2004年1月20日
○○(歯科)医師会
会長 (氏名)様
要 望 書
私たちは、化学物質過敏症やシックハウス症候群の発症者、家族、支援者団体、または、化学物質による健康や環境への悪影響を減らすことを目指している団体です。
平素より、化学物質過敏症、シックハウス症候群についてお取り組みいただきまして、ありがとうございます。
化学物質過敏症、シックハウス症候群につきましては、各自治体ならびに国により取り組みが行われており、昨年7月には、シックハウス症候群の予防を期して建築基準法が改正されました。しかし、これらの施策の多くは発症予防策であり、発症者対策については十分ではありません。
化学物質過敏症、シックハウス症候群の発症者は、さまざまな問題を抱えておりますが、中でも早急に対策が必要なものとして、化学物質過敏症、シックハウス症候群の診療が可能な医療機関が少ないため、それらから遠くに居住する発症者の受診の大きな支障となっております。
また、これらの疾患の発症者が高血圧、心臓病等の他の疾患を併発させたり、負傷をした際の診療に対応できる医療機関を確保することも、緊急課題の一つです。細心の配慮をしてくださる医療機関、医師がいらっしゃる一方で、化学物質過敏症またはシックハウス症候群を発症していることを伝えると、「知識がない」「何が起きても責任を持てない」等、事実上の診療拒否をされることも少なくありません。また、医療機関内の化学物質汚染により発症者が入れなかったり、入ることができた場合でも医療従事者の知識不足により、発症者が医療機関で不必要な化学物質に曝露して苦しむことも少なくありません。
化学物質過敏症、シックハウス症候群発症者が安心して医療機関へ行き、その生命と生活が守られるよう、貴会会員の各医療機関で以下について取り組まれますよう、下記の通り、お取りはからいを要望させていただきます。
ご多用中、誠に恐れ入りますが、ご検討のうえ、その結果を文書でいただきますよう、お願い申し上げます。
記
- 研修の実施や、専門医、発症者・支援団体、地域の保健所からの情報収集等を通じて、医療従事者の化学物質過敏症、シックハウス症候群についての知識、理解を深めること。特に学校医等は、微量の化学物質が子どもに与える影響についての知識、理解を深めること。
- 化学物質過敏症、シックハウス症候群の発症者が、医療従事者が身に着けている整髪料、香水等によって苦痛を覚える場合があることを認識し、可能な範囲で対応を取ること。
- 医療機関の施設内の室内環境の保全のために、以下について取り組むこと。
(1)医療機関施設内の空気質濃度の定期測定のほか、新築・改修工事後、備品搬入後等、必要に応じて臨時測定を行うこと。厚生労働省の指針値を超えていた場合は、原因を明らかにしたうえで、適切な対策を行うこと。
(2)医療機関の施設および敷地内の維持管理のために使用している化学物質(床ワックス、合成洗剤、芳香剤、消臭剤、殺虫剤、防虫剤等)を点検し、可能な限り、より安全なもの・方法に切り替えること。
(3)医療機関施設の換気が十分か点検し、必要な場合は空調設備の見直し等、改善策を講じること。
(4)医療機関施設内の禁煙化を推進すること。
- 使用している医療器具、消毒方法等を点検し、可能な限りより安全なもの・方法に切り替えること(酸素マスク、点滴チューブ等プラスチック製品からの可塑剤の問題等)。
以上
- 【要望団体(五十音順)】
- AEHF JAPAN
化学物質過敏症患者の会
化学物質問題市民研究会
環境アレルゲン調査研究会・北陸
環境病患者会
喜多見父母の会
子どもの健康と環境を守る会
サスティナブル21
CS患者会
シグナルキャッチ
ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
調和小学校保護者有志
特定非営利活動法人 化学物質過敏症支援センター
日本消費者連盟関西グループ
反農薬東京グループ
- 【取りまとめ】
- 横浜市中区南仲通4-39-5階 かながわ市民活動スペース内
特定非営利活動法人 化学物質過敏症支援センター 理事長 横田 克巳
電話045-222-0685 ファクス045-222-0686
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