなどしながら、解毒のために病院で点滴をうつ。同級生と別の「避難教室」で授業を受け、体育や美術などは受けることができないという。

 市教委学校教育課によると、当時は22人の児童が同症候群を発症。重症化した4人は、今も定期通院している。市教委は10年、発症の原因や対応策を検討する第三者委員会を設置するなどし、保護者と継続的に面会しながら空気清浄機の設置や別室での授業対応、休んだ子どもへの訪問指導などを行っているという。佐藤健司課長は「学習機会を保障するなど、最低限だが連携して対応している。子どもたちの負担がいくらかでも軽減できれば」と話す。
市議会だよりを巡る経緯について、市教委では、対策マニュアルを基に小学校で対策を講じ、快適な学習環境の確保に努力していることを説明しようとしたところ、編集委員会の段階で表現が一部削られ、「説明不足になった」としている。

  しかし、子どもたちや保護者らの不満は募る。女子生徒の父親は、第三者委による被害児童や保護者への聞き取りなどは行われておらず、実情が伝わっていないことに憤りを感じている。空気清浄機の設置も、実現するまで何度も要望し、時間を要した。父親は「問題はまだ終わっていない。今も苦しんでいる子どもたちがいることをしっかり認識してほしい」と話している。
(2012年11月21日・読売新聞/鈴木希




「電磁波問題を共有」市民と研究者ら集い

 携帯電話基地局からの電磁波が原因とされる健康被害の実態と研究について考えるシンポジウムが10日、大分県別府市の別府大学で開かれた。日本環境学会別府大会実行委員会が主催し、市民と研究者の連携などについて話し合われた。
 延岡訴訟の原告側弁護団長、徳田靖之弁護士のほか、大学の研究者や市民団体代表ら6人が報告、市民ら約200人が耳を傾けた。
 早稲田大の「電磁波および微量化学物質による健康影響研究会」の代表研究者を務める北條祥子(さちこ)・尚絅学院大名誉教授(臨床疫学)は、英国で人口の4%が「電磁波に過敏な人」という調査結果が出ていることを紹介。そこで使われた問診票の日本語版を作り、今後2年間かけて医師や各 分野の研究者約50人で電磁波過敏症の全国調査や診断方法の検討をすることを報告した。

 市民団体の代表らは、健康調査や基地局撤去を求めた裁判で専門家の協力を求めた経験を語り、「積極的な関与をお願いしたい」と要望。呼びかけ人の近藤加代子・九州大准教授(環境政策)は「市民と研究者が電磁波問題を共有する第一歩になったのではないか」と話していた。延岡市の住民30人が、KDDI(本社・東京)の基地局の操業停止を求めている訴訟の弁護団長、徳田靖之弁護士は「延岡の裁判は電磁波被害が広がるのを防ぐ役割を担っている」と意義を語り、支援を訴えた。

 徳田氏は裁判の主な争点を、健康被害が実際に起きているか▽健康被害と電磁波の間に因果関係があるか、の2点と説明。裁判をめぐる特徴として「市の健康相談で、原告以外の住民にも健康被害が出ていることが認められている」などを挙げた。
 さらに、被告側は証人を1人も立てていないとし、「理由は『電磁波の強さが(健康被害は出ないとされる)電波防護指針の範囲内だ』というただ1点だが、これは(安全とされてきた)原発とまったく同じ構造だ」と批判した。
(6月13日・朝日新聞・マイタウン宮崎/大畠正吾


自動車の室内の有害物質、含有量上位10車種は日韓車6割=米国

 アメリカの研究結果によると、一部の自動車の室内に健康に深刻な被害を与える多くの有毒化学物質が存在していることが分かった。ミシガン州アナーバー市にあるNPO団体「The Ecology Center」は、204車種を対象に車内の汚染度ランキングを作成し、三菱自動車の「アウトランダースポーツ」が室内の有毒化学物質の含有量がもっとも高かった。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
 ランキングによれば、有害物質のもっとも多い自動車のうち、日韓車が6割を占めた。一方、ホンダ「シビック」の2012年モデルは有毒化学物質の含有量がもっとも少なかった。同モデルにはほとんど臭素系難燃剤やポリ塩化ビニル(PVC)が含まれていなかったほか、金属アレルギー化学物質過敏症を引き起こす物質の含有量も非常に少なかった。
「The Ecology Center」のJeff Gearhart主任は、「人びとは車内に含まれる化学物質に注目するようになった。これはとても良いことだ。車内で接触する化学物質は家や職場よりも多い。新車は特に多く、乗車すると化学的なにおいがする」と述べた。
 ホンダ(米国)のMarcos Frommer広報担当は、「ホンダは10年以上、大規模な措置を講じて、ポリ塩化ビニールやそのほかの化学成分を最小限に抑えるか完全に除去するよう努めてきた。われわれの目標は塩素を含む材料の使用量を1%以下に減らすことだ」と述べた。(編集担当:米原裕子)[2月23日・サーチナ]



学校の化学物質による健康被害…文科省が対策資料を公開

 文部科学省は2月20日、学校における化学物質による健康障害について予防や対応のための対策をまとめた参考資料「健康的な学習環境を維持管理するために」をホームページに公開した。
 同資料では、「シックハウス症候群」や、いわゆる「化学物質過敏症」と呼ばれる室内空気汚染による健康障害について解説したうえで、文科省のこれまでの対応状況や、基本的な留意点、児童生徒への対応などについてまとめている。
 平成21年4月に施行された「学校環境衛生基準」では、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレンの6つの化学物質についての基準値や検査方法が定められている。
 また化学物質以外でも、シックハウス症候群の要因となるダニまたはダニアレルゲンについても基準が設けられ、検査の時期や方法について定めている。
 同資料では、これらの基準について解説しつつ、予防対策や早期発見のための対策、児童生徒への必要な個別対応における基本的な考え方などを提示。学校関係者や保護者の理解を助長することで、それぞれの対策が促進されるようにとしている。【2月21日・@niftyニュース/リセマム



初期胎児に高い「シックハウス」リスク〜妊娠前から化学物質回避を 住環境の変更には注意必要

 子供の発育や健康に影響を与える化学物質などの環境要因を解明し、リスク管理体制の構築を目指す環境省の「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」が今年から始まるなど、環境由来の健康被害から子供を守ろうという意識が高まっている。そんな中、化学物質過敏症や環境医学の第一人者であるテキサス大学医学部のクラウディア・S・ミラー教授が来日。都内で講演を行い、「妊娠前から自宅屋内で化学物質を回避する環境対策を」と訴えた。イクメンを目指すなら、今からパートナーとともに備えたい。(頼永博朗)

 ミラー教授は今月10日、住宅メーカーの積水ハウスが主催した子供のシックハウス症候群対策に関するセミナーに招かれ、「子供の健康を守る家」をテーマに基調講演を行った。
 ミラー教授は、細菌論や免疫論ではなく、石油化学製品に起因する新しい疾病概念「TILT(化学物質不耐性)論」を用い、室内で放出される化学物質にさらされることにより、さまざまな疾病の危険性が増えていることを解説。予防には「化学物質を回避することが重要だ」と強調した。
 TILTは2段階からなる疾患で、特に先進工業国で確認されているという。第1段階は、住宅の新築や増改築、新しい家具の搬入などの際に建材や塗料などから揮発する化学物質により、感受性の高い人の抵抗力が失われる。第2段階は、以前は抵抗力のあった低レベル濃度の化学物質のほか、食品や薬、香料なども症状の引き金となる。
 症状はあらゆる臓器系に影響を及ぼすともいわれるが、ミラー教授は「特に自閉症や注意欠陥・多動性障害(ADHD)といった神経系の発達障害を引き起こす危険性が高まる」とする。そのうえで、「生まれてくる子供のために、すてきな住環境を整えようと頑張ってしまう親がいるが、これが逆に胎児や生まれてきた赤ちゃんを複数の化学物質にさらしてしまうリスクとなり得ることを知ってほしい」と注意を促す。
 ミラー教授はまた、妊娠初期1カ月くらいの胎児が胎盤を通し環境の影響を最も受けやすいという。「つまり、女性が自分の妊娠に気づく以前の段階で、胎児に影響が出る恐れがあるということ。将来の妊娠を考えているなら、良質な建材を用いるなど環境面での安全性を今から整えておくことが重要。高気密住宅が一般的な現代では、新鮮な空気を室内に取り込めるようにすることにも気を配ってほしい」と訴えた。

 シックハウス症候群の症状は個人差が大きく、成人と子供では化学物質に対する感受性も異なる。NPOケミレスタウン推進協会が作成した「ケミレス必要度テスト」は、自分にはどれくらい化学物質に注意した生活が必要かを判断するための目安を手軽に知ることができ、家族で利用してみてはいかがだろう。
 テストを受けるには、同協会の「ケミレスタウン・プロジェクト」のホームページにアクセスし、「ケミレス必要度テスト」をクリック。「化学物質敏感度チェック」「これまでに経験した症状アンケート」を順番に回答する。1回の判定は約5分で済む。
 テストは、クラウディア・S・ミラー教授が携わって米国で開発された問診票と、厚生労働省の対応マニュアルを組み合わせ、同協会が独自に作成。ただ、テストはシックハウス症候群を診断するものではなく、診断は必ず専門医に相談することが必要だ。【11月26日・MSN産経ニュース】



続・増える環境過敏症(4)Q&A 生活習慣見直す必要も

ふくずみアレルギー科院長 吹角隆之(ふくずみ・たかゆき)さん
信州大学医学部卒。大阪府立羽曳野病院アレルギー皮膚科を経て、2003年から現職。日本アレルギー学会認定専門医。

――化学物質や電磁波が、なぜ体に影響するのでしょうか。
 「詳しくは解明されていませんが、刺激に敏感な人がいるのは確かです。悪化すると、自律神経や内分泌のバランスが乱れ、だるさや不眠症状が表れたり、免疫力の低下で感染症にかかり、微熱やせき、頭痛が続いたりします。ただ、過敏症の原因は化学物質や電磁波だけではありません」

――ほかにどんな原因があるのですか。
 「ストレス、睡眠不足、ダニやカビ、重金属、栄養の偏り、運動不足、大気汚染、ウイルス・細菌など、様々な原因が積み重なって発症します。体質を風呂おけに例えると、化学物質や電磁波、ストレスなどの『蛇口』から風呂おけに注がれる水が、容量を超えてあふれると過敏症になります。アレルギー体質の人はもともと風呂おけが小さく、あふれやすいのです」

――治療できますか。
 「化学物質や電磁波の少ない環境でしばらく過ごし、食生活や運動、睡眠など生活習慣を見直す必要があります。携帯電話の電磁波は避けられなくても、『別の蛇口』を閉めることで体調を崩しにくくなります」

――吹角さんも過敏症を体験したのですね。
 「1993年に新築した家の建材に、今は規制対象の化学物質が多量に使われ、慢性的な気管支炎に悩まされました。やがて妻にもひどいぜんそく症状が表れたため、家を離れました」
 「妻は米国で専門治療を受け、回復しました。体内に蓄積した水銀などの物質を解毒剤で排出し、無添加食品や適度な運動で体調を立て直す方法です。私は、この時に米国で学んだ方法をもとに、試行錯誤を重ねて治療にあたっています」

――化学物質過敏症に効く薬はあるのですか。
 「薬も化学物質ですから、安易に使うと体調悪化の恐れがありますが、解毒剤やビタミン剤だけでも良くなるケースはあります。過敏症が長引くと、うつ病や不安障害を合併する場合があり、少量の抗うつ薬や抗不安薬が劇的に過敏症を改善することもあります」

――過敏症患者の何割が回復しますか。
 「私は約1500人を治療しましたが、そのほとんどは、元の健康な状態に戻るか、多少の症状はあっても、日常生活をほぼ問題なく送れるまでに回復しました。非常に重い症状が続く人は1割以下です」
 「化学物質過敏症は、たばこ、洗剤、消臭剤など、体調悪化の原因が次々と増えていきます。でも、においに敏感になり過ぎると影響をより強く受けてしまう。においを感じた時、すぐに症状と結びつけて考えず、ほかのことに意識をそらすコツを身につけると、回復が早まります」
 「過敏症は治る病気ですが、対応できる医療施設は少なく、病院特有のにおいが耐えられずに受診すらできない人もいます。過敏症に配慮した医療施設を早急に増やす必要があります」【11月23日・読売新聞(佐藤光展)】



続・増える環境過敏症(3)風車の超低周波音 懸念

 聞こえないが、微細な振動となって遠方に届く「超低周波音」。前回の連載では静岡県南伊豆町の健康被害を取り上げたが、住民が風車の建設計画に「待った」をかけた島もある。
 五島列島の北端に位置する宇久島(長崎県佐世保市、人口約2400人)。面積約25平方キロ・メートルの小さな島で、2009年、風車50基(出力10万キロ・ワット)を建てる計画が持ち上がった。住民は、景観が変貌する不安に加え、伊豆半島などで報告される健康被害への不安を募らせた。
 住民団体「宇久若いもんを支援する会」が結成され、建設反対運動を展開。有権者の7割の反対署名が集まり、同市に提出した。現在、計画は凍結されている。
 島で唯一の診療所である佐世保市立総合病院宇久診療所の所長、有吉靖さんも反対の声を上げ、各地の集会所でこう訴えた。「風車の影響で不眠などの体調不良が続出したら、診療所では支えきれない。私自身も体調を保てる自信はない」
 超低周波音の健康影響は、まだ科学的に証明されていない。だが、有吉さんの主張は明快だ。
 「超低周波音の健康被害に科学的根拠がないというのは、現場を知らない研究者の理屈。風車が回り始めた途端、不眠や動悸(どうき)、頭痛などの症状が表れ、風車から離れたり、風車が止まったりすると改善する。こうした事実があれば、臨床医は風車の影響を真っ先に疑うのが当然だ」
 有吉さんは、宇久島に午前4時過ぎに入港するフェリーの超低周波音を測定した。その結果、着岸と離岸の際の計2分間、超低周波音が発生することが分かった。そこで、港から半径2キロ以内の住宅で影響を聞くと、6割の住民に振動で目覚めた経験があった。
 「わずか2分でこの結果。24時間回り続ける風車の影響は、はるかに大きい」
 だが、「衰退する一方のこの島の未来のために」と、風車の誘致を進めた元議員らの思いは複雑だ。「もし健康影響があるとしても、風車の数を減らし、民家から一定の距離をおけば影響は出ないはず。そうした議論もなしに、全否定という現状は残念でならない」
 宇久島の多くの住民が抱く健康影響への強い懸念。それは、超低周波音の被害から目をそらし続けた国や自治体、業者らの姿勢によって生じた。
 そこで国は、風車を来秋から環境影響評価の対象とすることを決定。建設前に低周波音(超低周波音を含む)のレベルを予測する方法や、健康影響についての調査を始めている。環境省環境影響評価課は「周辺住民の健康に十分配慮したい」としている。【11月22日・読売新聞】



続・増える環境過敏症(2)森の避難施設で回復

 福島県の南西部に位置する緑豊かな南会津町。ここに、化学物質や電磁波の影響に悩む人たちを対象とした町営避難施設「あらかい健康キャンプ村」がある。
 森の中の小学校跡地に、国などの補助金で木造校舎の一部を改装した2階建て施設と、7棟のログハウスが立ち、一度に12人(冬季は6人)が生活できる。
 開設は2007年。建物は、化学物質を含まない木材を使い、携帯電話の電波が届かない場所に建てた。1泊2食付き約6000円。農薬散布の時期には、全国から「苦しくて家にいられない」人が駆け込む。
 同施設管理人の池谷純仁(すみひと)さん(46)も、「過敏症」の経験者だ。横浜市で会社を経営していたが、04年、事務所に無線LANを導入した途端、体中に湿疹が出た。数か月たっても治らず、頭痛や耳鳴りも続いた。
 病院で自律神経の乱れが分かり、「電磁波過敏症の可能性がある」と指摘された。以後も、蛍光灯をつけると苦しくなるなど症状が悪化。合成洗剤のにおいで吐き気を催し、化学物質過敏症の症状も表れた。
 家族と離れて神奈川県箱根町の古いマンションに移り、電気のブレーカーを落として生活した。その時、本で知ったのが食事による体質改善。早速、有機野菜中心の食事に変えると、半年で劇的に回復した。
 「今は日常生活に支障はない。発症時は過労や外食続きで体が弱り、電磁波などの影響を受けやすかったのかも」と振り返る。
 この体験後、会社経営から退き、過敏症の避難施設づくりを計画。南会津町の前町長がこれに賛同し、同施設が生まれた。
 4年間の利用者は延べ約5000人。日々の食卓には無添加食材の一汁三菜が並ぶ。今年は、東京電力福島第一原発事故の影響が心配されたが、幸い放射線量は低くとどまっている。
 堺市出身の古村美樹さん(44)は、1994年以降、脚などの筋肉が急に衰えて立てなくなった。主治医は「原因不明。長く生きられない」と宣告。化学物質過敏症と分かったのは、05年のことだった。10代の時から、家の建材などから揮発する化学物質を浴び続けたのが原因とみられた。
 09年、同施設に来てすぐ、「空気を思い切り吸っても苦しくならないことに感動した」。玄米菜食も体に合い、数か月で歩けるようになった。現在は施設で暮らしながら、近くの飲食施設で働いている。
 池谷さんは「過敏症は適切な療養で回復し、ここに一時避難した人の多くが社会復帰している。各地に避難施設ができるよう行政などに働きかけたい」と話す。【11月21日・読売新聞】



続・増える環境過敏症(1)電磁波と子どもの不調

今年9月8〜15日の連載「増える環境過敏症」には、多くの反響が寄せられた。
 特に電磁波への関心が高く、「うちのマンションも携帯電話基地局の設置計画があり、不安です」「基地局は、民家から一定距離を置く法的規制が必要だ」などの意見が寄せられた。
 電磁波で疲労感やめまい、動悸(どうき)、皮膚炎などが起こる状態を「電磁波過敏症」と呼ぶ。だが、これらの症状を電磁波の影響と特定するのは難しい。世界保健機関(WHO)は、症状を訴える人は確かに存在するが、原因が電磁波である科学的根拠はない、との立場だ。
 しかし、電磁波の影響を示唆するような体調不良の訴えは増え、子どもへの影響も心配されている。
 九州大学芸術工学部准教授(環境政策)の近藤加代子さんは、自宅近くに携帯電話の基地局ができて以来、体の湿疹やひどい頭痛に悩まされるようになった。以後、電磁波の影響を調べ、今春、福岡県太宰府市の市立小学校(児童数約300人)で健康調査を行った。
 同校に最も近い基地局は校舎から約100メートルの距離にあり、2、3階の教室では窓越しにアンテナが見える。近藤さんが各階で行った電磁波強度(高周波)測定では、すべて国の基準値を下回ったが、数値は3階で急激に上がった。
 健康調査は、育成会(子ども会)の総会で父母にアンケート用紙を配り、児童の健康状態や、家から基地局までの距離、携帯電話使用の有無などを質問。出席したほぼ全員が回答し、児童134人の情報を得た。
 集計の結果、体調不良の児童は、3階に教室がある4、5年生が突出して多かった。この2学年で目立つ身体症状は、だるさ、のどの痛み・せき、皮膚炎、口内炎など。建物の陰でアンテナが見えない1階の6年生は、この2学年よりも体調が良好だった。
 4年生の児童の母親は「教室が3階になってから、耳鳴りや頭痛を訴えるようになった」と不安がる。
 調査に協力した西崎病院(沖縄県糸満市)の内科医、新城哲治さんは「アトピーや風邪などの原因がないのに、皮膚炎や口内炎を繰り返す例が目立つ。電磁波の影響も視野に入れ、詳しい調査が必要だ」と指摘する。
 基地局の設置を巡っては、欧州議会が2009年、学校や病院から一定距離を置くことなどを盛り込んだ報告書を採択。日本がオブザーバー参加する欧州評議会の議員会議は今年、加盟47か国に、子どもや若者の電磁波被曝(ひばく)を減らす対策を取るよう勧告した。近藤さんは「日本も予防的取り組みが急務だ」と訴える。【11月18日・読売新聞】



アロマキャンドルや芳香剤がアレルギー症状を誘発、米学会

 もしも、あなたが目のかゆみ、鼻水などのアレルギー症状に苦しんでいるなら、その原因はほこりや花粉ではなく、アロマキャンドルや芳香剤にあるのかもしれない。
 前週、開催された米国アレルギー・ぜんそく・免疫学会(ACAAI)の総会で、アレルギーのある人たちは本人たちが考える以上にアロマキャンドルや芳香剤などに過敏に反応する可能性があるとの見解が発表された。
 ACAAIのスタンリー・ファインマン(Stanley Fineman)次期代表は、芳香剤やキャンドルは「アレルギー症状を誘発したり、既存アレルギーを悪化させるうえ、ぜんそくを悪化させる危険がある」と、同学会の声明文で述べた。
 ファインマン氏によると、芳香剤の香りは「爽やか」に感じられるかもしれないが、こうした製品の多くはホルムアルデヒド、石油蒸留物、リモネン、エステ ル、アルコールなどの揮発性有機化合物(VOC)を含んでいる。VOCは、小児ぜんそくリスクとの関連性が指摘されている物質だ。そのうえVOCは、目や 気道の炎症、頭痛、めまい、さらには記憶障害を引き起こす危険性もあるという。
 また、「天然成分100%」をうたった製品や無香性の製品でも、有害な化学物質を放出する可能性があるという。
 ファインマン氏は、こうした危険を避ける最善の方法は「芳香剤が発する汚染物質にさらされないことだ」と語った。言い換えれば、ラベルに「グリーン」や 「オーガニック」と書かれていようが、芳香剤やアロマキャンドルは一切使わず、窓を開けて換気することがベストということ だ。[11月15日・(c)Relaxnews/AFPBB New]



Wi-Fi避難民、米ウェストバージニア州に集結中

深刻な「電磁波過敏症」を煩う人々が続々と米ウェストバージニア州の無線禁止区域に移住しているそうだ (BBC News の記事本家 /. 記事より) 。

電磁波過敏症とは携帯電話や Wi-Fi、またその他の電気機器から発せられる電磁波に身体が反応する症状であるとのこと。症状は頭痛から皮膚の灼熱感、筋肉のけいれんや慢性痛など多岐に及ぶとされている。米ウェストバージニア州には多くの電磁波望遠鏡があり、米連邦通信委員会によって「無線禁止区域」が制定されているとのこと。このため通常の日常生活を送るのが困難な重症患者らが移住してくるという事態が発生しているという。

米国ではおよそ 5 % の人々がこの症状に苦しんでいると試算されているとのこと。なお、WHO ではこれらの症状が表れる人々がいることは認識しつつも、電磁波と症状を関連づける科学的根拠は無いとのスタンスを取っているそうだ。[9月16日・スラッシュドット・ジャパン]



増える環境過敏症(5)Q&A 国は率先して健康調査を

 人体への影響について議論が続く電磁波。岡山大学環境学研究科教授の津田敏秀さんに、国際的研究の現状と課題を聞きました。
 ――微量の電磁波でも、体に影響が出るという考えをどう思われますか。
 「電磁波は目に見えなくてもエネルギーですから、慢性的に浴び続ければ、体に影響が出ても不思議ではありません。電気を使わない生活は困難です し、便利な携帯電話を今更なくすことはできません。ただ、影響を意識して携帯電話を控えめに使う人と、全く意識せずに長時間使い続ける人とでは、将来、健 康面で差が出る可能性があります」

 ――発がんの可能性も指摘されていますね。
 「携帯電話が発する電磁波(高周波)は今年、脳腫瘍の危険性を高める可能性があるとして、国際がん研究機関の発がん分類で、上から3番目の 2B(発がんの可能性がある)に位置づけられました。送電線や変電所などの近くで高まる電磁波(超低周波電磁界)も、小児白血病との関連が疑われ、2Bに なっています」

 ――この評価について、国内の研究者の中には「動物実験で影響が見られない」などとして軽視する傾向がありますが。
 「発がん性は疫学調査、動物実験、細胞実験をもとに評価されます。疫学は特定の物質や薬剤などが、人体にどのような影響を及ぼすか、健康調査など のデータを集めて統計的に比較する学問で、発がん性評価でも特に重視されています。電磁波も複数の疫学調査で影響ありと出たため、ひとまず2Bになりまし た」
 「ところが、国内では疫学者が非常に少ない。そのため人間の体調変化よりも、動物への影響の有無が重視されるというおかしな状況が続いているのです」

 ――発がん性評価は、動物実験や細胞実験で発がん性が確認されなくても、疫学調査の結果だけで決まることがあるのですか。
 「はい。疫学調査で人体影響が確実と判断されれば、それだけで1(発がん性あり)になります。超低周波電磁界は、国際的な疫学調査で影響ありという結果が多く、いつ1になってもおかしくない状況です」

 ――国や自治体はどのような対応が必要ですか。
 「国は水俣病などの公害問題でも、原因とみられる物質と症状の因果関係が科学的に証明されていないとして、迅速な対策をとりませんでした。そればかりか、科学的証明を求めておきながら、因果関係の科学的証明に最も有益な疫学調査を行わなかったのです」
 「電磁波など新たな環境問題に対処するには、国や自治体が率先して基地局周辺住民らの健康調査を行う必要があり、地域保健法の改正など法整備が必 要です。また、一部の専門家が国の審議会で健康影響を判断するのではなく、希望する研究者や企業、市民団体がすべて参加できる環境問題ネットワークを作 り、意見を交わし合うことが問題解決の第一歩です」(佐藤光展)[9月15日・読売新聞]





増える環境過敏症(4)電磁波の影響 診断法なく

 携帯電話基地局の周辺住民が、建設中止や稼働停止を求めて訴訟を起こすケースもある。宮崎県延岡市では2009年、健康被害を訴える住民30人が、基地局の操業差し止めを求めて提訴した。
 同市大貫町の3階建てマンション屋上にアンテナ3本が立ったのは06年秋。間もなく周辺300メートルの範囲で住民に体調不良が多発した。そこで同市は翌年、この地区で保健師の健康相談を実施。耳鳴り、肩こり、不眠、頭痛、めまい、背部痛、鼻血などに悩む10代〜80代の男女45人が相談に訪れ、このうち43人は基地局建設後に症状が表れていた。
 アンテナから約45メートルの距離に、事務所兼自宅がある税理士の岡田澄太さん(62)と家族は、耳鳴りや胸の圧迫感などに悩まされ、07年1月、10キロ・メートル離れた実家に逃れた。症状は消え、事務所も別の場所に移した。
 携帯電話会社が、岡田さん宅の3階室内で電磁波強度(2ギガ・ヘルツ)を測ると、基地局から電波を出した時と止めた時とでは最大3万倍の開きがあった。それでも国の基準値以下だった。
 住民らは、総務省九州総合通信局に救いを求めたが、担当者は「耳鳴りや肩こりがあるのは認めるが、それはアンテナが見えるストレスから来るもの」と指摘したという。
 国の対応について、川崎医大教授(衛生学)の大槻剛巳さんは「水俣病などの公害問題から何も学んでいない。電磁波による健康被害は科学的に証明されていないとして、住民の訴えをすべて気持ちの問題と決めつける姿勢こそが、最も科学的でない」と語る。
 そよ風クリニック(東京都杉並区)院長の宮田幹夫さんは、「電磁波を慢性的に浴び、自律神経のバランスを崩す人は増えており、化学物質過敏症を併発する人もいる。電磁波の少ない環境に移れればいいが、様々な事情で転居できず、苦しみ続ける人が少なくない。気のせいではないことを示すためにも、診断法の確立が欠かせない」と話す。
 相次ぐトラブルを受け、動き出した地域もある。兵庫県の川西市議会は07年、国に電磁波強度の規制強化や全国的な健康調査を求める意見書を可決。神奈川県の鎌倉市議会は昨年、基地局着工前の十分な住民説明を事業者に求める条例を全会一致で可決した。
 今年7月、宮崎地裁延岡支部での原告尋問。住民5人が体の痛みやひどい耳鳴りなどの苦しみを訴えた。
 だが、それ以上に住民を苦しめているものがある。「症状を信じてもらえないことが、一番つらい」[9月14日・読売新聞]


増える環境過敏症(3)アンテナ増設 家族に異変

 那覇市の高台の10階建てマンション。2004年暮れ、その最上階で、西崎病院(沖縄県糸満市)の内科医、新城哲治さん(48)の家族6人は暮らし始めた。
 海まで見渡せる眺望と広いテラスが家族のお気に入りだった。屋上には携帯電話の電波を中継する携帯電話基地局のアンテナ(800メガ・ヘルツ用)があったが、気に留めなかった。
 ところが、携帯電話会社が2ギガ・ヘルツの電波に対応するため、新たなアンテナを立てるなど屋上設備を増設した08年3月以降、家族の体に次々と異変が起こった。
 長女と三女が繰り返し鼻血を出した。次女は耳鳴りと日中の睡魔を訴えた。長男には1分間に200回の頻脈や不整脈が表れた。
 新城さんもひどい頭痛と不眠に悩まされた。妻で看護師の明美さん(47)はめまいや耳鳴りに加え、引っ越しの半年後から表れた肩の痛みが悪化した。
 大学で細胞や遺伝子の研究を長く続けていた新城さんは「基地局が発する電磁波は、自然界に存在しない。人体の神経細胞の電気の流れを乱し、体調不良を招いても不思議はない」と判断し、転居を決意。同年10月、短期賃貸マンションに避難した。1週間ほどで新城さんの頭痛は消え、娘たちの鼻血や耳鳴り、睡魔は治まり、長男の脈拍は70台で落ち着いた。明美さんはひどかった肩の激痛が消えた。
 翌月には別の家を借り、生活は落ち着き始めたものの、マンションの他の居住者の健康が気がかりだった。夫妻は全世帯を回り、病歴などを詳細に聞き取った。その結果、基地局に近い高層階を中心に、だるさ、意識障害、鼻血など170件の症状を確認。このうち121件は、新たなアンテナ増設後に起こっていた。新城さんは「電波出力の増加が原因」とみる。
 携帯電話会社が、このマンションの廊下や室内で測った電磁波の強さは、すべて国の基準値以下で「健康に影響はない」としたが、マンション理事会は、基地局の設置契約を更新しないことを決め、09年にすべて撤去された。3か月後、夫妻は再び全世帯の健康調査を実施。症状は22件で8分の1に減った。10件あった鼻血は0件だった。
 新城さんは「調査結果は、国の基準値以下の電磁波でも健康被害が起こりうることを示している。国や業者は基地局の設置場所の再考や、基準値の見直しを進めるべきだ」と訴える。

携帯電話基地局
 周辺の携帯電話から電波を受けるなどして、通話を中継する施設。鉄塔やビルの屋上などに設置され、約18万局(昨年3月時点)ある。基地局の電波の強さは法律で規制され、総務省は「体に届く電波は基準値を大きく下回り、健康に影響を及ぼす証拠はない」としている。[9月13日・読売新聞]



増える環境過敏症(2)超低周波音の対策遅れ

 緑豊かな静岡県南伊豆町の山間に、木工業の沼田松雄さん(63)が5年がかりで妻(52)と一緒に建てた自宅兼作業場がある。
 正面の山の頂に目をやると巨大な発電用の風車が「ゴーッ」と音をたてて回る。直線で440メートルの距離だ。周辺にはさらに16基の風車があり、これらの風切り音の一部も、山間を抜けて耳に届く。だが、問題なのは耳障りな騒音よりもむしろ、聞こえない超低周波音だった。
 民間業者が風車を建設したのは2009年のことだ。同年11月末に試運転が始まると、風車から数百メートルの距離に住む人たちに体調不良が表れた。沼田さんと妻は同年12月以降、めまいが頻繁になり、耳の痛み、首や肩の張り、胸や背中の圧迫感、不眠、高血圧などに見舞われた。
 翌年3月、「体が持たない」と、20キロ・メートル離れた所に家を借りた。風車から遠ざかったためか体の不調が消えた。今は日中、自宅兼作業場で仕事をし、夕方には借家に戻る。沼田さんは「国が推し進める『エコ』な発電で、なぜ我々の健康や生活が脅かされなければならないのか」と憤る。
 夫婦の体調不良を、成蹊大理工学部非常勤講師の岡田健さんは「風車が風を切る時に発生する超低周波音と空気流の影響」とみる。
 超低周波音の健康への影響は30年以上前から知られていた。石川島播磨重工業(現IHI)に長く勤務した岡田さんは工場や空港の周辺住民から寄せられる動悸(どうき)やめまい、頭痛などの苦情に対応し、工場のボイラーやコンプレッサー、航空機エンジンなど、音の発生源の改良を手がけてきた。
 「消音装置などで超低周波音を減らすと、途端に症状が改善し、苦情が減ることが分かった」という。
 低周波音問題(超低周波音含む)を巡っては、環境省が04年、影響の有無を判断する目安となる値「参照値」を公表した。家庭でのヒートポンプ給湯器の普及などに伴い、周辺で低周波音の苦情が相次いだからだ。
 ところが、「一部の音響専門家らが値を決めたため、耳に聞こえない音波は考慮されず、参照値以下の超低周波音に健康影響はないと切り捨てられた」と岡田さんは指摘する。この解釈が風車の問題でも用いられ、被害の軽視につながっているという。
 健康被害の訴えは、風車が立ち並ぶ同県東伊豆町や愛知県豊橋市などでも相次ぐ。環境省は昨年度から、風車の低周波音の影響調査を始めたが、住民の声をきちんと受け止め、民家に近い風車は回転数を落とすなど、早急な対策が必要だ。

超低周波音
 周波数20ヘルツ以下の聞こえない音。風車では、羽根(ブレード)による空気の切り裂きや、羽根の表面の乱気流で生じ、微細な空気振動として伝わる。[9月9日・読売新聞]



増える環境過敏症(1) 規制外の化学物質で変調

yomiDR./ヨミドクター(読売新聞)「最新の医療ルネサンス・医療解説」
 東京の会社に勤めるA子さん(44)は昨年3月、新築された社屋に初めて入った途端、鼻をつく薬品のような刺激臭を感じた。同じ階では内装の仕上げ作業が続いており、そこから強い臭いが出ているようだった。
 その日、パソコンで事務作業を始めて2時間、目の痛みと頭痛に襲われ、せきが止まらなくなった。帰宅すると治まったが、以来、内装工事が完了した後も出社の度に症状が表れた。
 息苦しさ、全身の筋肉痛、発熱など症状が次々と増えた。内科の血液検査では異常はなかった。だが、オフィス以外でもすれ違う人の服についた柔軟剤やたばこの臭いで吐き気や頭痛などが起こるようになり、昨年5月に休職した。
 そよ風クリニック(東京・杉並区)院長の宮田幹夫さん(北里大名誉教授)はA子さんの自律神経の乱れを検査で確認し、化学物質過敏症と診断。同僚の女性社員2人にも同じ症状が表れ、宮田さんが診断した。
 この病気は、特定の化学物質の臭いや刺激をきっかけに体調不良が起こり、次第に原因物質以外の様々な化学物質に反応するようになる。悪化すると、数百メートル離れた人の服についたたばこの臭いなど、機器で検出できないほど微量な化学物質で体調を崩すこともあり、心の病と間違われることが少なくない。

 化学物質過敏症を巡っては1990年代半ば、建材に含まれるホルムアルデヒドなどが新築の家の空気中に広がり、体調不良の引き金になる「シックハウス症候群」が相次いだ。そこで国は、13種類の化学物質の濃度指針の作成やホルムアルデヒドの使用規制などを行い、シックハウス症候群は減少した。
 だが最近は、規制外の化学物質で体調を崩す人が後を絶たない。宮田さんは「換気が悪いオフィスや学校などで患者が出ている。空気中には数千種類の化学物質があり、原因物質の特定は困難」と話す。
 治療は、体調悪化を引き起こす化学物質から遠ざかることが第一だ。その上で、ウオーキングなど適度な有酸素運動や、ぬるめのお湯に長くつかるなどして、自律神経を整える。「ビタミンCが多い果物(農薬が少ないもの)や、海藻などミネラルが多い食品も、体の酸化を防いで回復につながる」と宮田さんは勧める。
 宮田さんはA子さんの会社の産業医に換気の徹底を依頼。同僚2人は数か月の休職の後、仕事に復帰できた。A子さんはまだ出社できないが、症状は軽くなってきている。
 環境中の人工的な物質や音、電波が体調悪化を引き起こす「環境過敏症」の現状を報告する。

化学物質過敏症
 化学物質の臭いなどに反応して頭痛やめまい、だるさ、抑うつなどが起こる。物を追う目の動きや、光に対する瞳孔の反応などで自律神経の乱れを確認する。2009年に病名として認められた。[9月8日・読売新聞]



仮設住宅でシックハウスか=岩手の姉妹、吐き気訴えー自治体「定期的換気を」

 岩手県宮古市の仮設住宅に入居する高齢女性2人が吐き気や頭痛などの症状を訴え、シックハウス症候群の疑いがあると診断されていたことが25日、県や市 への取材で分かった。国土交通省によると、東日本大震災に伴う仮設住宅で同症候群と疑われる事例は初めてとみられる。気温が高くなると、建材に含まれる化 学物質の放散が進む恐れがあるといい、厚生労働省などは「定期的な換気を」と注意を促している。
 岩手県県民くらしの安全課や宮古保健所などによ ると、宮古市の仮設住宅に入居する高齢の姉妹が6月、「入居直後、シンナー臭がして吐き気や頭痛、目まいがする」と訴え、病院で診察を受けたところ、シッ クハウス症候群の疑いと診断された。姉妹は2回にわたり受診し、病院側は点滴や酸素療法をした上で、部屋の換気をするよう指示した。姉妹が入居する仮設住 宅は5月下旬に完成し、6月から入居が始まったという。[7月25日・時事通信]



携帯電話に脳腫瘍リスク=因果関係の可能性 WHO

【ジュネーブ時事】世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC、本部仏リヨン)は31日、電磁波とがん発症の因果関係調査結果として、携帯電話の頻繁な利用で脳腫瘍のリスクが高まる可能性があるとの見解を示した。
 IARCは、携帯電話の長時間利用と脳にできる腫瘍である神経膠腫(こうしゅ)や聴神経腫瘍の因果関係について「何らかのリスクがある可能性があり、今後も注視が必要」と指摘した。脳以外への発がん性は確認できないとしている。[6月1日・時事通信社]



妊娠時の殺虫剤暴露量と子どものIQに関連性、米研究

 妊婦の殺虫剤暴露量の多さと生まれてくる子どもの知能指数(IQ)の低さの関連性を示した3本の論文が、21日の米医学誌「Environmental Health Perspectives」に掲載された。
 3本の研究はいずれも、果物や野菜の栽培で一般的に使用される有機リン系殺虫剤に的を絞り、妊婦の暴露量とその子ども約1000人のIQを最大9歳まで、ほぼ10年にわたり追跡調査した。
 まず、米カリフォルニア(California)州北部の農場地帯サリナス(Salinas)で392人の子どもを対象に行われた調査では、妊婦から検出された有機リン系殺虫剤の量が10倍増えるごとに、7歳児のIQが5.5ずつ下がっていた。この結果は、教育、世帯収入、その他の環境汚染物質の暴露量などを加味した場合も変わらなかった。
 次に、ニューヨーク(New York)のマウントシナイ病院(Mount Sinai Hospital)が妊婦400人とその子どもを対象に1998年から行った調査では、有機リン系殺虫剤への暴露が、6〜9歳時の知覚・思考能力と非言語的な問題解決能力にマイナスの影響を与えることが分かった。
 なお、妊婦の約3人に1人が有機リン系殺虫剤の代謝を鈍らせる遺伝子変異を持っており、マイナスの影響が認められたのはこうした母親の子どもに限られていた。
 最後に、ニューヨークのコロンビア大(Columbia University)は特に、ゴキブリやシロアリの駆除に広く使われていたクロルピリホスに着目し、子ども265人で調査を行った。なお家庭用のクロルピリホスは米国では2001年に使用が禁止されているため、それ以前に生まれた子どもを対象にした。

 その結果、妊婦の暴露量が多いほど、その子どものIQおよび記憶力が低かった。暴露量が上位25%内に入っている妊婦の子どもでは、それ以下の妊婦の子どもよりも作業記憶が5.5%、IQが2.7ポイントそれぞれ低かった。
 カリフォルニアでの研究を主導したマーリス・ブシャール(Maryse Bouchard)氏は、「3つの調査は別々に実施されたものではあるが、似たような結果が出たことは(有機リン系殺虫剤の使用に関して)いっそうの注意を喚起することになる」と話している。(c)AFP/Kerry Sherida[4月22日・AFP BB News]



講演会:化学物質過敏症で教職員ら−−伊勢原 /神奈

 伊勢原市内の教職員らでつくる市学校保健会は17日、講演会「化学物質過敏症発症者の身体的影響について」を市役所で開き、東海大学医学部の坂部貢教授(環境毒性学)が発症原因や子供への影響について説明した。
 化学物質過敏症は、たばこなどに含まれるごく微量の化学物質を浴びることで息苦しさや目まいなど身体的影響が出る。同じ量を浴びても発症するかは個人差があり、診断や予防法が難しく社会的な理解も進んでいない。
 講演会で坂部教授は「妊娠中の女性が浴びた化学物質は胎児にも移行し、影響が出る」などと説明した。
 自宅の外装工事の後、頭痛などの症状が出たという猿渡温美さん(64)は講演を聞き「インクの臭いでも気分が悪くなり一時は友達からの手紙も読めなかった。多くの人に過敏症の現状を知ってほしいし予防策を広めて」と話した。【宗岡敬介】
[2月19日・毎日新聞]



家庭の8割でホルムアルデヒド汚染 内装工事や家具が原因

 2010年に自宅の内装工事を行った1243世帯を対象に、上海の団体が実施した測定の結果、82.4%でホルムアルデヒド、75.1%でTVOC(総揮発性有機化合物)がそれぞれ基準値を超える濃度だったことが分かった。東方早報が伝えた。
 この団体が上海児童医学センターの委託を受け、白血病患者の児童のいる家庭30世帯を対象に調べたところ、ほぼ半数が発病前後に内装工事や有害家具の据え 付けを行っていた。このうち1世帯は、浦東陸家嘴地区の高級マンションに住んでいるが、子供部屋の家具から基準値の4倍を上回る1平米あたり0.43ミリ グラムものホルムアルデヒドが検出された。
 上海市環境保護協会の専門家は、「内装工事や家具購入の際には、環境に優しい製品を極力選ぶようにすべきだ。また、工事完了後は、すぐにその部屋を使わずしばらくの間は頻繁に風を通すように心掛けると良い」と提案している。
 上海市環境保護協会と上海装飾倶楽部は、環境に優しい内装・建材に関する知識の普及を目的として、毎週土曜の午後、内装に関する一般公開講座を開講すると同時に、室内空気の検査活動も継続して実施している。(編集担当:松本夏穂)[2月8日・東方早報]


学校の床ワックスに過敏症原因物質 岐阜県教育委員会調査

 子どもたちの化学物質過敏症の実態について、岐阜県教育委員会が初めて県内のすべての公立学校を調べたところ、学校で使われている塗料や芳香剤、床 ワックスなどが過敏症の原因になっていたことが確認された。同県教委によると、県レベルで全公立学校を対象にした過敏症の調査は東海3県では初めてで、全国でも珍しいという。学校側は床ワックスなどを使うのをやめるなど、子どもたちの健康対策を模索している。
 調査は、岐阜県内の公立の幼稚園、小、中、高校、特別支援学校の計731校を対象に実施。「香料自粛を求める会」(小沢祐子代表)の申し入れを受け、昨年9月から実施した。
 その結果、化学物質過敏症と診断されたか、その疑いがある子どもは、小学校5校、中学校6校、特別支援学校1校で各1人ずつ計12人いた。
 過敏症の反応が出る物質で最も多かったのが塗料で、10人が挙げた。ほかに回答が多かったのは、芳香剤・消臭剤▽香水・制汗剤・整髪料▽床ワックス▽合成洗剤▽防虫剤▽たばこの煙やにおい▽接着剤など。いずれも学校で接する可能性がある。
 主な症状は、頭痛▽目の異常▽皮膚のかゆみや感覚の異常▽のどの痛み▽めまい▽精神状態の不安定などが上位を占めた。必ずしも校内で発症したわけではないという。
 12人が在籍する各学校では、芳香剤や床ワックスの使用をやめたり、アレルギーを起こしにくいインクを使った教科書を採用したりしたほか、授業参観の際、保護者に香料の自粛を呼びかけるなどの対応をしたという。
 また、ほかに34校が「化学物質過敏症または疑いのある児童生徒がいる」と回答したが、ぜんそくやアトピー性皮膚炎、または食物アレルギー、金属やゴムなど特定の物質に反応するアレルギーだったため、今回の数字には含めなかったという。高校では報告がなかった。
 同県教委の担当者は「今回、初めて実態が明らかになったが、各校とも保護者とよく話し合って、健康被害を防ぐ取り組みをしていた。今後は、さらに啓発に努力したい」と話している。また、各学校で使えるように香料自粛を呼びかけるポスターを用意するという。
 一方、「香料自粛を求める会」の小沢代表は「合成洗剤や柔軟剤、香水など身近な物質も原因になっていることを認識してほしい。学校現場での理解や取り組みはまだ不十分だ」と指摘している。(久土地亮)
[2011年1月8日・朝日新聞]


妊娠中の携帯使用、子どもの行動障害リスク高める可能性 研究

 妊娠中に携帯電話を定期的に使用すると、行動障害の子どもが産まれる可能性が高くなるという調査結果が、7日の英医学専門誌「Journal of Epidemiology and Community Health」に発表された。子どもが早い段階から携帯電話を使用し始めた場合、行動障害リスクはさらに高まるという。
 米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームは、1996〜2002年にデンマークで実施された母と子の健康追跡調査「デンマーク国家出生コホート(Danish National Birth Cohort)」の対象となった7歳児2万8000人とその母親の健康状態を分析した。母親は調査の中で、妊娠中と出産後の食生活、および携帯電話の使用を含めた生活習慣に関するアンケートに回答している。
 その結果、妊娠中、出産後ともに携帯電話を使用していた母親から産まれた子どもでは、行動障害を持つ確率が50%高くなった。母親が妊娠中にのみ携帯電話を使用した場合、子どもが行動障害を持つ確率は40%高くなり、出産後にのみ使用した場合、この確率は20%にまで減少した。こうした結果は、行動障害に影響する恐れのある諸要素を加味した場合でも当てはまった。同研究チームがこれより先に行った、同調査中の別の子ども1万3000人とその母親に対する分析でも、同様の結果が得られている。
 研究者らは、携帯電話と問題行動を起こす子どもに直接的な因果関係があるとは断定できないとしながらも、「(子どもを)早い段階から携帯電話にさらすこ とにはリスクを伴う可能性がある。因果関係が現実のものなら、携帯電話が広範に普及していることから公衆衛生の懸念材料となる」としている。[12月7日・AFPBB News]


民主有志がシックハウス勉強会

建物に使う建材などに含まれる化学物質が原因で、さまざまな症状が出るいわゆるシックハウス症候群について、民主党の有志の国会議員は、近く勉強会を発足させ、測定基準の見直しなど対策の強化を目指すことにしています。
シックハウス症候群は、建物に使う建材や塗料に含まれる化学物質が原因で、頭痛やめまいなどの症状が出るもので、政府は、法律で一部の化学物質の建材への使用を規制するなどしています。こうしたなか、民主党の藤末健三参議院議員ら有志の国会議員は、ことし夏に完成した新しい参議院議員会館で、頭痛などを訴える国会議員や秘書が出たことを重くみて、近くシックハウス症候群に関する勉強会を発足させることになりました。新しい議員会館については、専門家に調査を依頼したところ、規制の対象となっている化学物質の濃度は厚生労働省が定めている数値より低い一方、対象となっていない物質が検出されたということです。このため、藤末氏らは、測定基準の見直しや規制の対象とする物質を増やすことなどを検討する必要があるとして、法改正も視野に対策の強化を目指すことにしています。[11月1日・NHKニュース]



風力発電の騒音・低周波音、64か所で苦情

 環境省は7日、全国の風力発電施設の騒音、低周波音の苦情に関するアンケート結果を発表した。全国389か所の風力発電施設のうち、約16%にあたる64か所で苦情があり、設置基数が多い施設は苦情が出る割合も高いこともわかった。
 アンケートは今年4月1日現在稼働中で、総出力20キロ・ワット以上の施設が対象。389施設がある40都道府県と設置主体の186事業者から回答を得た。苦情があった64か所のうち、調査時点で問題が解決されていないのは25か所。この25か所を、施設と住居との距離で分類すると、「300メートル以上400メートル未満」が8か所で最も多かった。
 風車が10基以上ある施設(58か所)では45%で苦情があった。定格出力が1000キロ・ワット以上の施設(188か所)では、約28%の53施設で苦情があった。[10月8日・読売新聞]



<合成着色料>「子どもに悪影響」警告表示、EUが義務付け

「子どもの活動や注意力に悪影響を与えるかもしれません」。特定の合成着色料を使用した食品に、こんな警告表示を出すよう、欧州連合(EU)が食品事業者に7月から義務付けた。読むだけでも恐ろしい表示だが、現段階では表示の義務化にとどまり、使用禁止はしていない。警告対象になっている6種類のうち4種類は、日本でも使用が認められている着色料で、菓子や漬物など幅広い製品に使われている。消費者はどう対応すべきだろうか。
 警告表示が義務化されたのは、ナフサを原料に作られたタール色素の一部。日本国内では黄色4号、同5号、赤色40号、同102号の4種類の使用が認められている。
 表示義務化は、英国の食品基準庁が07年に英サウサンプトン大に委託した研究がきっかけ。この研究では、子どもの多動性が6種の合成着色料と関連している可能性が示唆された。3歳と8〜9歳の子ども約150人ずつを対象に、6種類の合成着色料を2通りの組み合わせで4種類ずつ混ぜたジュースを飲ませた。親や教師、研究者らが観察・点数化したところ、計4パターンのうち3パターンの実験で多動傾向が見られたという。同庁は「子どもに多動性行動の兆候がある場合、食事からこれらの合成着色料を除けば改善する可能性がある」と発表した。
 しかし、サンプル数が計300人と少ないことや、着色料6種類を混ぜた実験だったため、どの合成着色料がどの程度影響を与えたかは特定できていない。EU域内からも「科学的な検証が不十分だ」との意見も目立った。このため、食品安全のリスク評価を行う欧州食品安全機関は08年、この研究結果について「1日あたりの摂取許容量を変更する根拠にはならない」として、使用禁止措置は取らないことを決めた。ただ一方で、EUは消費者が選択するためのガイドラインとして、警告表示は義務づけた。
 危険とまではいえないものの、安全だともいい切れない。今回の警告表示の義務化は、対象の着色料が、こんなグレーゾーンにあるとの考え方に基づくものといえる。
 EUの専門家の間でも「危険なら使用禁止か、許容量を下げるべきだ。警告表示だけなら、不安をあおるだけで意味がない」という批判が多い。EUに加盟していないスイスは今年8月、「警告表示は科学的証拠に基づいてリスク管理するという原則に反している」として、警告表示を義務化しないことを決めた。
 日本も「現段階では禁止などの根拠にはならない」(厚生労働省)、「警告表示の導入は考えていない」(消費者庁)としている。国立医薬品食品衛生研究所が基礎的な実験を進めている段階で、当面は消費者の選択に委ねられる状況が続きそうだ。
 ただ、国内では赤色102号が使われることが多い紅ショウガや、黄色4号を使う練りウニやたくあんなどで天然着色料が広がり、合成着色料の使用は減る傾向にある。天然の色素が必ずしも安全とは言い切れないが、クチナシ色素やコチニール色素など植物や虫から抽出した色素が増え、国内でのタール色素の昨年の生産量は5年前の約8割(8トン)に減った。食品大手の品質保証担当者は「EUで問題になった着色料は、当社ブランドでは昨年から使用を取りやめた」と語る。しかし、「中小企業など、対応できていないところはまだ多い」ともいい、外食産業や加工食品で現在も、広く使用されている。
 消費者庁食品表示課は「食品に使われる添加物は安全であることが大前提だ。着色料などの添加物は原材料の表示欄に必ず記載されている。どうしても用心のために避けたいという場合は、参考にしてほしい」と話している。[10月5日・毎日新聞]


Wi-Fiが原因か? 児童たちに頭痛、めまい、疲労感の症状=カナダ

 今年初め、カナダ・トロントの北100キロにあるシムコー郡(Simcoe County)の12の小学校で、児童たちの体調不良を懸念した数人の保護者たちが、シムコー学校安全委員会を立ち上げた。保護者らは、「学校で使用されている無線LAN(Wi-Fi)が原因」と主張している。一方、オンタリオ中央教育委員会は、学校での無線LANの使用を継続するという。
 保護者らによると、児童たちの症状は頭痛、めまい、不眠、かぶれなどで、週末の体調は良好だが、登校日になると、とたんに発症するという。
 安全委員会の代表を務めるロドニー・パルマー氏は、「保護者たちは医者を訪れ、なぜ児童たちの目は問題がないのに頭痛がするのかを聞き、また心臓専門医も訪ねて、なぜ児童たちが学校で息切れしたり、気絶したりするのかを探った」と語った。
 パルマー氏は、彼の9歳と5歳の子供に見られた疲労や顔面の高潮、ふさぎ込みなどの症状は、2人が通うマウンテン・ビュー小学校の無線LANによるものだと主張する。同氏は、「心が痛むが」としながらも、無線LANを使う同校へはもう通わせないと話す。
 一方、シムコー地域教育委員会の教育官ジョン・ダンス氏は、保護者たちの意見を聴取し、トロント大学の専門家の意見を聞いた結果、無線LANの使用を継続することを決定した。ダンス氏は、子供への影響について、「無線LANが原因だとする証拠はない」と主張する。
 ダンス氏によると、小学校が無線LANを導入した4年前、児童らに症状は出ていなかったという。保護者たちからのクレームが出始めたのは、昨年の12月。保護者らは無線LANが導入されてから児童に変化が起きたと主張するが、実際は4年前に既に導入されていたことを知らなかったのだとダンス氏は指摘する。
 しかし、無線LANの影響については、注意を喚起する研究結果も出ている。
 ハーバード大学公衆衛生大学院の元研究コンサルタント、スーザン・クラーク氏によると、無線LANは電子レンジと同じ周波数のマイクロ波を放射するという。「子供の頭蓋骨は育ち盛りで大人よりも薄いため、マイクロ波の放射を吸収しやすい」と指摘する。
 また、元英国軍のマイクロ波の武器研究をしていた物理学者バリー・トロワー氏は先月24日、トロント大学での講演で、「低レベルのマイクロ波でも卵巣にダメージを与え、遺伝子を傷つけ次世代を危険にさらす」と話している。議論の決着には、まだまだ時間がかかりそうだ。
 無線LANによる児童への影響について、バンクーバー北教育委員会勤務・特殊教育アシスタントのベン・テイラーさんは、次にように話す。「子供たちの健康におよぶため、すみやかに、真剣に調査する必要があると考える。この新しい分野のテクノロジーに、長期に子供たちが曝される影響について、今から10年後に判明するようなことがあってはならない」フリーランス記者で母親でもあるファニー・キューさんは、「もちろん、心配している。子供たちの健康に害がないという証明がない限り」と語った。(ジョアン・デラニー記者 / 翻訳編集・羽後)[9月22日・大紀元日本]


シックスクール症候群:奥州・胆沢第一小、校舎当面使用せず 基準以下で被害 /岩手

 奥州市立胆沢第一小学校(渡辺唱光校長、419人)で19人の児童がシックスクール症候群と診断された問題で、市教委は13日、教室のある校舎を当面使用しないことを決めた。原因とみられる揮発性有機化合物の濃度が国の基準値以下でも被害が出ているためだ。
 18日から始まる2学期の授業では▽体育館を仕切った臨時教室▽小山公民館▽渡辺記念館▽市立小山中学校の空き教室−−などを使用する。
 市教委によると、夏休み期間中に化学物質などの放散対策をしているが、12日に出た揮発性有機化合物(TVOC)の濃度測定結果では、1教室で国の基準値(1立方メートル当たり400マイクログラム)を上回っていた。市教委は独自の目安として、TVOCの数値が窓を閉めた状態で国の基準値の半分以下、窓を開けた状態で4分の1以下の2ケタ台と設定。目安をクリアするまで放散作業を続け、校舎は使わない方針だ。【湯浅聖一】
[8月14日・毎日新聞]




巨費の割に対策不備? 議員会館 シックハウス

 衆参両院の新しい議員会館(東京・永田町)で、新築の建物の建材や家具などに含まれる化学物質の揮発で頭痛や吐き気に襲われる「シックハウス症候群」の被害が出ていることが分かった。民間のお手本となるべき国の建物で対策の不備が露呈した格好だ。

 被害を訴えているのは、民主党政調会長代理の桜井充参院議員。桜井氏は七月下旬、新しい衆院議員会館を初めて訪ねた際、気分が悪くなった。桜井氏は同症候群に悩まされてきたが、新会館は「(他の新築よりも)化学物質のにおいがきついと思った。特に廊下は空気が抜けるところがない」と指摘。他の議員に大幅に遅れて五日に引っ越す予定だが、桜井氏本人は議員宿舎を拠点に活動するという。
 民主党の平野達男参院議員も「今は感じなくなったが、最初は目が痛かった」と証言。秘書の間からは「においは気にはなるが、あきらめている」との声も上がっている。
 においは室内の書棚や机、じゅうたんなどから出ている。外気口は小さく、部屋の密閉度は高い。
 参院側は、桜井氏らの問い合わせに「国の指針値を超える濃度の化学物質は検出されていない」と説明。ところが、衆参両院は本紙などの指摘を受けて急きょ、三日から十二日までの十日間、両院の議員会館でにおいを早期に除去するため、夜間も空調機を運転し換気することを決めた。

 化学物質過敏症支援センター(横浜市)の広田しのぶ理事は「国の建物で症状を訴える人が出るとは驚き。シックハウス問題は終わったように言われるが原因は多岐にわたっており、患者は増えている」と話している。[8月4日・東京新聞]



農薬摂取で「子の注意欠陥・多動性障害増える」 米研究

【ワシントン=勝田敏彦】米ハーバード大などの研究チームが、有機リン系の農薬を低濃度でも摂取した子どもは注意欠陥・多動性障害(ADHD)になりやすいとの研究結果をまとめた。17日発行の米小児学会誌に発表した。
 研究チームは米国の8〜15歳の子ども1139人の尿の成分を分析、親と面接してADHDの診断基準に当てはまるかどうか調べた。
 分析の結果、検出限界ぎりぎりの濃度でも農薬成分の代謝物が尿から見つかった子は、検出されなかった子よりもADHDと診断される可能性が1.93倍になった。
 これまでの研究は、たとえば農村地帯に住む農薬の摂取量が多い人らを対象にしたものだった。チームは論文で「今回のように米国で普通に摂取されているようなレベルでも、農薬成分がADHDの増加につながっている可能性がある」としている。
 農薬成分は農作物に残留したりして子どもの体内に入ったと考えられている。チームのマーク・ワイスコプさんはロイター通信の取材に「野菜や果物は食べる前によく洗ったほうがよい」と話した。
 発達過程にある子どもの脳などは、農薬など神経系に障害を与える可能性がある化学物質に特に弱いと考えられている。農林水産省によると、有機リン系の農薬は日本でも使われている。[5月18日・朝日新聞]


中国、シックハウス症候群で年間220万人の青少年が死亡

 中国政府は16日、屋内の空気汚染に関連した健康問題で、中国国内で年間220万人の青少年が死亡しているとの報告書を発表した。死亡した子どものうち半数は5歳未満だという。中国国営の中国新聞社(China News Service)が伝えた。
  研究は、中国疾病預防控制中心(Chinese Centre for Disease Control and Prevention)が実施した。中国は屋外の大気汚染がひどいことで知られるが、報告書によると、室内空気の汚染の度合いはその大気汚染と比較しても5〜10倍高い場合が多かったという。
 報告書によると、屋内の空気汚染により呼吸器系の疾病やその他の症状が発症し、220万人の子どもが死亡、そのうち100万人は5歳未満だった。危険性の高い汚染物質にはホルムアルデヒドやベンゼン、アンモニア、ラドンなどが含まれ、中でも危険性の高いホルムアルデヒドは、中国では建材や新品家具に含まれていることが多く、数年間かけて屋内に放出される可能性があるという。
 報告書は、これらの汚染物質に長期間さらされた場合、呼吸器系の疾病や精神障害、がんなどを含むさまざまな健康問題が起きる危険性があり、特に子どもや胎児、老人らが最も被害を受けやすいとした。[5月17日・AFP]


2児童 シックスクールに 原因究明 進まず

 改装工事が継続する胆沢第一小学校
 改装工事中の奥州市立胆沢第一小(児童数419人)で、児童2人が、建材などから出る化学物質に反応し、頭痛やめまいなどの症状が現れる「シックスクール症候群」と診断された。全国でも相次いだのを受け、文部科学省は基準を厳格化している。ただ、市は国の基準は順守していた。それでも発症した事実についての解明はなされないままだ。「ペンキのにおいが気になり、頭がズキズキ痛むようになった。時にはノートもとれないほど」。同症候群と診断された5年の女子児童(10)は振り返った。
 同校では、老朽化に伴う改装工事を昨年8月に開始。作業を終えた教室ごとに調査し、残留化学物質が文科省基準を下回ることを確認後、使用開始していた。にもかかわらず、女子児童が今年3月に発症し、ほかに36人が頭痛などを訴えた。
 市教委は「工事は国の基準値に準拠している」(教育総務課・藤原修課長)と主張。ただ、女子児童の発症直後、全クラスに換気扇を設置し、24時間作動させている。化学物質の除去に有効な約80種類の微生物から成る菌も散布し始めた。しかし、対応を始めた後の4月、男子児童(9)が新たに同症候群と診断された。女子児童は「校舎全体に嫌な空気がこもって、逃げる場所が見つからない」と、今も早退することが多い。完工は8月予定。まだ先だ。

 シックスクール症候群は、住宅建材の揮発性有機化合物(VOC)が頭痛、めまい、目やのどの痛みなどを引き起こすシックハウス症候群の学校版だ。文科省は02年、学校環境衛生基準を改定し、大規模改修時に加え、年1回、教室内の空気を定期検査するよう、都道府県教委に通知した。
 ただ、盛岡病院の水城まさみ副院長(日本アレルギー学会専門医)は「基準値を下回れば必ず安全というものではない」と指摘する。VOC濃度は測定場所の温度や空気の流れなどで変化するためだ。
 調査対象物質は、殺菌や防腐剤に使われるホルムアルデヒドや、塗料の溶剤に使われるトルエンなど6種類のみ。ところが、水城副院長によると、室内で測定される揮発性の化学物質は100種類以上で、それぞれの健康への影響は解明されていない。水城副院長は「国の規定外の化学物質が原因となっている可能性も十分に考えられる」と話す。
 自治体の対応が後手に回る中、仙台市は04年、市有施設を対象に「建築物におけるシックハウス対策の手引き」をまとめた。〈1〉VOC放散が少ない建材や備品を使用する〈2〉十分な工期を設定、完工後、供用開始までに化学物質を飛散させる――などがポイントだ。
 建物内のVOC濃度が基準値を下回っても、机などから揮発する可能性もあるため、備品搬入後にも濃度測定をするなど基準を厳格化。児童が不快なにおいに気づき、学校が必要性を感じた場合も、直ちに濃度測定することにしている。同市教委学校施設課は、「症状は個人差が大きく、子どもは特に敏感。基準値を下回ればいいという考えではなく、最善を尽くすことが必要」と話している。[5月16日 読売新聞]


札幌・児童会館トルエン検出:市認可保育所に、化学物質濃度測定を義務化 /北海道

 札幌市は23日の市議会文教委員会で、10年度から新設や増改築する認可保育所について、工事終了後の化学物質の濃度測定を義務化することを明らかにした。
 同市西区の宮の沢児童会館の床から国の基準値の約26倍となるトルエンが検出された問題を受けた措置。認可保育所は民間施設だが、市が補助金を交付しており、10年度は19カ所で新築や増改築を予定しているという。
 また同市子ども未来局は、「市公共建築物シックハウス対策指針」について事務職員の知識の欠如が宮の沢児童会館の問題につながったとして、局内に技術職員の配置を要望していく方針を示した。同館の利用者で体調不良を訴えた人は同日までに計117人となり、27人が現在も通院中という。【今井美津子】
[4月24日・毎日新聞]



図書館司書、シックハウス労災求め初提訴

 大阪府吹田市立中央図書館北千里分室の改装後にシックハウス症候群になったとして、同図書館に勤務していた46〜59歳の非常勤の司書の女性3人が20日、国を相手取り、労災不認定処分の取り消しを求める訴訟を大阪地裁に起こした。代理人弁護士によると、シックハウス被害をめぐり労災認定を求める訴訟は初めてという。
 訴状によると、図書館分室は平成13年11月から改装工事を行い、14年3月に完成。分室で勤務した3人は直後から体調不良となり、7月に化学物質過敏症と診断された。3月時点で厚労省の指針を大幅に上回る高濃度のトルエンが検出されていたという。
 3人は2〜5カ月間休職して治療。茨木労働基準監督署に労働者災害補償保険法に基づく治療費と休業補償を申請したが、19年1月に不支給処分が出た。再審査請求も21年11月に棄却された。
 同時期に勤務した正職員2人も同じ症状となり、20年8月に公務災害の認定を求め提訴している。[4月20日・産経新聞]


発電用風車から健康に影響する低周波音

 環境省は29日、全国3か所の風力発電の風車を調べた結果、健康に影響をもたらす低周波音を出していることが確認されたと発表した。
 風車を巡っては、近隣住民が低周波音が原因とみられる頭痛などを訴える例が相次いでおり、こうした主張が裏付けられた形だ。
 低周波音は、人間の耳で聞こえる20〜2万ヘルツのうち、おおむね100ヘルツ以下の音。他の周波数よりも音が突出していると、不快感を引き起こすという。調査は、愛知県豊橋市、田原市、愛媛県伊方町の風車と、その周辺で被害を訴える計4世帯を対象に昨年11月〜今年1月に実施。25〜31・5ヘルツの低周波音がいずれの風車でも突出していたほか、豊橋市では50〜63ヘルツ、伊方町では2ヘルツの低周波音も強かった。
 伊方町の2世帯(風車から210メートルと240メートル)では31・5ヘルツの低周波音が突出。田原市(同350メートル)では、低周波音ではない160〜200ヘルツが突出し、豊橋市(同680メートル)では突出した周波数は見られなかった。低周波音問題に詳しい成蹊大非常勤講師の岡田健さん(66)は「データが得られない、わずかな低周波音でも不調を訴える人はいる。低周波音が人体に影響する仕組みは未解明で、さらに研究が必要」と話す。
 環境省は新年度、すべての発電用風車(約1500基)を対象に調査を続ける。[3月30日・読売新聞]


飲食店・ホテルも全面禁煙に…厚労省が通知へ

 受動喫煙による健康被害を防ぐため、厚生労働省は近く、全国の自治体に対し、学校や病院、飲食店、事務所など多数の人が利用する施設を原則として全面禁煙にするよう求める通知を出すことを決めた。
 喫煙区域を指定する「分煙」は、ドアの開け閉めや人の移動に伴い、禁煙区域にたばこの煙が流れ出ることを防ぎきれず、受動喫煙対策としては不十分と判断した。
 対象施設として、劇場、百貨店、官公庁、駅、ホテル、娯楽施設、バス、タクシーなども指定する。
 飲食店や旅館などでは、全面禁煙の実施が営業に甚大な影響を及ぼす恐れがあることにも配慮し、全面禁煙が極めて困難である場合に限り、暫定的に分煙での対応を認める。この場合も、将来は全面禁煙を目指すことを求める。
 多数の人が利用する施設に受動喫煙防止対策の努力義務を課している健康増進法に基づく措置で、健康局長名の通知になる。通知に違反しても罰則はない。
 労働者の職場での受動喫煙について議論している同省の有識者検討会も、受動喫煙機会の減少を「事業者の義務とすべきだ」とする報告書を4月にまとめる予定だ。義務化には労働安全衛生法の改正が必要となり、経営者側からの反発も予想されている。
 全国で初めて屋内喫煙を規制する受動喫煙防止条例を4月から施行する神奈川県の井出康夫たばこ対策室長は「神奈川の取り組みが広がるのを期待していた。国が動いてくれるのはありがたい」と歓迎する。
 月刊「禁煙ジャーナル」編集長の渡辺文学さん(72)は「受動喫煙を防ぐだけでなく、たばこをやめたい人を支えるためにも分煙ではダメで、全面禁煙がぜひ必要。今回の通知で終わらず、罰則付きの法改正やたばこの値上げなどさらに対策を進めることが重要だ」と話している。
 一方、外食産業などで作る社団法人日本フードサービス協会の中井尚事務局長(58)は「受動喫煙を防いで健康を守ろうという基本的な社会の流れは尊重するつもりだが、特に居酒屋では夜、お酒を飲みながらたばこを吸いたいというお客様がいるのも事実。通知の内容をよく読み、各自治体の動きを踏まえた上で、対応を考えたい」と話している。[2月18日・ 読売新聞]



化学物質過敏症:後遺症が初の労災認定 眼球運動障害で

  電気設備施工会社に勤め有機溶剤を吸った後、化学物質過敏症になった男性(40)=神奈川県茅ケ崎市=が、眼球運動の障害を後遺障害として、厚木労働基準監督署に労災認定されたことが分かった。化学物質過敏症の後遺症が労災認定されたのは初めてとみられる。眼球運動障害は化学物質過敏症に顕著な症状とされ、専門家は「今後、同様の症状のある患者の救済につながる可能性がある」と指摘している。【大島秀利】
 男性は00年から取引先の会社で、半導体や液晶パネル部品を洗浄する設備の配線や加工作業に従事したところ、頭痛、めまい、吐き気が表れ、02年には手足のけいれんが止まらなくなった。運転時は他の車との距離感がつかめなくなった。
 北里大学北里研究所病院(東京都)の検査で、動く指標を目で滑らかに追えない中枢性眼球運動障害と判明した。また、化学物質に対するテストで、配線作業で使用した有機溶剤含有の接着剤に過敏に反応することが確認され、化学物質過敏状態などと診断された。
 男性の労災請求に対し、厚木労基署は03年時点では治療費は支給できないとの判断を示した。そのため、男性は神奈川労災職業病センター(横浜市)に相談の上、同病院で再受診し、眼球運動の障害が残っているとの診断書を添え再び労災請求。厚木労基署は昨年10月、治療による改善が望めないと認め、両目に著しい障害が残る障害第11級と認定し一時金約350万円を支給した。
 男性を診断した坂部貢医師(現東海大医学部教授)は「眼球運動の障害は、化学物質過敏症の重症度をみる上で重要な要素だが、後遺症として認められた例を知らない。他の化学物質過敏症の患者も同様の後遺障害を認められる可能性がある」と話している。[2月16日・毎日新聞]



プラスチック容器や缶に含まれる化学物質が腸に悪影響、仏研究所

 プラスチック容器やドリンクの缶に使用されているビスフェノールA(BPA)が腸の機能に悪影響を与えることがわかったと、フランス国立農業研究所(National Institute of Agronomic Research)が14日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表した。
 研究チームは、人体にとって安全とされる1日あたりの摂取量の約10分の1に相当するBPAを、マウスに服用させる実験を行った。すると、このようなごく少量でも、消化管の機能が衰えることがわかった。
 人の腸の細胞にも同様の実験を行ったところ、BPAは腸の浸透性を弱め、消化管の炎症への免疫系の反応を鈍らせることがわかった。BPAはポリカーボネートのプラスチックやエポキシ樹脂の生産時に使用され、ほ乳瓶やプラスチック容器、食べ物や飲み物の缶、虫歯予防のシーラントなどに含まれている。
 プラスチック製品から浸出したBPAは、たとえ少量であっても、乳がん、肥満、早熟などの深刻な健康被害を招くとする研究結果は、過去10年間に130以上報告されている。今回の研究は、初めて、BPAが吸収される臓器に着目したものだ。
 今年5月、米国のほ乳瓶メーカー6社は、BPAの使用をやめることで合意している。(c)AFP
[12月15日・AFP BB News]



有機農法なのに農薬被害 除草剤、輸入牧草通じ牛堆肥に

 国内では使われていない除草剤が輸入牧草を通じて国内の牛の体内に入り、その牛のふんや尿から作った堆肥(たいひ)を使ったトマトやキクが生育障害を起こしていたことを、畜産草地研究所などの研究グループが突き止めた。有機農法や資源利用型農業として利用促進されている堆肥で想定外の汚染が起こる可能性が示された。
 グループによると、長野県や愛知県などのトマトやミニトマト、キクの生産農家の一部で2005年ごろから、牛の堆肥を使うと葉がちぢれたり、実が細長くなったりする生育障害が起きることが問題になった。
 当初は原因不明だったが、堆肥から日本では使われていない植物ホルモン系の除草剤のクロピラリドが検出され、これで栽培実験すると同様の障害が起きた。また、北米などからの輸入牧草からも微量に検出された。牧草は、干し草が束ねられ輸入される。
 クロピラリドは、人間を含め哺乳(ほにゅう)類には無害で欧米などでは使われているが、残留期間が長く、日本では認可されていない。
 農林水産省は因果関係が疑われた06年、都道府県に牛の堆肥の大量使用で生育障害の恐れがあることを通知。その後、クロピラリドが含まれる可能性がある堆肥の判定法などの対策マニュアルを作り、畜産草地研究所を通じて今年公開した。
 農水省によると、クロピラリドの被害と思われる例は、06年に5県で9件報告されたが、それ以降は確認されていないという。(本多昭彦)
[12月7日・朝日新聞]




脱化学物質過敏症 南会津に注目

 ◎「療養施設」に安心感
 南会津町のユニークな取り組みが、全国的な注目を集めている。山間部の自然豊かな環境を求めて、化学物質や電磁波の過敏症=キーワード=の人たちが転地療養に集まり、町営の「あらかい健康キャンプ村」が廃校跡に誕生したのだ。深刻な症状に悩む多くの患者の駆け込み寺となり、初の「越冬」を目指す人もいる。(足立朋子)

 ◎車いす生活8年「変化感じる」
 「ここへ来るまでは8年間、車いす生活やった。ここへも妹に介助してもらい、車いすで来たんです」。7月からキャンプ村の「住人」となった堺市の古村美樹さん(42)は、しっかりした足取りで歩きながら、2階建て木造校舎を改修した「ひだまり庵」で出迎えてくれた。
  古村さんが突然の高熱で倒れ、郵便集配の仕事が続けられなくなったのは94年のことだった。体中に痛みや震えが出て、腎盂炎にもなり、あちこちの病院に行ったが原因が分からぬまま。多発性神経炎、膠原病、慢性疲労症候群……。10年間、様々な診断を受け投薬が続いたが一向に回復せず、一時は162センチの身長で体重が35キロまで落ちた。
 そんな4年前、人に勧められてアレルギー科を受診し、化学物質過敏症を指摘された。発病の2年前に新築マンションに引っ越し、体調が悪化し始めたことに思いあたった。以後、古い府営住宅に移り、合板でできた家具を撤去し、電気を使わない生活をするなどして療養し、少しずつ回復。だが、夏になると周りの田んぼに散布される農薬で呼吸困難に陥るため、患者仲間に聞いたキャンプ村への「避難」を決めた。
 大阪からの長距離移動の疲れもあり、来て1カ月は寝たきりだったが、空気の澄んだキャンプ村で歩くリハビリを始め、見違えるように顔色も良くなった。「腰の痛みなどは今もひどいが、体が変わってきているのを感じる」。慢性的な低体温から、手の指に血がにじむほどだったひどい霜焼けが、今年はずいぶん軽いんです、とほほえんだ。

 ◎半年で1100人利用初の越冬挑戦
 古村さんら常時10人ほどが暮らす村は標高約800メートル、夏でも涼しい同町滝原に、2年間の試験営業を経て6月、正式オープンした。きっかけは2年前。自らも過敏症を経験し、指定管理者として村を運営する株式会社代表、池谷純仁さん(44)が、横浜市から移り住んだことだった。
 過敏症はいったん発症すると、周囲のリフォームや農薬散布を機に悪化し、日常生活も困難になる。そんな人たちが緊急避難し、化学物質や電磁波の影響を逃れて回復する場を作れないものか――。全国各地を探していた池谷さんが出会ったのが、鉱山の閉山で約40年前に閉校になった同町の小学校跡地だった。
  「国道からわずかに入るだけだが、四方を山と川に囲まれ、携帯電話も圏外。近くに農薬を使う田畑もなく、呼吸がすごく楽だと感じた」と池谷さん。地区や町に構想を提案し、校舎などを含む約4万ヘクタールを貸与された。一昨年、昨年と、国土交通省などの補助を受けて校舎を改修、地元の無添加スギ材を使った移動式の小屋7棟などを整備した。
 村では、これ以上の化学物質や電磁波暴露を避けるため、たばこや合成洗剤、ケータイ、パソコンなどを禁止。規則正しい生活と、一日2食の玄米菜食で免疫力を改善し、社会復帰を目指す。利用料は月3万円〜。口コミで話題を呼び、昨年度は4〜9月の半年間で延べ1152人が利用と大盛況だった。
 今年、村は初めて「越冬」に挑戦する。多い年は数メートルもの積雪になるため冬季閉鎖が原則だったが、「帰るあてがない」という切実な声を受け営業を続けることにした。灯油はもちろん、ガスや電気も使えない人が多く、重ね着や湯たんぽでマイナス10℃にもなる寒さをしのがなければならない。「ここが開いていることが、過敏症の人たちの安心につながる。ぎりぎりまでがんばってみたい」と池谷さんは表情を引き締めた。

 ◎町営、国から補助も
 「過敏症の人たちの転地療養施設」というだけでまれだが、自治体営となると全国で唯一だ。町が全面支援することで校舎改修などに国の補助金が下り、利用者負担の抑制につながっている。「気のせい」「わがまま」と言われ、時には家族からも理解されずに苦しんできた過敏症の人たちには心強い存在だ。
  前例踏襲や横並び意識が強い行政がなぜ、積極的な支援に出たのか。町総合政策課に尋ねると、「過敏症の方々が全国を転々とされて困っている現状を聞き、それが南会津町の環境で良くなるのであれば、お役に立とうということになった」と極めておおらかな答えが返ってきた。
 さらに「町としても、南会津の自然が全国に誇れるとお墨付きをもらったようなもの。過敏症の方々と連携し、有機野菜の栽培や地元木材を使った健康住宅の開発など、『自然と健康』をキーワードに様々な町の活性化につなげていきたい」と続けた。
 妻と息子3人の一家で居を構えた池谷さんも「受け入れてくれた町の人々に報いるため、共同でのエコ製品開発など雇用にも結びつく貢献を目指したい」と話している。[11月19日・朝日新聞]

 ◇キーワード【化学物質過敏症】 身近な住宅建材や日用品などに含まれる化学物質が原因で、頭痛やめまい、貧血やショック症状、呼吸障害、精神障害などを患う環境病。電磁波過敏症は、電化製品から発生する電波や磁場で体調を崩し、両方を併発する人も多い。重症の場合、ほとんど外出もできず、日常生活に支障を来すが、一般には理解されにくい。「シックハウス症候群」も含め、国内の患者数が70万〜100万人とする調査もある。



清涼飲料水:一部で遺伝子組み換え原料使用 表示義務なし

 飲料メーカー大手が、清涼飲料水の甘味料として、遺伝子組み換えしたものが混ざった「不分別」トウモロコシが原料の「異性化糖」を使っていることが毎日新聞の調べで分かった。異性化糖は遺伝子組み換えの表示義務がなく、消費者の抵抗感もあるため、積極的には公表されていない。
 組み換えトウモロコシは、厚生労働省などによって安全性が確認され、輸入が許可されている。異性化糖は国内コーンスターチ(でんぷん)業者が、輸入トウモロコシから加工して作る天然甘味料で、ソーダ類などで「ブドウ糖果糖液糖」などと商品に表示される。
 アサヒ飲料▽大塚製薬▽キリンビバレッジ▽サッポロ飲料▽サントリー▽日本コカ・コーラ▽ポッカコーポレーション▽ヤクルトの8社にアンケートし、清涼飲料への遺伝子組み換え使用の有無を聞いた。その結果、「一部使用」も含め、アサヒ飲料▽キリンビバレッジ▽サッポロ飲料▽サントリー▽ヤクルトの5社が異性化糖で「不分別」を使っていると答え、ポッカは「使用の可能性がある」と回答した。ヤクルトは「ほとんどの異性化糖メーカーが原料を遺伝子組み換えに切り替え始めている。組み換えでない原料の異性化糖は、必要量の安定確保が不可能になった」と説明した。一方、大塚製薬は「使っていない」とし、日本コカ・コーラは「情報公開を義務づけられた内容以上の質問には答えられない」と回答した。
 現行制度では豆腐、納豆、コーンスナックなどは表示義務があるが、異性化糖、大豆油などは製造過程で組み換え遺伝子などが分解・除去されるため、表示義務はない。表示制度がない米国、すべて表示している欧州連合(EU)などと各国で対応が分かれている。
 日本では、遺伝子組み換え作物への不安感が根強く、「安全性にも不安があり、食べたくない人が選択できるようにしてほしい」(生活クラブ生協千葉)などと表示対象の拡充を求める声が多い。【遠藤和行】
[11月1日・毎日新聞]




WHO:携帯電話の長期使用、脳腫瘍発生を示唆

世界保健機関(WHO)の発表により、携帯電話の長期使用は脳腫瘍の発生率を増加させる可能性があるということが分かった。この調査は、世界の13カ国で10年間に渡り、2千万英国ポンド(約30億円)の経費をかけて行われた。英デイリーテレグラフ紙が伝えた。

 13カ国で10年間の調査結果
 この研究は,13カ国で実施され、主に三種類の脳腫瘍、一種類の唾液腺腫瘍と携帯電話使用の関連性などについて調査した。2000年から2004年までの4年間の間、腫瘍患者と健常者の約1万2千800人に質問をする方法で行なった。
 今までの研究では短期間の調査が多かったが、何れも携帯電話の使用は健康に影響がないという結果が得られた。しかし、今回の研究では、脳腫瘍の発生状況を調査した8例の調査報告の中の6例の調査結果は、神経膠腫(最も一般的な脳の腫瘍)発生率が携帯電話の使用時間と関連性がある事を示唆した。その中の1つの例では、携帯電話の使用時間により脳腫瘍の発生率が39%も増加したと報告された。
 聴神経腫瘍(脳と耳の間の良性腫瘍)に関して行った7例の調査報告の中の2例は、携帯電話の使用10年後に、聴神経腫瘍の発生率の増加が見られたと報告された。スウェーデンで行った研究では、聴神経腫瘍の発生率が3.9倍に増加したことを示した。イスラエルの調査では、長期期間にわたり携帯電話で通話する人は、耳下腺腫瘍の発生確率が50%高くなるという結果が得られた。

 研究結果に疑問の声も
 この調査結果に関して、「この研究方法は、回答者の記憶に頼っており、携帯電話の使用時間が定かではない可能性があり、脳腫瘍の発生率との関係は正確に言えない」という疑問の意見があった。
 もうひとつの意見では、「この調査は携帯電話を週に一回しか使用しない人を調査対象に入れており、その一方では、子供たちを調査対象にしていないので、携帯電話使用の危険性を過小評価した可能性がある」と指摘した。
 研究チームの責任者であるオタワ大学流行病学専門家のカデスカ(Cardiska)博士は、この研究結果について次のように指摘した。「研究結果に異なる認識があるが、少なくとも一部分の研究報告は生体に対する無線電波の影響がある、そのために予防措置を講じることは必要である」と述べた。

 子供の携帯電話の使用を制限すべき
 カデスカ(Cardiska)博士は又、子供の携帯電話の使用を制限すべきであると提言した。現在、フランスでは12歳以下の子供に携帯電話の販売を禁止する立法を検討している。英国政府も、子供の携帯電話使用を控えるべきという意見を提示している。博士は、「頭部から離して通話できる携帯電話の使用と携帯電話の使用時間を制限することは、無線電波の生体に対する影響力を削減するために有効な方法である」と示唆した。(翻訳編集・松香)[10月30日・大紀元日本]




建物原因のシックハウス初認定=「開発会社に過失」−東京地裁

 国の指針値を大幅に上回る有害物質が建材から出たことでシックハウス症候群になったとして、マンションを購入した女性が、開発したダイア建設(横浜市、民事再生手続き中)を相手に約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は1日、会社側の過失を認め、女性が同社に対し約3660万円の債権を保有することを認めた。
 原告側弁護士によると、建物から出た化学物質によるシックハウス症候群の健康被害が認められたのは、初めてという。
 訴えていたのは、神奈川県平塚市のイラストレーター岡谷貞子さん(48)。
 酒井良介裁判官は、ダイア建設は多量のホルムアルデヒドが放出される危険性のある建材を使用していながら、その危険性を説明せず、完成後の室内濃度の測定も怠ったと指摘。企業としての賠償責任を認めた。[10月1日・時事通信]



風力発電の町、エコだけど「低周波音」の悩み

 エコブームを追い風に普及する「風力発電」や、空気中の熱を利用して湯を沸かす省エネタイプの「家庭用給湯器」。環境にやさしいはずの機器から「低周波音」が出ているとして、不調を訴える人が相次ぎ、環境省が調査に乗り出す。一体何が起きているのか。
 静岡県東伊豆町。相模湾を望む山腹に住宅が立ち並び、谷を隔てた隣の尾根に10基の白い風車が立つ。支柱の高さは65メートル、羽根の直径は77メートル。巨大な風車群は町のシンボルだが、住民の川澄透さん(79)は「試運転が始まってから、船酔いのような症状が出て、夜中に何度も目が覚めるようになった」と憤る。近隣の30人ほどが同じような体調不良に悩むという。
 所変わって東京・板橋区の女性会社員(39)宅。庭の向こうに隣家の給湯器が見える。エアコンの室外機に似た小ぶりな姿だが、「あれが動き始めると、頭の中が小刻みに震えるんです」と女性は訴える。
 川澄さんは、低周波音が原因で同じような症状を訴える人がいることを、医師から聞いて知った。1秒間に空気が振動する回数をヘルツと言い、1〜80ヘルツの音波を低周波音と呼ぶ。高速で走る車の窓を開けた時に聞こえる「ボボボッ」という音が典型的だが、周波数が低くなると、人の耳には聞こえない。環境省によると、低周波音に関する苦情は1990年代まで全国で年間40件前後だったが、2000年度は115件、07年度は181件に増えている。
 工場や建設工事の騒音は騒音規制法で音量の基準が定められ、違反すれば罰則もあるが、低周波音には規制がない。「感じ方に個人差があるため」と環境省。同省によれば、低周波音が人に苦痛を与える原因も、苦情が増えている理由も分かっていないという。
 大手造船重機メーカーの元技術社員で、在職中、騒音問題にかかわったことから低周波音の問題にも詳しい成蹊大非常勤講師の岡田健さん(65)は、「国は低周波音が人に影響を及ぼす仕組みを解明し、低周波音を出す機器を設置できる場所を制限すべきだ」と訴える。
 こうした声や苦情の増加を受け、環境省は今年度から愛媛、愛知両県の風車の周辺で、低周波音と住民の健康状態の因果関係を調べることを決めた。冬場の風の強い時期に、風車からの低周波音を測定し、住民の声を聞き取る方針だ。
 「これまで環境省は、我々が低周波音の被害を手紙で伝えても、現地に来ることもなく、実態を調べようとしなかった。今度こそ、苦しむ声に謙虚に耳を傾けてほしい」。川澄さんはそう話した。(木田滋夫)[9月29日・読売新聞]




10万人胎内の化学物質影響、子ども12歳まで調査

環境省は来秋から、母親の胎内に蓄積された化学物質が子どもの発育や健康に与える影響について、大規模な調査に乗り出す。
 妊婦10万人から血液や尿などを採取して150種類以上の化学物質を分析、その後の子どもの健康状態を継続的にチェックする。小児ぜんそくの罹患(りかん)率が20年間で3倍に増えるなど、子どもの健康異変は近年、多数報告されている。化学物質の影響を指摘する声もあるが、因果関係は科学的に解明されておらず、同省では「長期的な調査で検証したい」としている。
 調査は人口20万〜100万人規模の15都市に住む妊婦10万人の協力を得て、血液や出産時のさい帯血、母乳などを採取。ビスフェノールAなどの内分泌かく乱物質や、ダイオキシン類、水銀、カドミウム、ヒ素などの濃度を測定する。
 その後、子どもが12歳になるまで数年に1度の面談と、半年に1度のアンケート調査を実施。〈1〉低体重などの発育状況〈2〉ダウン症などの先天異常〈3〉自閉症や学習障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)など〈4〉アレルギー、アトピー――などのほか、生活習慣や家庭環境についても調べる。 文部科学省の学校保健統計によると、過去30年で肥満傾向にある子どもの割合は1・5倍に増加。国際先天異常監視機構の調査でも、ダウン症や尿道下裂などの先天異常は25年間で2倍に増加したとの結果が報告されている。[9月28日・読売新聞]



四川大地震仮設住宅のホルムアルデヒドが原因で妊婦約100人以上が胎児死亡診断

中国語ラジオ「希望の声」(Sound of Hope Radio)によると、去年5月に約7万人の死者を出した四川大地震の後、仮設住宅で暮らす妊婦約100人以上が、胎児死亡と診断されていたことが分かった。 医師と妊婦の家族らは、仮設住宅の建材に含まれている高濃度のホルムアルデヒドが原因とみている。これに対し、四川委員会宣伝部は胎児死亡についての報道を一切禁止するよう通達を出した。
地震の被害がひどかった四川省都江堰市では、家屋を失った人たちが今でも仮設住宅での生活を続けている。一部の住民は、四川大震災で子供を失い、仮設住宅に移転した後妊娠している。今年1月に行われた政府の調査によると、最も被害がひどかった北川地区では、1332世帯がまた子供を持つことを希望している。 子供を震災で失った李さんは、「私は流産をした。同時期に妊娠した7人中、5人が死産だった。医師は、仮設住宅のホルムアルデヒドが原因である可能性が高いと言っていた」と話す。
仮設住宅に使われるホルムアルデヒドは、濃度が基準値を上回っているといわれている。ホルムアルデヒドを多量に使用することで粘着力が増し、板材の強度も上がるが、人体への影響も増す。遼寧省瀋陽市婦人小児医院長・周衛衛氏の説明によると、ホルムアルデヒドは、奇形児を生み出す最も危険な因子のひとつ。妊娠5カ月頃にホルムアルデヒドの影響を受けると、胎児は先天性の心臓疾患を持つ可能性が極めて高くなる。震源地の?川地区のある住民が、仮設住宅のホルムアルデヒド濃度は国内基準値の0・12ppm/?を大幅に超える0・6ppm/?であるとネットに掲載し、波紋を呼んだ。 四川省当局は、ホルムアルデヒドや胎児死亡についての報道を一切禁じている。[9月13日・Sound of Hope Radio]



電磁波やシックハウスで先天性奇形!?7月末で昨年の総数超える―山東省青島市

2009年8月31日、山東省青島市で今年1月〜7月に胎児3万人を調べたところ、160人近くに先天性奇形があった。シックハウス症候群や電磁波、電離放射線が主な原因という。1 日付で斉魯晩報が伝えた。
山東省青島市婦女児童センターによれば、今年1月〜7月、同センターで先天性奇形と診断された胎児は160人に達し、すでに昨年1年間の総数を上回った。その主な原因について、張占紅(ジャン・ジャンホン)副院長は室内内装に使用された塗料や接着剤などによる空気汚染、電磁波や電離放射線を長期間浴びたことを挙げた。
記事で紹介された青島市の妊婦は妊娠24週目に超音波検査で胎児の顔面奇形と染色体異常が見つかった。妊娠前に室内の内装をしたことが原因と見られている。この妊婦は最終的に堕胎したという。[9月3日・Record China/翻訳・編集/NN]



化学物質過敏症:10月から病名登録、70万人救済に道

 電子カルテシステムや電子化診療報酬請求書(レセプト)で使われる病名リストに、「化学物質過敏症(CS)」が新たに登録されることが11日分かった。10月1日付で厚生労働省と経済産業省の外郭団体・財団法人医療情報システム開発センター(東京都文京区)が改訂を予定している。国が公式にCSの存在を認めるのは初めて。健康保険で扱われる病名はこのリストに連動しており、改訂されれば、自己負担が原則だったCS治療に健保が適用されるため、推定約70万人とされる患者救済の大きな一歩となる。
【宍戸護、田村佳子、河内敏康】

 厚労省にCSを公認するよう求めてきた患者団体・シックハウス連絡会(東京都)によると、同省から今年5月、センターへ病名の登録を要望するように勧められた。6月1日にセンターから「CSを10月1日に採択予定になった」と連絡があったという。
 CSの一種の「シックハウス症候群」は既に健保の適用が認められている。しかし、シックハウス症候群がホルムアルデヒドやトルエンなど室内の空気汚染で発症するのに対し、CSは農薬散布やたばこの煙などが原因で室内外を問わない。このため、厚労省は「医学的に統一した見解が確立されていない」として健保の適用を原則認めなかった。
 病名リストの改訂は年4回あり、日本医学会が監修する。リストに未記載だと事実上健保扱いにならず、医師はCSに起因する「うつ病」など別の病名で診療報酬を請求し、患者は1回約2万円の治療費を負担してきた。
 同省医療課は「病名がリストになければ、レセプトに記載してはいけないとはなっていない。ただリストに載っている病名を使うほうが保険請求しやすい」という。化学物質過敏症支援センター(横浜市)の広田しのぶ事務局長は「公認は患者の精神的な支えにもなる」と話した。

 ◇化学物質過敏症
 極微量の化学物質によって頭痛や倦怠(けんたい)感など多様な症状が表れる。体内に蓄積された有機溶剤や農薬、消毒薬などが一定量を超えると発症するといわれる。一度発症すると、多種類の微量な化学物質に反応し、重症者はほとんど外出できず日常生活が困難になる。国立公衆衛生院(現・国立保健医療科学院)の00年の調査によると、シックハウスの重症例を含む化学物質過敏症の成人患者は全国で計70万人とされる。
[6月12日・毎日新聞]



シックハウス:敏感度を判定 ネットで簡易自己テスト

「シックハウス症候群」対策として化学物質に敏感かどうかをインターネットで自己判定できる簡易テストを、森千里・千葉大教授(環境生命医学)らの厚生労働省研究班が開発した。「自分が化学物質にどれぐらい注意が必要かを判断する目安にしてほしい」と呼びかけている。
 シックハウス症候群は、建材や家具、防虫剤に含まれる化学物質などによって、目の痛み、だるさ、めまいなどを起こす。新築・改築した建物で起きやすい。厚労省は対策として、ホルムアルデヒドやトルエンなど13物質について、室内濃度指針値を定めている。しかし、森教授らによると、最近は規制対象外の代替物質が使われるようになり、それらによる健康被害が報告されているという。森教授らは、アメリカで開発された化学物質への敏感度についての問診票などを参考に、約30項目の質問と過去に経験した症状を5分程度で調べるテストを作成した。車の排ガスやたばこの煙、殺虫剤、ペンキなどのにおいに対する症状の有無や重さ、症状が出る場合に日常生活にどの程度影響が出るかなどを尋ね、化学物質に対する敏感さを「高」「低」のどちらかで判定する。
 森教授は「自分が化学物質に敏感かどうか分かれば、住宅や家具、日用品の購入や生活環境に注意でき、発症予防にもつながる。現在、症状がある人は専門医を受診した方がよい」と話している。
簡易テストはホームページ(http://check.chemiless.org/)で公開されており、判定データはシックハウス研究に利用される。【下桐実雅子】

【ことば】シックハウス 
 住宅の省エネや断熱対策が進み室内の気密性が高まったことを背景に、90年代から社会問題化した。「化学物質が関与して建物内で発生する健康障害」で、症状は皮膚の乾燥やかゆみ▽目や鼻、のどへの刺激▽頭痛▽倦怠(けんたい)感‐‐などがある。新築や増改築、転居、新しい日用品の使用などが発症のきっかけになる。特定の場所で症状が表れ、そこから離れると症状が軽くなるのが特徴。
 国民生活センターによると、03年から5年間で、シックハウス関連の相談が1000件以上寄せられた。学校で起こる場合はシックスクールと呼ばれ、08年4月には大阪大の新設研究棟で、職員や学生が頭痛などの症状を訴え立ち入り禁止になった。
[5月27日・毎日新聞]



薬剤散布は気をつけて 泣いてます 化学物質過敏症の人たち

 新緑の季節は植木や野菜に害虫が発生しやすい。農家はもちろん、園芸や家庭菜園を楽しんでいる一般家庭でも農薬散布を考える時期だ。しかし、化学物質過敏症の人は少量の薬剤でも目まいなどの症状を訴えることがあり、子どもや妊婦への影響も懸念される。国は住宅地での散布を極力控えるよう通知を出しており、注意と配慮が必要だ。 (佐橋大)
 愛知県の五十代女性は二年前、化学物質過敏症と診断された。
 さまざまな物質に反応し、関節の痛みやイライラ感、息苦しさなどの症状が出る。消毒のきつい病院には長くいられず、消毒直後の庭や除草剤を散布した空き地があると、症状が悪化するという。「散布した人は何ともなくても、薬剤で苦しむ人がいることを知ってほしい」と訴える。
 化学物質過敏症の人は全国に七十万人いるとの推計もある。
 過敏症の人が苦しむ製品は、農薬、香水、トイレの芳香剤、合成洗剤など幅広いが、農薬については、国が一昨年に通知=別項=を出している。自治体は通知に従い公園などの害虫を防除し、農薬を使う人にも通知に従うよう指導することになっている。
 市民団体「反農薬東京グループ」(東京都西東京市)によると、通知後、自治体の行う公園などの害虫防除は改善されつつある。一方、民間の改善は遅れているという。
 この一年でも同グループには「マンションの管理業者が害虫の有無に関係なくマンション内の樹木に年六回、農薬を定期散布している。通知違反を指摘し、中止を求めたが、予定通りまかれた」「住んでいる団地の管理業者に、農薬散布予定の有無を聞いても『教えられない』と言われた」などの情報が寄せられている。辻万千子代表は「通知自体が知られていない。園芸用の除草剤や殺虫剤が農薬だと知らない人も多い」と嘆く。
 農薬散布の問題に取り組んでいる愛知県豊橋市の渡辺則子市議は昨秋、市内の公園の雑草が不自然に枯れているのに気づいた。「誰かが余った除草剤を無断でまいたのでは。通知が市民に徹底されていない証拠」と指摘する。
 過敏症患者を支援する人たちは、通知が民間にも浸透すれば、過敏症の人の苦しさが減るとみている。薬剤散布の事前の周知があれば、周囲の過敏症の人は窓を閉めるなどの対策が取れる。

◆意識変革を促す取り組みも始まっている。
 千葉県流山市では、市民団体が「ホームセンターで売っている殺虫剤、除草剤も農薬」として、無農薬での庭造りを伝える小冊子を有料で頒布している。岐阜市は、雑草の茂る空き地の所有者に、除草剤をまく際には周辺住民への周知を求める文書を送っている。
 過敏症発症のメカニズムは未解明な部分が多いが「一度、ある程度の化学物質にさらされると、以後はわずかな量でも過敏に反応するようになる」と一般に考えられている。これに基づき、NPO「化学物質過敏症支援センター」(横浜市)の広田しのぶ事務局長は訴える。「使う農薬を減らせば、使用者が過敏症になるリスクが減る。通知を守ることは、過敏症の人のためだけでなく、使用者のためでもあるのです」

◆薬剤散布 国の通知 
 <1>住宅地では定期的な農薬散布をやめ、害虫の捕殺など環境への負荷が少ない方法に切り替える。雑草は抜くか、刈り取る
 <2>やむを得ず農薬を使う場合、誘殺や塗布など散布以外の方法を検討する
 <3>やむをえず散布する場合、無風や風の弱い日を選ぶなど、周辺への影響が少ない日を選び、散布区域は最小限にとどめる。農薬使用者は事前に、近隣住民に散布日時などを知らせる
[5月18日・東京新聞]




岡山大病院:化学物質外来、きょう開設 過敏症など治療、研究 /岡山

 岡山大病院(北区鹿田町)は、12日に「化学物質外来」を開設する。職業で日常的に化学物質を扱う人の診察や相談に応じたり、未解明の部分が多い化学物質過敏症やシックハウス症候群の治療、研究を進める狙い。
 化学物質外来は完全予約制で、毎月第2火曜日の午後2時〜4時まで診察を行う。診療時間は1人30分。原則として他の医療機関からの紹介が必要となる。詳細は同大病院HP(http://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/kagaku/kagaku.html)に記載されている。
 担当する同大大学院の荻野景規教授(公衆衛生学)は「実際に患者はいても、まだ分かっていないことも多い。症例を積み上げて症状の解明や治療法の研究も進めていきたい」と話している。【石戸諭】
[5月12日・毎日新聞 岡山版]




シックハウス症候群:熊本学園大の14号館で 学生ら体調不良訴え /熊本

 熊本学園大(熊本市大江)は28日、学内の建物の一部でシックハウス症候群とみられる症状の訴えがあり、対策を進めていることを明らかにした。大学は建物の一部の使用を止めており「安心して利用できるよう対策を急ぎたい」と説明している。 大学によると、建物は07年3月に完成した14号館。鉄筋コンクリート6階建てで、ホールや事務室、コンピューター教室などが入っている。同年9月ごろ、5階の演習室を利用する大学院生2人が「目がチカチカする」などと訴えた。同年10月、学生や教職員344人を対象にしたアンケートで、1割余りの39人が目の痛みや頭痛などを訴えたという。
 大学は、7回にわたり揮発性化学物質の濃度を調査。シックハウスの原因物質として国が示した13種の総量が暫定目標値を上回ったこともあったが、現在は下回っている。変調を訴える声は今も続いているが、重症者は出ていないという。
 大学は建物内の換気不足が主因とみて、空気清浄機やエレベーター内の強制換気装置を導入する一方、特に被害の訴えが多かった5階の一部は現在も使用を止めている。坂本正学長は「改修を含めた改善策を検討したい。体調不良を訴える学生には別教室を準備するなど個別に対応したい」と話している。【西貴晴】
[4月29日・毎日新聞 熊本版]




東京・荻窪にクリーンルーム完備の環境起因性疾患の診療所開設〜宮田幹夫先生

 「そよ風クリニック 2009年5月開院」
化学物質汚染、電磁波汚染、音響・振動汚染など、現代生活環境は健康障害を引き起こす要因に満ちあふれています。これまでもシックハウス症候群、化学物質過敏症については、北里研究所の特殊外来で診察活動を行ってまいりました。このたび、空気の清浄度を維持した診察施設が必要となり、本クリニックを設立いたしました。
 主な診療対象はシックハウス症候群と化学物質過敏症などの環境起因性疾患です。
電磁波過敏症の診察確定技術がありませんので、診断書はお出しできません。
原則として予約制での診療となります。予約をし、入室基準を守ってお越し下さい。

 そよ風クリニック 院長:宮田幹夫  診療科目:アレルギー科  
診療内容:化学物質過敏症/シックハウス症候群/電磁波過敏症  予約制/自費診療中心
住所:東京都杉並区荻窪2-41-12-2F(辻安全食品株式会社2階) 
電話:03−5335−5135 ファックス:03−5335−5136



受動喫煙に700万円 滝川の会社、男性社員と和解

【滝川】職場での受動喫煙で化学物質過敏症を患ったとして、空知管内の男性(35)が、勤務する滝川市の建設資材製造会社に慰謝料など約二千三百万円の賠償を求めた訴訟が、札幌地裁滝川支部(守山修生裁判官)で和解したことが分かった。会社側が男性に七百万円を支払う内容で、和解金の一部が三十一日、男性側に支払われた。喫煙問題に取り組む「たばこ問題情報センター」(東京)によると、受動喫煙をめぐり、会社が従業員に支払う金額としては全国で過去最高だという。
 訴えなどによると、男性は二〇〇七年一月に入社。当時勤務した事務所では従業員が自席で喫煙していた。男性は入社直後から頭痛などに悩まされ分煙対策を要望したが、会社側は応じず、同十一月に男性を解雇した。
 男性は不当解雇だとして、〇八年一月に提訴。会社側はその直後、分煙措置を取った上で解雇を撤回した。男性は職場復帰したが、不整脈が出るなど症状が悪化し、三つの病院で化学物質過敏症と診断された。
 訴訟で男性側は「会社は受動喫煙防止を義務付けた健康増進法に違反している」と主張。会社側は「男性の過剰な過敏体質が根本的な原因」などとして、職場での受動喫煙と化学物質過敏症との因果関係は認めなかった。
 裁判官が今年二月に和解勧告を出し、双方が応じた。和解は三月四日付で、内容は非公表とされていた。
 男性は和解金全額を受け取った時点で退職する予定で、労災申請も行うという。
 男性は「和解という結果は、会社も受動喫煙防止の必要性を認めてくれたのだと思う」とコメント。代理人の塚原成佳弁護士は「職場の受動喫煙は長時間に及び、被害が深刻になる。この訴訟で全国の被害者を救済する先例が得られた」とした。
 一方、同社の社長は「分煙は時代の流れなので仕方がない」と話している。
 たばこ問題情報センターによると、受動喫煙問題で、これまでに会社が従業員に解決金を支払ったケースは、〇六年十月に札幌簡裁で調停が成立した八十万円が最高額だった。[4月1日・北海道新聞]



室内の空気汚染による死亡者、毎年11万人超す―中国

 2009年3月14日、中国では室内の空気が汚染していたことにより体の不調を訴える人が急増しており、毎年11万人以上が亡くなっていることがこのほど明らかになった。中国新聞網が報じた。
 ある統計によると、毎年室内の空気汚染が原因で、健康に不調をきたし通院している患者数は22万人を、また急激に体に異変を感じ病院に担ぎ込まれた人は430万人を超え、約11万1000人が死にいたっているという。室内空気汚染が原因の肺がん発病率は、毎年26.9%という驚異的なスピードで増加している。
  汚染の主な原因は、室内の壁や床に使われた材木や塗料などに、人体に有害な物質が含まれていたことや、タバコや調理の際に出た煙があげられる。この深刻な状況に対し、先日の全国政治協商会議上でも、北京市党委員会副主委員の謝朝華(シエ・チャオホア)弁護士により、公共場所の空気汚染改善にむけ政府が本格的にのりだすべきだと提言された。[3月16日・Record China]




シックハウス:減る治療施設 北里研究所病院、クリーンルームを廃止

 シックハウス症候群や化学物質過敏症治療のパイオニアとして知られる北里研究所病院(東京都港区)が20日で専門外来の診療室「クリーンルーム」を廃止し、診療態勢を大幅に縮小する。国内で専門外来がある病院は9病院あったが、既に2病院が休診・縮小しており、患者の受け入れ態勢はさらに後退する。
【田村佳子、宍戸護】

 国立保健医療科学院の推計では、化学物質過敏症の成人患者は約70万人。北里研究所病院は99年、全国初の「クリーンルーム」を持つ臨床環境医学センター(化学物質過敏症外来)を開設した。
 「クリーンルーム」は化学物質を出さない特殊な建材や高性能空気清浄機で化学物質を著しく少ない状態にした部屋で、重症患者の診察には不可欠だった。3月から空気清浄機を設置した一般診察室での診療に切り替える。病院は「取材に応じられない」としているが、内部関係者は採算問題を指摘している。
 関西労災病院(兵庫県尼崎市)の専門外来は昨年10月に休診、東京労災病院(東京都大田区)も今年1月から新患受け入れを中止。北里の廃止で「クリーンルーム」があるのは、いずれも国立病院機構の相模原病院(神奈川県相模原市)▽南岡山医療センター(岡山県早島町)▽高知病院(高知市)▽福岡病院(福岡市)の4施設だけになる。
 国は昨年7月、自宅環境が原因で発症した場合、公営住宅への一時入居を認める方針を都道府県に通知。「クリーンルームまたは専門外来を設置している医療機関」の診断書提出を求めており、救済はより困難になる。

 NPO法人「化学物質過敏症支援センター」(横浜市)の広田しのぶ事務局長は「重症患者の受診は難しくなる。何らかの形でクリーンルームが各地に確保されるように要望したい」と話している。[2月20日・毎日新聞]


GERMANY IS THE FIRST COUNTRY TO RECOGNIZE MULTIPLE CHEMICAL SENSITIVITY ( MCS) AS A PHYSICAL DISEASE

Multiple Chemical Sensitivity (MCS) also known as, Toxic Chemical Injury, Environmental Sensitivities, affects 16% of the U.S. population, and has become a worldwide environmental health crisis, increasing daily at an alarming rate in countries such as USA, Canada, Australia, Germany, Denmark, Finland, England, France, Sweden, Ireland, Italy, Spain, Switzerland, Japan, China, Pakistan, India, and many more.

Multiple Chemical Sensitivity (MCS) has been formally recognized as a physical illness, in the National Health Care System, by the German Institute of Medicine, Documentation and Information, and is classified within the German version of the World Health Organization (WHO) International Classification of Diseases, Code T 78.4, under chapter 19, injuries, poisoning, and certain other consequences of toxic causes, ICD-10-GM,which is under Social Security Code V in the Federal Republic Germany, by order of the Federal Ministry of Health.

Multiple Chemical Sensitivity (MCS) which is an environmental illness, triggered by low level toxic exposures, or by acute toxic exposures, such as pesticides, insecticides, fumigants, solvents, sick buildings, and a very large number of chemicals in the environment, is gaining increasing recognition by many doctors, scientists, and researchers, and by numerous governmental agencies, in many countries in the world.

People who develop MCS experience painful and debilitating hypersensitivity reactions that can be life-threatening, to the slightest exposure to chemicals in the environment, and usually have severe food intolerances. As the illness progresses, they gradually react to virtually everything in the environment.

MCS produces irreversible damage that causes myriad of symptoms, in many body organs, especially, neurological , and respiratory, that can take many forms depending on gender, health and nutritional status, individual genetic susceptibility and metabolism, the length and type of toxic chemical exposures. There is no cure at present time for this illness, and governments in many countries in the world are starting to take some precautionary measures of reducing the use of toxic chemicals as a prevention for this environmental illness, which is a direct consequence of global pollution.

Accurate information on Multiple Chemical Sensitivity (MCS) is available at the award-winning website:

MCS HOMEPAGE
and at the outstanding site :

MCS-AMERICA
Hopefully, other countries, all around the world, will eventually follow the path of the German Federal Ministry of Health, and formally recognize and classify Multiple Chemical Sensitivity (MCS) as a physical illness in their version of the World Health Organization (WHO).

[January 21, 2009/AMERICAN CHRONICLE/Christiane Tourtet B.A.]
Christiane Tourtet graduated with an Associate in Science and an Associate in Arts degrees, both with high honors, from Florida Junior College, and with a Bachelor in Arts, from Jacksonville University, Jacksonville, Florida. She is a well-known, writer, photo-journalist, photographer, poetess, former teacher and college instructor, radio producer/air personality, publicity model and television voice over talent and artist. Her biography has been included in numerous world wide publications, notably in Who´s Who in America and Who´s Who in the World, and as a role model for Society her biography has been published in the Millennium 54th Edition of Who´s Who in America which was chosen to be included in the White House Millennium Time Capsule.




健康被害:小・中学校の教室で広がる中古ボール再利用 微量の化学物質放散

 中古のテニスボールを教室の机や椅子の脚のカバーにする再利用方法が、全国の小・中学校に広がっている。ガタガタとうるさい音がしなくなり、床も傷つかず、ごみとして捨てられるボールも減る。良いことずくめのようだが、アレルギーやシックハウスなど空気環境に敏感な症状を持つ子供には思わぬ危険がある。ボールから出る揮発物質により、健康被害に遭う恐れがあるのだ。実際に体調を崩した子供もおり、導入には細心の注意が必要だ。
【毎日新聞・田村佳子】

 ●騒音防止で導入
 再利用の方法は簡単。ボールに切り込みを入れて机や椅子の脚にはめ込むだけ。90年代初め、補聴器をつけた子供の耳を守るため、親からの要望を受けた熊本市内の小学校で始まった。騒音防止とごみ減量に役立つことから、難聴の子供がいない学校にも導入が拡大。今では、全国で多くのテニススクールやテニスクラブが中古ボールの提供に協力しており、インターネットで再利用を呼びかけるサイトも数多い。
 一方、これまで見過ごされてきたのが、中古ボールを再利用することの弊害だ。
 宇都宮市内の小学校では07年秋、再利用を始めて数日後に小学4年生の男児が発熱。せきや鼻血も出て、その後3週間にわたり低体温の状態が続いた。男児は以前にも化学物質が原因でアレルギー鼻炎が悪化したことがあり、この時も鼻炎が再発した。
 男児の母親(40)は、切り込みを入れた際にかいだにおいから、原因は中古ボールだと判断。母親から相談を受けた学校は、4カ月後、中古ボールをすべての教室から撤去した。
 男児の母親は「他の保護者からも突然せきや熱が出たという話を聞いた。影響を受けた子供は他にもいたと思う」と話す。男児の鼻炎は、今も元の状態まで回復していない。

 ●切り込みで増大
 実際に中古ボールから化学物質は出ているのか。東京大学の柳沢幸雄教授(室内環境学)にリユース予定の中古ボールを測定してもらったところ、アセトアルデヒド、アセトン、ベンゼン、シクロヘキセン、シクロヘキサノンなどの有害な揮発性有機化合物の放散が確認された。脚にはめ込む切り込みを入れると、放散量は増大した。製造時にボールの内部に封印された物質が出てきたと考えられる。
 放散量はいずれもごく微量で、切り込みを入れた場合でも、24時間にベンゼンで1個平均0・3マイクログラム。机と椅子の脚全部で計320個のボールが集まる40人学級での濃度を試算すると、1立方メートル当たり0・01マイクログラム以下となり、大気環境基準(3マイクログラム)を下回る。ただしこれは、基準通り毎時2・2回、室内の空気が入れ替わったと仮定した場合だ。これらの化学物質が低い場所にたまりやすく、換気されにくいことは考慮していない。
 柳沢教授は「健常な子なら問題がないが、敏感な子供には耐え難い環境になっている可能性がある。原則的にやめるべきだと思うが、導入する場合でも、子供の体調に十分注意を払う必要がある」と訴えている。
 これまで300万個の中古ボールを学校に寄付した実績のあるNPO「グローバル・スポーツ・アライアンス(GSA)」(本部・東京)は、毎日新聞の取材でこれらの事実を知り、注意を呼びかける文書を学校に送るとともに、ホームページにも記載するようになった。子供の体調に変化があった場合は、使用量を減らすか使用を中止するよう求めている。
 GSAは今後、有害な化学物質を利用しないテニスボールの製造を、メーカー各社に呼びかける。
[2009年1月15日・毎日新聞]



化学物質過敏症外来運営に関するお知らせ

化学物質過敏症外来は、平成11年の開設時よりクリーンルームにおいて外来診療を行なって参りましたが、この度、当院の将来事業計画の一環として、今後の化学物質過敏症外来の診療は、当院3階にある一般診察室(通常の診察室に小型空気清浄機の設置)で行なうこととなりました。
現在のクリーンルームでの診療は平成21年2月20日(金)で終了となります。3階一般診察室での診療は、平成21年3月2日(月)より開始いたします。
今後の診療内容や外来予定表、予約方法などは決まり次第お知らせします。
[12月18日・北里研究所病院ホームページより]



<化学物質過敏症>31歳女性に年金支給 障害2級と認定

 微量の化学物質に反応して体調を崩す「化学物質過敏症」と診断された川崎市の女性(31)が先月、障害年金の受給を認められた。病気の社会的な認知度が低いうえ申請手続きが煩雑なこともあり、支援団体によると受給が明らかになったのは初めて。「多くの人に希望を与える画期的な決定だ」と高く評価している。
 女性は、川崎市の新築マンションに転居した91年ごろから、目まいや倦怠(けんたい)感などの体調不良を訴え、02年1月に化学物質過敏症と診断された。現在は1日数回、発作で1時間以上にわたって呼吸困難に陥るため、母親(57)が付きっ切りで看病する。また、女性は化学物質から遠ざかる転地治療のため、年に数十回、標高1300メートルの長野県の山中に作ったテントに避難する。周囲の畑で農薬が散布される時期になると、山中でも発作が起き、安全な場所を求めて移動を繰り返す。
 長野の土地購入費用や交通費で出費がかさんだため、昨年6月、社会保険労務士のNPO法人「障害年金支援ネットワーク」(奈良県斑鳩<いかるが>町、電話0120・956・119)に相談。発病以来の闘病記や、衣食住に支障を来している実例の資料を添えて川崎市を通じ、高津社会保険事務所に申請したところ、今年11月、片手や片足を失った人と同等の「障害等級2級」と認定され、月額約6万6000円の障害基礎年金を受給できることになった。母親は「同じ症状で苦しむ多くの患者さんに新たな道が開ければ」と話している。
 NPO法人「化学物質過敏症支援センター」(横浜市中区)の広田しのぶ事務局長は「重症者は働けない上、水や食べ物、転地費用に非常にお金がかかり、経済的に困窮している。支給決定には、みんなが元気づけられる」と評価。障害年金支援ネットワークの藤井雅勝理事は「申請手続きは煩雑で、個人でやれば挫折する可能性も高いが、あきらめずにプロの社会保険労務士に相談してほしい」と呼びかけている。【袴田貴行】

 【ことば】化学物質過敏症 住宅建材や日用品に含まれるホルムアルデヒドや有機化合物などの化学物質が原因で、頭痛や倦怠感、呼吸困難などを発症する環境病。「シックハウス症候群」も含め、患者は全国で100万人に達するといわれる。重症の場合、ほとんど外出できず日常生活は困難だが、見た目は健康なため「神経質」「わがまま」などと誤解されることも多い。[12月5日・毎日新聞]



小中高校での携帯電話、原則禁止 大阪府教委方針

 大阪府教委は3日、公立小中学校への児童生徒による携帯電話の持ち込みを原則禁止する方針を明らかにした。政令指定市の大阪、堺両市を除く市町村教委に年度内に通達を出し、徹底を呼びかける。府立高校でも校内使用を原則禁止する。文部科学省は携帯使用の校内ルールの明確化を求めているが、都道府県単位で一律に禁止を打ち出す例は「聞いたことがない」という。
 方針に反した児童生徒の携帯は学校で預かることにする一方、登下校時の防犯上の理由などから保護者から希望があれば持ち込みを認める。
 府内では公立小学校の88%、中学校の94%が持ち込みを禁止しているが、携帯メールや学校裏サイトへの書き込みによるいじめが絶えず、携帯の使用に伴う集中力の低下も目立つため、改めて禁止を掲げることにした。
 橋下徹知事もこの日の定例会見で「異論、反論あるかもわかりません」としつつ、「携帯電話への過度の依存は学習、健康の妨げになる。ルールを決めたら守らせるのは家庭、保護者の責任だ」と理解を求めた。
 ただ、禁止がすんなりと浸透するかは分からない。府立の普通科高校の教頭は「見つけたら注意し、保護者に連絡するなど努力しているが、取り上げるとなると力と力の対決になり、大混乱を招く」。ある市教委の担当者も「指導を徹底すればかえって生徒は反発する」と話す。
 府教委が7月に公立小中学生、高校生から計1万3555人を抽出して携帯の利用状況を調べたところ、1日の使用時間を「3時間以上」と答えたのは中1で15.6%、高1で32.6%。1日にメールを51回以上送信する生徒は中1で10.6%、高1で15.9%いた。
 兵庫県では、携帯の持ち込みを禁止している県立高校は半分以下の65校(昨年度)にとどまる。県教委の担当者は「学校によって事情は違う。校長の裁量で指導してもらっている」という。(12月3日・asahi.com/小河雅臣)




シックハウス症候群の体調不良、ベッドが最多113件

 室内に置いたベッドで2003年度以降、シックハウス症候群による体調不良を訴える相談が113件あったことが23日、国民生活センターのまとめで分かった。木製ベッドの接着剤や塗料に含まれる揮発性有機化合物「ホルムアルデヒド」が原因とみられ、同センターは業界団体に商品の改善と自主基準の作成などを要望した。
 同センターによると、においや化学物質に関する相談は、家具の中では戸棚類が最多の227件で、ベッド類は2番目の214件。ただ、ベッドは身近で長時間にわたって使われるため、体調不良に至るケースは戸棚類の81件を上回って最も多かった。
 市販の木製ベッド7製品を対象に同センターが今年5―9月、室内に設置した状態にして商品テストを実施。ホルムアルデヒドの室内濃度は設置から3日目になっても、3製品で厚生労働省の定める安全基準の指針値を超え、うち1製品では基準の7倍超だった。[10月23日・日経ネット)




化学物質過敏症の集団発生?札幌市豊平区の住宅街で調査開始

 札幌市豊平区平岸の住宅街で、複数の住民が化学物質過敏症のような症状を訴えており、札幌市は二十六日、本格的な調査に乗り出すことを決めた。周辺の土壌や大気の調査を行う予定で、市は「複数の住宅での(化学物質過敏症の)集団発生は聞いたことがない」としている。
 現場の町内会の調査によると、六月から今月中旬にかけて、十一世帯の三歳から六十七歳の男女十九人が「目がかゆい」「激しいせきがでる」などの症状を訴えた。このうち四人が化学物質過敏症、一人が気管支炎と診断され、現在も通院しているという。
 これら十一世帯は一戸建て住宅やアパートに住んでおり、半径三十メートル内に集中している。
 市は町内会の要望を受け、今月二十二日に二世帯で室内のホルムアルデヒド濃度を簡易測定し、うち一世帯で国の指針値をやや超える値が出た。また、現場近くの建物解体・新築現場に対して、防じん用のネットで覆って工事するよう求めるなどしてきた。
 二十六日には町内会に対し、市が説明会を実施。住民から「体調不良で夜も眠れない状況が続いている。市が原因を突き止めてほしい」との強い要望があり、今後、本格的に調査に乗り出すことを決めた。周辺の土壌や大気を調べるほか、周辺で有害物質が使われていないかなどを調査するという。
 札幌市内で小児科クリニックの院長を務め、化学物質過敏症に詳しい渡辺一彦医師は「集中した地域で集団で発生していることから、外から原因物質が各家庭に流れ込んだ可能性が高い。市は特定を急いでほしい」と話している。
[9月27日・北海道新聞/青木美希]




メラミン食品、国内流通の疑い=丸大が5品目回収−中国子会社が製造

ハム・ソーセージ製造・販売の丸大食品(大阪府高槻市)は20日、中国子会社、青島丸魯大食品有限公司(山東省)などが製造した総菜の一部に、有害物質メラミンが製品から検出された中国の大手乳製品メーカー「伊利」の牛乳が、原料として使用されていたことが判明したと発表した。製造された総菜は日本に輸入され全国販売されており、同社は5品目について自主回収を始めた。現在まで健康被害の報告はないという。
 丸大では、外部の検査機関にメラミンが実際に製品に含まれているか分析を依頼しており、結果が判明するまでには1週間程度かかる見通し。
 メラミン混入が発覚した中国企業製の牛乳が、国内販売された食品に使用されていたことが確認されたのは初めて。メラミン汚染事件が日本にも飛び火してきた格好で、今後、さらに影響が広がっていく恐れもある。
 対象は、冷凍・チルド食品の点心類など5品で、「抹茶あずきミルクまん」(8個入り)、「クリームパンダ」(6個入り)、「グラタンクレープコーン」(7個入り)が子会社製品、「角煮パオ」(4個入り)と「もっちり肉まん」(8個入り)が他社からの仕入れ販売品。問い合わせ先はお客様相談室、フリーダイヤル(0120)338845。
[9月20日・時事通信]


 ※メラミン食品に関する参考情報リンク・・・クローズアップ2008(9月21日・毎日新聞) 「メラミン疑惑 食品混入は想定外」



携帯電話の通話モードで精子の「品質」が低下と 米研究

(CNN) 通話モードの携帯電話をズボンのポケットに入れておくと、精液中のフリーラジカルが増加し、精子の運動量などが落ちて精子の「品質」が低下するとの研究結果を、米国の研究者が18日に発表した。
  クリーブランド・クリニックのアショク・アガーワル氏が率いる研究チームは、男性32人から提供を受けた精液をそれぞれ、同一人物のものを2グループに分け、ひとつを携帯電話の近くに置いた。携帯電話との距離は、ズボンのポケットに電話機を入れてハンズフリーで通話する状態を想定した2.5センチに設定。米国でもっともよく使われている周波数850MHzの電話機を使い、通話モードで1時間にわたって精子を置いた。
  その結果、人間の体内でさまざまな病気に関与するフリーラジカルの量が、携帯電話の近くにおいた精液内で85%も増加。精子の運動性や活動力も低下したことが判明した。
アガーワル氏は、今回の実験では実際の人体とは異なり、携帯電話の電波にさらされた精液は皮膚や骨、組織などに覆われていないため、さらなる研究が必要だと指摘。
  しかし、これまでの研究で、1日に4時間以上にわたって携帯電話を使う男性は、この時間以下しか使わない男性に比べて、精子の品質が著しく低下していたことが分かっているとして、携帯電話の電波が何らかの影響を与えている可能性があるとしている。[9月19日・CNNサイエンス]



フランスで急性アトピー続出、中国製いすが原因か

【9月18日 AFP】フランスで、中国製のひじ掛けいすやソファを買った人たちから、購入後にアトピー性の発疹が生じたとの苦情が数百件にも上り、販売していた大手量販店コンフォラマ(Conforama)が一連の該当製品を店頭から引き上げた。同社が18日、発表した。
 コンフォラマでは2005年から中国製のいすを販売しているが、7月に1人の医師が、自分の患者が発したアトピー性皮膚炎と関連がある可能性を指摘していた。中国企業Link Wiseが製造したいすの数種類で、カビ除け剤が過剰に使用されていたという。この物質は人によってはアレルギー反応を起こすという。
 仏紙「パリジャン(Le Parisien)」 によると、これまでに約10人がいすを購入後、深刻な症状を引き起こして入院した。
 コンフォラマにはこれまでに、賠償を求める手紙400通が寄せられた。商品の取り換えまたは返金を受けた人は800人に上る。
 同社によるとこの中国メーカーでは、雨季中の損傷から製品を保護するため、いすの内側にカビ除け剤数パックを入れていたという。コンフォラマでは2006年から08年の間に該当するいすを買った顧客3万8000人に書簡でアレルギーへの注意をうながしたが、商品のリコールはしていない。(c)AFP




事故米より怖い「国産」

 このたび関係方面から次のメールを入手した。2007年7月31日付で、宛先は厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室、差出人は群馬県前橋市の青山内科小児科医院の青山美子医師と、東京女子医科大学東医療センター麻酔科の平久美子医師である。
「群馬県内で診療にあたっている開業医と共同研究者です。当院外来患者に、食品由来のアセタミプリド中毒が疑われる患者が、平成18年8月から19年3月までの間に少なくとも500例以上来院し、加療が必要だったのでご報告申し上げます」
 という書き出しで始まるメールには、当該患者らの心身症状が、初夏の松林に対するアセタミプリドの地上散布の後に来院する人々と同様の特徴があることを指摘している。しかも発症に先立って、各種の果物類や緑茶など、ブドウなら1房、イチゴだと1箱と連日比較的多く食べている点が共通している。
 患者の症状は、国産の果物、野菜、緑茶の摂取を制限したり、一定の解毒治療をしたりするとおおむね改善するが、治療に難渋する症例が少なからず存在すると告げ、農作物へのアセタミプリド使用に関して、
「早急に対策をお願いしたく、申し上げる次第です」
 と、結んでいる。

分解しにくく蓄積する
 この話を取り上げたのは、糊などの工業原料に回されたはずの汚染された輸入米が、仕入れた業者によって焼酎用などに横流しされていたという事実を農林水産省が発表し、世間を騒然とさせている件との関連で見過ごせないからだ(日本は、1993年に決着した多国間市場開放交渉のウルグアイ・ラウンドで毎年一定量の外国米を輸入することを義務づけられ、それは食品原料用などに政府から放出されてきた)。
 この汚染米からは黴の発癌性毒素のアフラトキシンB1や今年初めの中国製冷凍ギョーザ中毒事件で原因物質とみなされた有機燐農薬メタミドホスのほか、ネオニコチノイド系農薬の前記のアセタミプリドも検出されており、消費者は輸入農産物への不安を募らせているが、実は日本各地の大気、農産物もアセタミプリドで著しく汚染されており、それによる体の障害がいま現に発生している。それに苦しむ患者、家族、医療関係者は、いまの汚染輸入米流用騒ぎを見ていわく言い難い不条理感に襲われている。
 アセタミプリドは日本曹達が開発した殺虫剤原体の名前で、製剤名は「モスピラン」などだ。タバコの毒性物質のニコチンに類似した性質があり、熱を加えても分解しにくく土壌に蓄積しやすい。この製剤の農薬取締法に基づく登録は95年と比較的新しく、このところ有機燐に代わり野菜、果樹などに向け広く投入され出していた。
 田畑、松林が背景にあるので冒頭の両医師はこれまで農薬、とりわけ日本でよく使われている有機燐の人体への影響について研究を重ねてきた。

果物、野菜の多食で発症
 そんな中で3年ほど前、両医師はこんな現象にぶつかった。
 ――松林への農薬散布が原因と思われる中毒患者が例によって多数来院したのだが、有機燐の場合と症状に違いがある。そして、松林散布がない季節にも同様の患者が相次いだ――
 患者多数の問診などで詳しく調べるうちに両医師は、メールにあるように農薬アセタミプリドで汚染された果物、野菜、緑茶などの多食と発症の関係に疑いを持ち、連名で06年から毎年日本臨床環境医学会総会などで発表し、注目された。
 メールには、患者の症状も明記されている。頭痛、めまい、吐き気、下痢とかは有機燐など他の農薬と同様だが、
「胸痛、動悸、胸部苦悶、しばしば筋脱力、短期記憶障害、小児の異常行動(多動、易興奮性)、心電図で数日から1週間の頻脈、数週間続く徐脈」
 などが特徴的だ。短期記憶障害とはつい今の事をもう忘れているという症状で、頻脈、徐脈とは脈拍がやたらに激しかったり逆にゆっくりし過ぎていることを指し、命にかかわる場合もあるという。平医師によれば、ウイルス性の感染症疾患が治りにくくなる免疫異常が、アセタミプリドの作用で起きることを示した他の研究者の論文も相次いでいるという。

すぐ殴るなど暴力衝動
 しかし、とりわけ気持ちを暗くさせられるのはメールに「異常行動」と記されている患者の暴力衝動だ。小児に多いがそれだけに限らないようで、特段理由もなくすぐかっとなる。暴力の相手も選ばない。男友だちを突然殴ったが、自分でもわけがわからないという若い女性の患者もいた。やはり急に食器を壊したり、一見普通の患者なのに内ポケットにナイフをしのばせてくる来院者もいた。発症の機序は異なるが、人の人格を変える点は有機燐と同じで、青山医師は、
「有機燐との掛け算になる」
 と、みる。人の体質によって違いは大きいものの、すでに有機燐によって大きな影響を受けている日本人はアセタミプリドが加わることにより、相乗効果を受けるのだ。
 汚染輸入米からほかに検出された有機燐農薬メタミドホスも他人事ではない。
 中国製ギョーザ中毒事件のこの農薬は日本では非登録なので使われていないが、登録されて畑作・果樹・家庭園芸などでの殺虫に普及している有機燐農薬アセフェート(商品名は「オルトラン」など)は生体に摂取されるとメタミドホスに変わり、毒性は30倍くらいに強まる。
 農地などに撒かれたアセフェートも、分解して一部はメタミドホスに変わる。メタミドホスそのものは非登録でも、大量に使われているアセフェートが田畑、体内でメタミドホスになっているので、この強毒性の農薬は日本でも事実上登録されているに等しい状態なのだ。従って国産の農産物からも中国などと同様にメタミドホスが、それも相当の濃度で検出されることがある。

緩い日本の残留基準
 アセタミプリド、メタミドホスとたまたま汚染輸入米事件で摘出された2農薬について見ただけでも、国産農産物の実態は、安全性に関する限り、輸入に比べてましとは全く言えない。例えばこのアセタミプリドで残留農薬基準値の日米比較をしてみればよくわかる(別表)。基準値はアメリカの方がよほど厳しい。
 米側に該当項目がないので省いたが、茶の日本の基準値は50ppmという緩さだ。アセタミプリドを撒き放題にしてもこうまでは残留しまいというほどの数字といわれ、この高濃度についても先のメールには指摘されている。
 メールを送り、その経緯も克明に記録した平医師と関係当局への取材によれば、メールに反応がないので両医師は地元選出国会議員の紹介で、07年12月下旬に「食の安全ダイヤル」を開設している内閣府食品安全委員会事務局に説明に行った。こうしたことがなかったら、ことは関係機関の間で盥回しの末にうやむやにされてしまっていたかもしれない。

5000倍もの緑茶
 07年末の両医師のこの行動により、いま関係行政はアセタミプリドへの対応策を優先的に練っている。
 ここで、問題の急所を繰り返す。汚染輸入米のアセタミプリドの濃度は、残留基準値のない農産物に暫定的に一律に設定されている0・01ppmの3倍だった。基準値を超えているので、この輸入米も工業原料へと回されたが、それが食品原料に使われ、この騒動になっている。
 しかし例えば、日本茶に適用されているアセタミプリドの残留基準値は50ppmなのである。毎日のように大騒ぎされている輸入米毒性物質の基準値の5000倍にものぼる。
ライター 長谷川 熙
[AERA9月22日号]




<事故米>食用に転売…一部にメタミドホス 大阪の卸業者

 コメの卸売加工業者「三笠フーズ」(大阪市北区、冬木三男社長)が国から購入した非食用の事故米を食用などとして転売していたことが分かった。03年度以降に購入した約1800トンのうち、残留基準値を超える有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が混入した中国産など少なくとも約300トンの転売が確認された。福岡県内の工場で加工され、一部は焼酎などで販売されているとみられる。

 ◇流通状況を調査…農水省
 健康被害は確認されていない。農水省から5日に回収を指示された三笠フーズは自主回収する。また、同省は近く食品衛生法違反容疑で同社を大阪府警と福岡県警に告発する。
 農水省によると、同社は03年度から今年度まで、事故米を粉にして工業用のりなどの原料に加工するとして国から非食用の事故米計約1779トンを購入。実際は、佐賀県や鹿児島県の仲介業者や焼酎メーカーなどに転売していた。転売が確認された米は、メタミドホス混入の中国産約295トンのほか、発がん性のカビ毒「アフラトキシンB1」に汚染されたベトナム産などの約3トン。いずれも国が世界貿易機関(WTO)の協定に基づくミニマム・アクセス(最低輸入義務)枠で輸入した。
 8月末、事故米の不正流通をしているとの匿名の通報が同省にあり、同省が立ち入り調査を実施。メタミドホス0.05ppm(残留基準は0.01ppm)が検出された中国産の事故米を、06年度と07年度に同社が計約800トン購入。そのうち、約295トンが食用として転売されていたことを確認した。
 さらに、アフラトキシンB1が0.02ppm検出されたベトナム産の事故米を04年度に同社が約3トン購入。鹿児島県などの焼酎メーカー3社に販売されていた。仲介業者に転売された事故米がさらに転売され、一部が別の鹿児島県などの焼酎メーカーに渡っていた。焼酎以外どのような加工会社に流通したか、農水省が調査中だ。
 メタミドホスは中国製冷凍ギョーザ事件でも混入が確認され、同事件では最高で基準値の10万倍超が検出されている。アフラトキシンB1は、コウジカビの一種から生まれ、自然界で最強の発がん物質とされる。
 農水省の聴取に対し三笠フーズは「メタミドホス混入米は転売前に検査をして問題ないと判断した。カビの米は表面を削って転売した」と説明している。同省は「今のところ安全性に問題はないと考えており、転売先などについては、混乱を招く恐れがあり公表できない」としている。【奥山智己、夫彰子】

 ◇事故米
 国が買い取って保管、販売する政府米(外国産を含む)のうち、水にぬれたりカビや基準値を超える残留農薬が検出されて食用に回せない米。工業用のりなど用途を限定して販売される。農水省によると03年度〜08年7月に計約7400トンを販売し、三笠フーズを含む計17社が購入した。価格は1キロ当たり10円前後で、せんべいや酒の原料として売られる食品加工用米の5分の1ほど。
[9月5日・毎日新聞]

 ※参考サイト・・・事故米・汚染米転売流通問題まとめ



携帯基地局撤去へ 町内会が要請 札幌清田区の会社ビル屋上

 札幌市清田区北野の会社ビル屋上に設置された携帯電話アンテナ基地局が、隣接する北野まきば町内会(三百六十世帯)の反対運動で撤去されることが四日、分かった。基地局設置をめぐる携帯電話会社と住民とのトラブルは全国で起きているが、北海道総合通信局によると、住民の反対で撤去に至るケースは非常に珍しいという。
 同町内会などによると、基地局は高さ十数メートルで、KDDI(東京)が今年四月ごろ、書籍販売などの丸善(同)の札幌支店(三階建て)屋上に設置した。同町内会は「健康被害を受ける恐れがあるのに事前説明がない」と抗議したが、KDDI側は「十分な安全性は確保している」と主張し、協議は平行線をたどった。
 七月下旬、同町内会は会員や近くの幼稚園の父母ら四百六十二人分の署名と共に、丸善の小城武彦社長あてに撤去を求める要望書を提出。同社は八月下旬、基地局の設置場所を貸与するKDDIとの契約を解除したことを町内会に説明した。撤去時期は未定。
 同町内会の奈良光芳会長(74)は「今はホッとしているが、事前の住民説明や合意は不可欠だ」と話す。一方、丸善は「地元住民の意見をくんで決断した」と説明。KDDI札幌エンジニアリングセンターは「責任者が不在でお答えできない」としている。
 基地局設置の際の住民説明については「トラブル防止のため、実施するよう各社に要請しているが、法的な縛りはない」(道総合通信局)のが現状で、熊本や福岡、兵庫県などで撤去を求める訴訟が相次ぐ。
 今年五月には、札幌市南区のマンションへの基地局設置をめぐり、ソフトバンクモバイル(東京)が管理組合に工事を妨害しないよう求めた訴訟で、札幌地裁が請求を棄却し、「住民全員の同意が必要」と厳しい条件を課す判決を下している。
[9月5日・北海道新聞]



50年後には人類滅亡!?過去60年間で精子数62%下降の深刻さ―中国

 2008年7月29日、「このような状態が続けば、50年後には人類が絶滅危惧種になる」―中国衛生部中日友好医院男性科主任医師で15年間精子レベルの研究に従事している曹興午(ツァオ・シンウー)教授は22日、健康情報誌「生命時報」のインタビューを受けてこのように語った。
 曹教授は最近の報告として、上海の精子バンクで医学的検査の結果「健康」と判断された精子の持ち主は提供者の約2割しかなく、北京にいたってはわずか15%でしかなかったことを挙げ「事態は予想以上に深刻」だと指摘。2003年のWHOの報告によると、1940年に全世界平均で1mlあたり1億1300万個あった精子数が、03年には62%減少して平均5000万個しかなかったという。
 人間男性の精子数が世界規模で激減しているのは明らかで、北京協和医院泌尿器外科主任の李宏軍(リー・ホンジュン)医師も「10数年前には夫婦100組のうち5組から8組が不妊症と診断されていたが、ここ数年は10組以上。その原因も夫側に問題があるケースがほとんど」と証言。ストレスや飲酒、喫煙、環境ホルモン、サウナ、電化製品の電磁波などがその原因としてあげられているが、米国とインドの医師が行った最新の研究では携帯電話の長時間使用が精子減少の大きな要因であると報告されている。
[ 7月31日・Record China/翻訳・編集/本郷]



生徒22人病院搬送〜旭川の中学校殺虫剤散布中

 15日午前11時45分ごろ、旭川市緑が丘3の4、市立緑が丘中(角地了校長、生徒数663人)から「授業中の二年生が急に気分が悪くなった」と119番通報があった。
 同校や市教委によると、当時、校内の花壇で殺虫剤の散布作業が行われており、午後1時半現在、生徒22人が病院に運ばれ手当てを受けている。うち二人は入院の必要があるという。
 旭川東署などによると、気分が悪くなったのは二年の数クラスの生徒。教室はいずれも一階で、この花壇に面し、当時、花壇では同校の公務補がアリ駆除用の有機リン系の殺虫剤をまいていたという。同署は、殺虫剤が風に乗って教室に入ったとみている。
[7月15日・北海道新聞]




ビスフェノールA:使用の哺乳瓶など自粛を‐‐厚労省

 厚生労働省は8日、妊婦や乳幼児に対し、化学物質「ビスフェノールA」を原料とするプラスチック製哺乳(ほにゅう)瓶の使用や缶詰製品の摂取を控えるよう呼びかけを始めた。国の基準値以下でも、胎児らの健康に影響を与える可能性を示唆する動物実験を踏まえ、予防措置を取った。厚労省は同日、ホームページで情報提供するとともに、内閣府の食品安全委員会にヒトへの健康影響評価を諮問した。
 ビスフェノールAはホルモンに似た作用を持ち、野生生物の生態への影響が懸念されるとして、環境省が調査を実施。04年に魚類への影響は推察されるが、ヒトには認められないとの結論を出した。
 しかし、その後も国内外で「動物の胎児に、ごく微量でも神経異常や早熟を招く懸念がある」との報告がある。
 厚労省は「現時点でヒトへの影響は不明」としている。だが、安全性を重視する立場から、ビスフェノールAを原料とした哺乳瓶を使う場合、漏出しないよう過度の加熱や劣化製品の使用を避けるよう呼びかけることにした。該当する哺乳瓶は国内流通量の9%とされる。同省は「ガラス製の哺乳瓶を使うのも選択肢」と提案した。
 また、缶詰では腐食防止のために広く使われ、食品に溶け出す恐れがある。「缶詰製品に頼らずバランスある食生活が大切」としている。【下桐実雅子】
[ 7月9日・毎日新聞 東京朝刊]



シックハウスで自宅改築の間、公営住宅へ入居可能に

「シックハウス症候群」の患者が原因物質を取り除くために自宅を改築する際、一時的な住居として公営住宅を利用できるようにする指針を国土交通省がまとめた。近く全国の自治体に通知する。低所得者向けの公営住宅としては目的外使用にあたるが、患者団体からの要望にこたえた。
シックハウス症候群は、建材などに含まれる化学物質が原因で頭痛や吐き気、鼻血などの体調不良が生じる。
全国に約100万人の患者がいるとの試算もあるという。
 国交省によると、公営住宅の利用が可能となるのは、転居が健康上有効であると専門の医療機関で診断された人。利用期間は原則として1年以内。家賃は近隣の民間賃貸以下で、それぞれの経済状況に応じた額とする。
 シックハウスは住宅を新築、改築した際に症状が出る場合が多い。原因物質を除く数カ月の工事期間に限った転居先を民間で借りるのは困難だとして、患者団体が厚生労働省や国交省に対策を求めていた。患者団体・シックハウス連絡会の代表は「長年の要望が実った」と歓迎している。[7月6日・朝日新聞]



阪大の新棟でシックハウス──全面立ち入り禁止に

 大阪大の豊中キャンパス(大阪府豊中市)に新設された文系総合研究棟で働く職員2人が、建材などに含まれる化学物質で体調を崩す「シックハウス症候群」と診断されていたことが22日、分かった。学生からも体調不良の訴えが相次いだため、大学側は25日から同棟を全面立ち入り禁止とする。研究棟は7階建てで、今年1月に完成し3月から利用を開始した。
 阪大によると、研究棟7階に入る高等司法研究科の女性職員2人が皮膚の炎症など体調不良を訴え、今月中旬に学外の病院でシックハウス症候群と診断された。学生数人も頭痛や鼻水の症状を訴えているという。
 阪大は3月下旬に研究棟で大気中の有害化学物質の濃度を測定。値は基準を下回っていたが、「学生や職員の安全を優先したい」(安全衛生管理部)として、25日から研究棟を全面的に立ち入り禁止とすることを決めた。講義は他の建物に分散して行うという。
 研究棟への立ち入り禁止の期間は未定で、十分換気をした上で、使用再開時期を検討するとしている。[4月22日・日経ネット関西版]



イヌとネコから高濃度の化学物質を検出

 ワシントンに本拠を置く環境保護団体、エンバイロメンタル・ワーキング・グループ(EWG)の調べで、ペットのイヌやネコが高濃度の有害な化学物質に汚染されていることが明らかになった。
 ネコは家具や繊維、家電製品に使われている臭素系の難燃剤が人間の23倍、エサの魚類から摂取されたと思われる水銀が5倍。一方、イヌはシミ・油汚れ防止表面処理剤に使われるペルフルオロ系物質が人間の2・4倍だった。ネコからは46種類、イヌからは35種類の化学物質が検出されたという。
 パデュー大獣医学部のラリー・グリックマン教授は「有害性についてさまざまな意見のある物質も検出された。まずは汚染源と汚染経路を突き止め、実際に健康にどの程度影響があるのかを調べる必要がある」と指摘する。
 EWGのジェーン・ホーリハンさんは「ペットはほこりや土、化学物質、殺虫剤などが付着した床や地面などに直接接する機会が多い。樹脂製のおもちゃをかじることもある。こうした行為が化学物質を体内に取り込む原因だろう」と話している。[4月21日・USA TODAY(エリザベス・ワイズ)]



カナダ、ビスフェノールA含む哺乳瓶のリスク評価開始=販売禁止の可能性も

 カナダ政府は18日、「ビスフェノールA」を含むとされるポリカーボネート樹脂で作られた哺乳瓶について、業界や利害関係者の間でリスクア評価を行うほか、募集するパブリックコメントの内容によって、輸入・販売・広告の禁止措置をとる可能性があることを明らかにした。パブリックコメントは19日から60日間募集する。
 同国のトニー・クレメント保健大臣は「カナダは2006年12月8日に首相が発表した化学物質対策計画が実行された結果、懸念される数多くの化学物質についてリスクアセスメントを行った最初の国だ」と胸を張った。ビスフェノールAについては「多くのカナダ国民に健康被害を及ぼす可能性があることから、速やかな対応を取るのが我々の責任だ」と話した。[4月21日・WEBニッポン消費者新聞]




中国製乳児服に有害物質=基準値6倍、女児に湿疹−大阪

 全国で乳児服などを製造販売する「コージィコーポレーション」(大阪市中央区)が販売した中国製の乳幼児用Tシャツから、基準値の6倍の有害化学物質ホルムアルデヒドが検出され、大阪市保健所が販売中止を指導していたことが5日、分かった。
 同社は、販売したTシャツ約3000枚を自主回収するとともに、乳幼児向け衣類約10万点の販売を中止し、自主検査を進める。
 同社によると、ホルムアルデヒドが検出されたのは乳幼児用Tシャツの「ENJOY Tシャツ」の黄色。別のシャツを着用した兵庫県尼崎市の9カ月の女児に湿疹(しっしん)が出た。「ENJOY Tシャツ」とこのシャツを一緒に保管していてホルムアルデヒドが付着した可能性などが考えられるという。
[4月5日・時事通信社]




毒性DEG、歯磨き粉も規制へ 厚労省

 中国製の歯磨き粉から毒性物質ジエチレングリコール(DEG)が相次いで検出された問題で、厚生労働省は今月下旬にも、省令などを改正して新たに規制する方針を固めた。DEGの含有量に関する基準を新たに設け、それを超えた製品については、輸入業者や製造販売業者に回収命令を出せるようにする。
 DEGの食品への添加は食品衛生法で禁じているが、歯磨き粉は化粧品や医薬部外品に分類されるため規制がなかった。
 DEGはグリセリンに添加されることが多いことを踏まえ、「製品中のグリセリン100グラムあたりDEG0.1グラム以下」などと規制する。医薬品、医薬部外品、化粧品が対象だ。この基準以下であれば、仮に混入しても健康への影響はないという。
 DEGは本来、プラスチック原料など工業製品に使われる化学物質だが、甘みがあるため薬や食べ物に添加されることがあった。大量に飲むと腎臓障害などを起こす恐れがある。
 06年には中国からパナマに輸出された風邪薬にDEGが混入、100人超が死亡と報道された。日本で健康被害の報告はないが、昨年6〜7月、中国製歯磨き粉から検出され、計1000万個以上が自主回収対象となった。[2月21日・朝日新聞]




ベビー用シャンプーに有害物質の恐れ? 米チームの研究

シカゴ(AP) 生殖器官の発達などへの悪影響が懸念される化学物質が、赤ちゃん用のシャンプーやパウダーに含まれている可能性があるとの研究結果を、米ワシントン大の小児科医らがこのほど報告した。ただしこの研究については、危険性が確認されたわけではないとの批判も出ている。

この物質はフタル酸と呼ばれ、化粧品の香料やプラスチック製おもちゃなど、多くの日用品に含まれている。動物実験で生殖器官の先天異常を引き起こすとの結果が報告されたことがあり、一部の医療関係者らが、使用を規制すべきだとの運動を展開してきた。メーカーが商品に「非フタル酸」などと自主的に表示しているケースもある。一方、米食品医薬品局(FDA)は、「化粧品に使われるフタル酸の危険性を示す確定的な証拠はない」との立場だ。
ワシントン大のチームは、米国内の生後2カ月から2歳4カ月の赤ちゃん163人を対象に、おむつから採取した尿中のフタル酸を調べる研究を実施。結果を小児医学専門誌に発表した。それによると、母親への聞き取り調査で、測定前24時間以内にシャンプー、ローション、パウダーなどの赤ちゃん用商品を使ったとの報告があった赤ちゃんでは、高レベルのフタレ酸が検出されることが分かったという。チームでは「赤ちゃんの洗髪は、水だけまたはごく少量のシャンプーで十分なはず」として、安易な赤ちゃん用品の使用に懸念を表明する。

だが専門家からは、研究の手法を疑問視する声も出ている。使用されたシャンプーなどに、実際にフタル酸が含まれていたかどうかは確認していないため、「おむつや実験器具が出所だった可能性もある」と指摘する研究者もいる。[2月10日・CNN News]




中国製ギョーザ食べ10人入院=千葉、兵庫の親子、腹痛や吐き気−農薬成分検出

 千葉県や兵庫県の親子計10人が、スーパーで購入した中国製冷凍ギョーザを食べた後、腹痛や吐き気、下痢などの症状を訴え入院したことが30日、分かった。ギョーザのパッケージからは農薬に使われる有機リン系薬物「メタミドホス」が検出された。千葉、兵庫両県警は流通経路などを調べている。
 入院したのは、千葉県市川市原木の飲食店店員の女性(47)と子供4人。このうち二女(5)が一時重篤、他の4人は重症だったが、快方に向かい命に別条はないという。また千葉市花見川区では母娘2人、兵庫県高砂市でも親子3人が同種の冷凍ギョーザを食べ、腹痛や吐き気などを訴え入院した。
 千葉県衛生指導課によると、商品名はCO・OP冷凍食品「手作り餃子」で、輸入者は東京都品川区の「ジェイティフーズ」。
 厚生労働省は各検疫所に対し、問題を起こした冷凍ギョーザと同一製品の輸入を認めないよう指示。ジェイティーフーズは23種類の冷凍食品について自主回収することを決めた。
(1月30日・時事通信)
 



異例!ドコモ、稼動中の携帯基地局撤去へ 公害調停で合意

 携帯電話のアンテナ基地局が発する電磁波で耳鳴りがするなど、健康を害されたとして、兵庫県川西市の住民らがNTTドコモ関西(大阪市)と基地局の土地を所有する阪急バス(大阪府豊中市)に対し、基地局の撤去を求めた公害調停が大阪簡裁であった。ドコモ側は健康被害を認めていないが、撤去を決めたため、住民側が調停を取り下げることで合意した。総務省によると、稼働中の基地局が撤去されるのは異例という。
 調停申立書などによると、ドコモは平成17年1月、阪急バス所有の土地を借り、同年12月、高さ20メートルの基地局を建設。その後、住民らは耳鳴りや吐き気などの体調不良が生じたとしてドコモに撤去を要請したが、受け入れられなかったため今年5月、公害調停を申し立てた。
 調停でドコモは「電磁波の量は国の基準を下回るごく微弱なもので、健康に影響はない」と主張。しかし、阪急バスが「住民とトラブルになった場合は契約を解除する」との契約条項に基づき賃貸契約解除を決めたため、ドコモが撤去を受け入れた。来年6月ごろに撤去を完了するという。
 NTTドコモ関西の話 「電磁波による健康被害は根拠がないと考えているが、地権者からの申し入れなので撤去に応じた」(12月18日・産経新聞)



有害化学物質検出、中国製茶碗の回収を命令 大阪府

 大阪府健康福祉部は2日、全国の100円ショップなどで売られている中国製の「プーさん茶碗(ちゃわん)」2種類から、有害化学物質のホルムアルデヒドが検出されたとして、輸入元の「シンセーインターナショナル」(大阪府吹田市)に回収を命じた。昨年10月から今年11月までに計約6万1000個が輸入され、近畿、東京、神奈川、長崎など全国28カ所で販売されているという。同部は「人体に影響がある量ではない」と説明している。
 同部によると、茶碗は合成樹脂製。愛知県衛生研究所が11月、定期検査の一環で同県内で販売されている食器を調査する中で検出し、輸入元の会社がある大阪府に通報した。同社は1日から自主回収を始めている。
 ホルムアルデヒドは消毒剤や防腐剤、食器の加工などに利用されているが、大量に摂取するとせきや皮膚炎を発症したり、視力が低下したりすることがある。
 茶碗の一つは薄い緑色で、底に同社の社名と「MM―111」と書かれたシールが張られ、茶碗本体にも「MM―111」の刻印がある。もう一つは白地で、販売元の大創産業(広島県東広島市)の社名や「発注PM109」というシールが張られている。(12月2日・朝日新聞)



別メーカー製でも禁止農薬 有機栽培向け「植物保護液」

 有機栽培向けの植物保護液「アグリクール」から国内で使用が禁止されている農薬が検出された問題で、別のメーカーが販売している「植物保護液」からも同じ農薬が検出されていたことが分かった。このメーカーは2月に、自社の調査で農薬を検出したため製品の一部を回収したが、その後製造工程を改善して販売を再開していた。

 禁止農薬の検出が新たに分かったのは、千葉県船橋市の「三浦グリーンビジネス」が約10年前から製造、販売している「NEW碧露(へきろ)」と「緑豊(りょくほう)」。マメ科の野生植物などを原料とし、ホームページなどで「化学農薬にかわる夢の植物保護液」とうたっている。

 同社によると、今年2月、外部の指摘を受けて専門機関に分析を依頼した結果、アグリクールに含まれていた農薬と同じで、国内では販売や使用が禁止されている殺虫剤「アバメクチン」が、通常は1000倍に薄めて散布する2製品から、それぞれ4ppm相当検出されたという。食品衛生法では、アバメクチンは大半の農産物で0.01ppm以上検出されると出荷できなくなる。

 同社は「中国の合弁会社が別の外国向けに作っている農業用資材に使っていたアバメクチンが、日本向けの製品の一部に誤って混入した。取引先から製品を回収したが、一部は販売先が不明で回収できなかった」と説明。製造工程を改善し、4月に販売を再開。8、9月に再び2製品を分析した結果、検出されなかったという。

 同社の三浦達也社長は「現在は日本以外向けの製品と製造工程を分離しており、農薬混入はありえない」。2月に混入を公表しなかったことについては「微量で、人の健康には影響がないと判断したため」と説明している。(11月24日・朝日新聞)



有機栽培向け「植物保護液」から無登録農薬成分

 野生の植物から作った「植物保護液」として販売され、有機農業や家庭園芸などに使われていた散布用の液体から、毒性が強く国内での使用が禁止されている農薬成分が検出されていたことが分かった。この液体は全国の種苗店や農協、ホームセンターを通じて農家や個人へ売られ、有機JAS認定を受けた農産物にも散布されていたとみられる。無登録の農薬が使われた農作物が有機栽培と称して流通していた可能性があり、農林水産省は使用の実態調査を始めた。
 農薬成分が検出された植物保護液は「アグリクール」。三重県伊賀市の有限会社「三好商事」(三好一利社長)が約12年前から中国のメーカーに委託して製造。マメ科の野生植物を主原料とし、販売代理店のホームページでは「植物が本来持っている抵抗力を引き出し、強く元気にする」「有機・減農薬栽培に最適」などとしている。500〜1000倍に薄めて植物や土壌に散布するという。
 農水省の農業資材審議会会長を務める千葉大大学院園芸学研究科の本山直樹教授が今年、アグリクールを分析したところ、「アバメクチン」という農薬の成分が約1600ppm検出された。複数の農業資材関連企業が検査機関に依頼した分析でも、同様の結果が得られたという。(11月22日・朝日新聞)



解剖実習で過敏症賠償請求を棄却 東京地裁

 医学部の解剖実習で有害物質のホルマリンに接したことで化学物質過敏症になったなどとして、東京都内に住む元医学生の女性(34)が、山口大学と東海大学に計1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。
 秋吉仁美裁判長はホルマリンの危険性を指摘し、「解剖実習の際に室内濃度を低減させるなど、真剣な取り組みが必要」としたが、大学側の賠償責任は認めず、女性の請求を棄却した。
 判決によると、女性は1999年〜2004年に両大学の医学部に在籍中、ホルマリンを注入した遺体を使った解剖実習を受け、目の痛みや意識消失などの症状が出た。その後化学物質過敏症と診断され、04年3月に山口大を退学した。
[10月30日・読売新聞]



人体への電磁波影響考慮、磁界規制値を決定

 送電線や変圧器など電力設備周辺の電磁波対策を話し合っていた経済産業省原子力安全・保安院の作業部会は23日、強い磁界による人体への急性的な健康影響を防ぐため、周波数50ヘルツの東日本は100マイクロ・テスラ(テスラは磁界の強さの単位/*=10ミリガウス)以下、60ヘルツの西日本は83マイクロ・テスラ(*8.3ミリガウス)以下にそれぞれ規制することを決めた。
 保安院は近く電気事業法の省令を改正し、各電力会社に磁界対策を促す。ただし、国内の多くの電力設備は現状でも規制値をクリアしており、大規模な補修は不要とみられるという。
 強い磁界は人体の神経や筋肉を刺激し、体に違和感を覚えることなどがあるため、世界保健機関(WHO)が今年6月、磁界の規制を各国に勧告。保安院はこれを受け、専門家らによる作業部会「電力設備電磁界対策ワーキンググループ」を設置し、規制のあり方を話し合ってきた。規制値は、WHOが推奨する国際非電離放射線防護委員会の運用指針に従って定めた。
 小児白血病の増加など電磁波の慢性的な影響の有無については結論が出ていないため、WHOが各国に対し、さらなる研究の促進や、産業界と市民がリスクについて協議する場の設置を求めている。保安院は、これについても今後、同作業部会で審議する。
[10月23日・読売新聞]




シックハウス訴訟が和解 山形の夫婦と天童の業者

 新築した住宅から化学物質が出たため、シックハウス症候群の健康被害を受けたとして、山形市内の夫婦が天童市内の建築請負業者と、この業者を技術援助する大手住宅メーカーを相手に、建築代金や慰謝料など計2050万円の賠償を求めた訴訟は12日、仙台高裁(小野貞夫裁判長)で和解が成立した。原告、被告両弁護士は「和解の条件として内容を公にしないことにしている」として、詳細を明らかにしていない。
 訴状によると、夫婦は2001年5月、業者が施工した一部工事中の住宅に、業者側の勧めで入居。1カ月後から、妻に呼吸困難などの症状が表れ、病院で化学物質過敏性と診断された。その結果、建物に入居できず、精神的にも苦痛を受けたとして、建築請負費1750万円と2人合わせて300万円の慰謝料を求めていた。
 一審の山形地裁では「資材など同一仕様の建物が300棟弱ほどあり、同様の発症や苦情がない」などとして請求を棄却。原告側が控訴していた。
[10月12日・山形新聞]



「化学物質過敏症」に無理解 生徒が加古川市を提訴

 三年前まで加古川市立中学校に通学していた男性(17)=静岡県伊豆市=が、自身の「化学物質過敏症」への配慮を求めたのに、学校側の無理解や周囲のいじめで症状が悪化したとして、三日までに、同市を相手に治療費や慰謝料など約九千四百万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁姫路支部に起こした。
 訴状によると、男性は化学物質に反応して持病のぜんそくが悪化するといい、小学校のときは、学校側が香水やたばこに配慮した。しかし中学では、教員が「神経質になっているのでは」などと理解がなく、ほかの生徒から机に香水をまくなどのいじめを受けて症状が悪化。通学できなくなり、現在も中学に在籍したまま転地療養しているという。
 化学物質過敏症は、原因など不明な点が多く、国が一般的な「病気」と認めていないため健康保険が適用されない。原告側弁護士によると、男性の家族は伊豆市への転地療養費など六百五十万円以上を自己負担。昨年八月、同市に損害賠償を求め、加古川簡裁に調停を申し立てたが、不調に終わり提訴したという。
 弁護士は「学校側の対応は、過敏症の生徒への配慮を求める文科省通達に違反している。原告は症状に加えて、学校側の無理解に苦しんでいる」と話す。
 これに対し、加古川市教委は「いじめは加害者を特定できなかったが、クラス全体を指導し再発はなかった。教科書のインクを避けるため授業のDVDを作って届けるなど、配慮はしており提訴は残念」としている。[10月3日・神戸新聞]



インド南部の州で16歳未満の携帯電話禁止に

 インド主要メディアによると、同国南部カルナタカ州政府は13日までに、10代前半で携帯電話を使用するのは学習能力や健康に有害だとして、同州内で16歳未満の携帯電話使用や販売を禁止すると決定した。

 州教育省は高校までの学生が携帯電話を使用することを禁止する方針を示しており、携帯電話の使用が爆発的に拡大している同国で、禁止の是非をめぐり論議を呼んでいる。

 インド政府によると、同国内では少なくとも1億5000万台の携帯電話が利用されており、中国に次いでアジアで2番目の市場規模。2010年には5億台に達するとみられている。

 カルナタカ州政府当局はいくつかの研究結果を基に、記憶や聴覚に悪影響を及ぼす恐れがあるとしているが、医療関係者からは「携帯電話が健康に有害との医学的な裏付けはない」との声が出ている。(共同)


子供服から発がん物質〜中国製 NZ政府が緊急調査

【シドニー=新居益】ニュージーランドで販売されている中国製の子供服から、発がん性が確認されている化学物質ホルムアルデヒドが大量に検出されていたことが分かり、ニュージーランド政府は20日、緊急調査に乗り出した。
 同国の民間テレビ局TV3の消費者番組に依頼された政府系機関の研究員が、一般の小売店で販売されている羊毛や木綿製の子供服から、安全とされる量の900倍に相当する濃度のホルムアルデヒドを検出したという。同テレビによると、この量のホルムアルデヒドは、がんのほか、皮膚炎や呼吸障害を引き起こす可能性がある。同テレビは21日に番組を放送する予定で、それまでは商品名などは明らかにしないとしている。
 AP通信によると、クラーク首相は「製品が適正基準を満たしていなければ、政府は即座に(輸入販売を)禁止できる」と述べた。
[ 8月21日・読売新聞]



幼稚園児と小学生の3割アトピー、10年前の2倍 韓国

 韓国では、幼稚園児と小学生でアトピー性皮膚炎にかかっているこどもが約3割にものぼることがわかった。教育人的資源省の調査によると、患者は10年間でほぼ2倍に増えた。新しい家や都市に住む園児・児童の割合が高く、化学物質との関連が指摘されている。
 同省が延世大学の研究室に委託。06年8月から1年間かけ、全国の幼稚園と小学校535カ所を調べた。
 アトピー性皮膚炎は全体の29.5%。95年調査の16.3%から、2倍近くに増えた。特に幼稚園では、43.2%と半数近い数字だ。公団に住む児童幼児が33%と全体の平均より高く、農村地域は21.5%で一番低かった。新しい家に住んだ経験のある園児・児童の33.8%がかかっていた。
 一部の学校施設で、ホルムアルデヒドなど化学物質の濃度を調べたところ、基準値をほとんど下回り、「学校の室内環境は憂慮する水準ではない」と結論づけている。
 ただ、「大都市などの環境や、化学物質が露出した新居などとの関連はある」と説明。子どもの生活パターンを把握し、積極的に管理することの必要性を訴えた。同省は今年中に調査結果を政策に反映させる。
 日本の場合、文部科学省が04年に全国の公立小中高に通うこどもを対象に実施した調査で、5.5%がアトピー性皮膚炎にかかっていた。
[8月18日・朝日新聞]



日本の受動喫煙対策「先進国で最低レベル」

 たばこの煙に寛容な日本社会の姿が、「たばこ規制枠組み条約(FCTC)」を批准した各国の報告書から浮き彫りになった。
 今や職場や公共施設だけでなく、飲食店やバーでも「禁煙」が世界の潮流になりつつあるのに、日本ではせいぜい「分煙」どまり。対策がなかなか進まない現状に対し、各国報告書を集計したNPO法人日本禁煙学会では「日本は先進国の中で最低レベル」の烙印(らくいん)を押している。
 報告書は、FCTC事務局が条約批准から2年が過ぎた国にどこまで対策が進んだかを自己評価させているもので、これまでに日本も含め46か国が提出した。
 同学会のまとめによると、受動喫煙対策について日本は、官公庁、医療機関、教育機関、文化施設など公共のいずれの場所でも「部分的に実施」と回答した。しかし、世界の多数派の回答は「全面的に実施している」。官公庁については30か国、医療機関は31か国が全面的に実施と答え、日本のように部分的に実施と回答した国はいずれもその半分以下に過ぎなかった。[8月8日・読売新聞]




<中越沖地震>アレルギー症状悪化 被災地で対応策取れず

 新潟県中越沖地震の被災地で、アレルギーのある子どもなどへの対応が、十分とられていないことが分かった。混乱の中で食物アレルギーに対応した食べ物がなく、当初はおにぎりしか口に出来ない子どもや、断水で入浴できずにアトピー性皮膚炎が悪化するなどの例が出ている。専門のNPO法人がアレルギー食を現地に送る体制を整えたが地元自治体の受け入れ態勢ができずに実現しておらず、NPO法人は「アレルギー患者には切実な問題」と訴えている。
 柏崎市西本町の母親(33)は、長女(2)と生後5カ月の乳児を抱え、被害が少なかった同市内の実家に避難。しかし断水で水が出ず、アトピーと卵などの食物アレルギーがある長女のケアに窮したという。発生後数日は風呂の残り湯をカセットコンロで沸かし直して体をふいた。アレルギーに対応する食品も、地震で商店にそろわないため、当初に与えた食べ物は卵が含まれていないことが確実なおにぎりと、畑のトマトだけだった。
 厚生労働省のアレルギーに関する研究班が05年にまとめた調査によると、乳児期の食物アレルギーの疾患率は10%、3歳児は約5%。被災地にも相当数の患者がいることが予想される。
 最も被害が大きかった柏崎市の避難所を回った保育士によると、地震直後は水がなく、子どもたちの湿しんが目立った。アレルギーを持つ子どもの処置に追われる医師も多かったという。
 NPO法人「アレルギー支援ネットワーク」(愛知県岡崎市、中西里映子事務局長)はアレルギー患者を「災害弱者」と位置づけ、3年前の中越地震や今年3月の能登半島地震でも救援活動をした。
 今回の地震でも、発生2日目にメールで同市災害対策本部に支援を申し出た。アレルギー対応の粉ミルクや離乳食などをメーカーから直送してもらう準備を整え、被災者あてのチラシを現地入りした救援ボランティア組織に託した。しかし、これまでに市から返答はなく、支援は実施されていない。避難所にもチラシは配られていないという。
 中西事務局長は「被災地での患者のケアは見逃されがち。食物アレルギーでショック症状を起こすケースもあり、軽視できない。行政は発生直後からもっと敏感に対応すべきだ」と話す。
 市災害対策本部は取材に「アレルギー患者への対応は、主に県の医療班が担当している。NPOから支援の申し出のメールがあったかどうかは確認できない」としている。
[7月26日・毎日新聞 鈴木梢]




残留性汚染物質への理解遅れる中国〜DDTやPCBが食糧にも含有
「POPs履行計画報告書」に明記


 【ウィーン26日小川敏】中国政府は「残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約」の「国家履行計画」に関する報告書を発表したが、本紙が入手した同報告書によれば、中国では12種のPOPsの中で「クロルデン、マイレックス、DDTが依然、生産・使用され、ダイオキシン類の残留性物質は存在。DDTやPCB(ポリ塩化ビフェニール)は環境や食糧の中で見つかっている」。特に中国ではダイオキシン類の汚染への理解が非常に遅れていると述べているという。
 中国農業省は25日、農産物の安全性について、野菜の残留農薬の検査合格率は94%強と強調する一方、一部地域では禁止物質の生産が行われていることを認めた。
 ストックホルム条約は2001年5月に採択され、2004年5月に発効した。昨年3月現在で151カ国が署名し、118カ国が締結している。
 POPsとは、毒性が強く、分解が困難で長期間、人体や環境に悪影響を与える化学物質だ。例えば、DDTは有機塩素系の農薬でPOPsの規制対象物質。日本では1971年に使用が禁止された。
 POPsの怖さは、悪影響が一国だけにとどまらず、偏西風や、化学物質の低緯度から高緯度への移動、蓄積を引き起こすバッタ現象などを通じて拡大されることだ。日本で久しく使用されていないPOPsが国内の土壌から検出されたということが起きる理由だ。その意味で、POPsは国際規制が不可欠となる。
 中国は2001年5月23日にストックホルム条約に署名し、批准を受け、2004年11月11日に発効させた。中国政府は第11回国家経済社会開発計画の中で協定履行の行動計画を作成し、生産構造の適応、クリーン生産物の促進、エネルギーの効率、環境保護への啓蒙など目標設置している。
[7月26日・世界日報]



出生前から子供10万人調査(共同通信)

 ダイオキシンなど環境中の有害化学物質が発育に及ぼす影響について、環境省が約10万人の子供を対象に、出生前から数十年間追跡する疫学調査に来年度から乗り出すことを、24日までに決めた。国内での化学物質の影響についてはこれまで成人を対象にした研究が中心で、影響を受けやすい子供に関する本格的な疫学調査に国が乗り出すのは初めて。新たな環境基準値設定の必要性などについて検討する際の参考にする方針。
[7月25日・共同通信社]


児童1人がシックハウス症候群に 新校舎再開めど立たず 紋別

 【紋別】紋別市立小向(こむかい)小(山岸典昭校長、十五人)の六年生一人が、今年一月の新築校舎移転後、頭痛や嘔吐(おうと)などの症状を訴え、シックハウス症候群と診断されていたことが十七日、分かった。
 同校では二月に入り、児童十人と教職員三人がシックハウス症候群に似た症状を訴えたため、同月末から学校付近の同市小向生活改善センターで授業を続けている。原因はまだ特定されておらず、新校舎利用再開のめどは立っていない。
 関係者によると、六年生の児童は七月四日に旭川医大の専門医の診察を受け、シックハウス症候群と診断された。現在も気分の悪さを訴えることがあり、五月から自宅学習を強いられている。同医大で診察を受けた児童はほかに五人おり、化学物質過敏症と診断された児童もいるという。
 新校舎ではこれまでに紋別市教委や道立衛生研究所が計五回、化学物質の検査を行ったが、国が指針値を定めているホルムアルデヒドなど六種の物質で異常は確認されていない。
[7月18日・北海道新聞]



小向小・化学物質検査結果〜13種以外の「3種」を検出

 シックハウス症候群に似た体調不良が児童・教職員に出ている小向小学校新校舎問題で、6月7・8日に行われた室内空気中化学物質の精密測定結果が3日夜、PTAなど関係者に説明された。それによると厚生労働省が室内濃度指針値を定めている13種とは別の、3種の有機化学物質が他の物質に比べて高い濃度だったことが分かり、測定・説明にあたった北海道立衛生研究所健康科学部生活保健科長の小林智さん(農学博士)は「(専門家として)数値は低いとは言えない。(体調不良の原因である)可能性が無いとは言えないが、断定もできない」との見解を示した。また一般に、建材などから放散するホルムアルデヒドなど有機化学物質の濃度は、建築後最初の夏が最も高くなる例が多いことも説明。このため8月にも再度測定を行う予定という。
 濃度測定は新校舎内のメディアセンター、校長室、図書室、体育館入口、体育館中央の5ヵ所で行われた。
 比較的高濃度で検出されたのはVOC(揮発性有機化学物質)の「アセトニトリル」「1メチル2ピロリドン」「テキサノール(2・2・4トリメチル1・3ペンタンジオール1モノブチレート)」の3種。このうちテキサノールは5ヵ所からそれほど偏り無く検出されたが、アセトニトリルはメディアセンターと体育館で共に高く、ピロリドンは体育館で極端に目立った。
 メディアセンターは普通教室と空間としてつながっており、通常の授業や休み時間などで、子どもたちが最も長い時間を過ごした場所。いっぽう特に臭いが気になった体育館は新校舎使用中は利用を避けていたこともあり、メディアセンターで高い数値となったアセトニトリルとテキサノールが原因物質である可能性が浮上してきた。
[7月5日・北海民友新聞社]


肌から吸収されるスキンケア用品には、有毒化学物質がいっぱい!

 クレンジング剤や保湿液、メイクアップ用品などは女性にとって欠かせないものだが、このような化粧品やスキンケア用品を毎日使い続けることにより、女性が体内に吸収する有害化学物質は、年間およそ2.3kgにも達するという報告がなされたことが伝えられた。
昨年、オーガニック化粧品を専門に取り扱うウェブサイトを立ち上げたばかりというベンス氏は、このような有害物質が化粧品として肌から直接血管に吸収されるのは、飲み込んだりするよりもさらに危険と指摘。
 なお、危険な有害物質としてみなされているものには、防腐剤としてほとんどのスキンケア用品に含まれ、発がん性物質と疑われているパラベンをはじめ、石鹸やシャンプー、歯磨き粉などの起泡剤として使われ、皮膚にアレルギー反応を起こすことがあるというラウリル硫酸ナトリウムや芳香剤のベンジルアルコール、保湿液に含まれているコカミドMEAなどが挙げられているという。
[6月20日・UK Today/JAPAN JOURNALS LTD]


中国産ピーマンから基準値超える殺虫剤、厚労省が検査命令

 冷凍食品用の中国産ピーマンから殺虫剤のピリメタニルが基準値を超えて検出されたとして厚生労働省は20日、食品衛生法に基づく検査命令を出した。
 同省のモニタリング検査で同様のケースが2度にわたり見つかったことを受けた措置。
これにより、当面の間、中国産ピーマンは、ピリメタニルの残留を調べる検査に合格しなければ輸入できなくなる。
 同省によると、今年1月、兵庫県の業者が輸入した冷凍食品のピーマン(約8トン)からピリメタニル0.04ppm(基準値0.01ppm)が検出され、今月11日には、東京都の業者が輸入した冷凍食品の赤ピーマン(11トン)から同じ農薬が0.02ppm検出された。
[6月20日・読売新聞]


電磁波:WHOが新基準公表 小児白血病の確率2倍に

 送電線などから出る電磁波について、世界保健機関(WHO)は18日、新たな環境保健基準を公表した。各国での医学的調査を基に、平均3〜4ミリガウス(ガウスは磁界の強さの単位)以上の磁界に日常的にさらされる子どもは、もっと弱い磁界で暮らす子どもに比べ、小児白血病にかかる確率が2倍程度に高まる可能性を認めた。WHOは新基準に基づき、各国に予防策をとるよう勧めた。
 新基準は電磁波のうち、1秒間に50回または60回変動する送電線の電磁波など、強さが比較的ゆっくり変動する「超低周波」が対象。携帯電話の電磁波は変動が1秒に8億回、電子レンジは20億回以上で対象ではない。
 超低周波に関する医学的調査は各国で実施されており、総合すると、白血病になる率が4ミリガウス以上で約2倍、3ミリガウス以上で1.7倍になると分析されている。国際がん研究機関(IARC)は01年に「発がん性がある可能性がある」と評価した。
 WHOは今回、IARCと同様の結論に到達。しかし、動物や細胞の実験では発がんが立証されず、電磁波と発がんに因果関係があるとまでは言えないと指摘した。
 その上で、予防的考え方に基づいて磁界の強さについての安全指針作り、予防のための磁界測定などの対策をとるよう勧告した。一方で、白血病の増加数は実際に電磁波の影響があるとしても限られていると評価し、予防策の費用は非常に低くすべきだと論じている。
 国立成育医療センターの斎藤友博・成育疫学研究室長によると、小児白血病の患者(0〜15歳)は日本で年間800人から1000人程度出ており、5年生存率は8割程度だ。高圧送電線の近くで暮らすなどで4ミリガウス以上の磁界に日常的にさらされている子どもは全体の1%程度とみられる。小児白血病の患者は磁界の影響で年間数人増えている計算だという。
 経済産業省原子力安全・保安院は先月、送電線などの電磁波について、健康影響を考慮し規制を検討する作業部会を設けた。WHOの新基準への対応は、今後この部会で検討する。
[6月19日・毎日新聞]


抗菌デスクマットで580人が皮膚炎 コクヨ子会社製

 厚生労働省は1日、コクヨの子会社「コクヨS&T」(大阪市)が製造販売した抗菌デスクマットで、アレルギー性接触皮膚炎を起こした人がこれまで約580人に上ったと発表した。うち約40人は入院したり、治療に2年以上かかったりした重い症状を起こしており、同省が注意を呼び掛けている。
 厚労省によると、マットはオフィス用で、1997年から2001年までに約35万枚販売された。マットの抗菌剤に含まれていた化学物質が原因とみられ、経済産業省所管の製品評価技術基盤機構が昨年12月、13件の被害を報告していた。
 問い合わせ先は、コクヨお客様相談室(0120−550−146)まで。(時事)
[6月2日・asahi.com]

日本テルペン跡地土壌汚染、「日本テルペンは、傷ある土地をあちこちに置きっ放し」=被害住民が集会で報告

神戸の教育関係者らが、子どもの立場にたって物事を見たり、行動する主旨で設立している団体「子どもの権利条約をすすめる神戸の会」は27日、神戸市中央区の婦人会館で、「神戸子ども白書2007」(「神戸から『国連への報告書<第1次>』」)出版記念集会を開催した。
[5月30日・livedoorニュース-記事全文リンク]


中国でガン患者急増…大気汚染や化学物質が影響か

 公害問題や食品に含有された化学物資などの問題で急激に高まっている中国のガン発生率が、最近はさらに大きく増加しているとAFP通信がチャイナ・デイリーを引用して22日付で報じた。
 AFP通信は中国保健省が最近発表した統計資料を紹介し、中国では昨年ガンが都市や農村で最も致命的な疾病になっていると報じた。
 保健省の統計によると、ガンは少なくとも2002年以降中国での死亡原因第1位だったが、最近はガンによる死亡率は驚くほどの増加率を示しているという。
 中国国内30の都市と78の県で実施された調査によるとガンによる死亡率は都市では19%、農村では23%へと上昇している。なお調査の時期は明らかにされていない。
 中国医療院のガン専門家は報告書の中で、「ガン発生件数が高まった主な要因は急速に悪化している環境、水、大気汚染がその背景にある」「多くの化学工場が川に沿って建設されており、ここから大量の工場排水を放出し、そのため汚染物質が直接土壌、穀物、食品などに影響を及ぼしている」と述べた。
 さらに農民が豚、家禽類、野菜などを簡単に収穫するために添加物を大量に使用しているだけでなく、多量の肥料や殺虫剤の散布により地下水も汚染されていると語った。
 大気中の有害な微粒子が肺に入ると二度と排出されることがないので、大気汚染は肺ガン発生の主な原因になっているとも報告書は指摘している。
 さらに家の修理に莫大な量の合成化学物質が使用されており、家庭内での空気汚染も深刻な状況だと警告している。
 またガンによる死亡率が高い中国国内の地域について多くの事例を取り上げ、「ガンによる死亡率の高さは環境が極度に汚染された地域で現実となっている」と付け加えた。
[5月23日・朝鮮日報]

 

堺・シックスクール訴訟:設計会社と和解成立/大阪

 新築園舎で高濃度の化学物質が検出されたのにそのまま開園したため「シックハウス症候群」にかかったとして、堺市堺区の湊保育園の当時の園児らが市などに対し慰謝料5850万円を求めた損害賠償訴訟で、原告と園舎を設計、監理した設計会社との和解が16日、大阪地裁堺支部で成立した。原告と市、園舎を建てた建設会社との間では既に和解が成立しており、訴訟は終結した。
 和解文によると、設計会社は和解金500万円を支払い「今後一層、室内空気環境汚染対策に努める」とする一文が条項に盛り込まれた。訴訟終結を受け、原告の母親らで作る「湊保育園シックハウス被害者の会」の柚原聡美代表(35)は「やっと終わった。再発防止が一番大事で、市などが対策に取り組んでいるか見守っていきたい」と話した。
【2月17日・毎日新聞 内田幸一】