会報第10号(2002.12.25)

 

伊豆・脱化学物質コミュニティーの建設を成功させよう
    小塚 尚男 (CS支援センター理事・伊豆PT座長)
 

 「CS支援第6号」でもお伝えしましたように、静岡県中伊豆町に「脱化学物質コミュニティー」を建設することになりました。大勢の人びとのご協力をいただけるかどうか、今、その建設の成否が問われています。
 脱化学物質コミュニティーの建設は言うまでもなく、CS患者の転地療法への切実な願いから出発しています。しかしその適地は、今日の日本の自然環境や社会状況の中では、そう沢山はありません。私たちは2000年度に北海道旭川市で、行政、個人、企業の協力により、牧場の一角に「一時転地住宅」を建てました。何人かの患者の方が利用していますが、一戸建てのため利用者は限られています。

 行政を動かすきっかけに 
 そこでコミュニティーの建設を都心のなるべく近くに探した結果、今回の中伊豆となりました。中伊豆は文字通り伊豆半島の真ん中に在り、東京から約150kmと近く、わさび沢や原生林もある自然に恵まれた所です。既に訪問した患者の方からも、比較的好評です。地域住民のご理解もいただき、約4,000m2の用地を取得することができました。
 ここにまず賃貸用共同住宅2棟と、同時に希望者による自費建設住宅5棟を今回の1次計画としています。
 将来は、このエリアを広げ、家族との交流コミュニティーハウスや共同菜園も作り、名実ともに「コミュニティー」にしていきたいとも考えています。
 しかし、今私たちCS支援センターには資金も資産もありません。用地を買いましたが、借入金によるものです。建設費はありません。共同住宅のオーナーになって出資していただくか、CS支援センターの会員となっていただき、1口10万円をお貸しいただくことで、資金を集めたいと思います。患者の方々だけでなく、このコミュニティー建設に賛同する、より大勢の人びとの協力の輪と力によってしか建設は実現できないのです。
 脱化学物質コミュニティー実現の目的は、まず何よりも、化学物質が出来るだけ少ない環境を求める患者の方たちの転地治療の場をつくることです。化学物質過敏症に苦しんでいる人びとに救いと希望を実現することです。
 第2は、この症状は現代社会がもたらした社会的な病気であり、アトピーやアレルギー疾患も含めて「明日は我が身」かもしれないことを理解する人々が大勢になり、建設を実現することにより、さらに大勢の人に“化学物質漬け”の現実を認識してもらう環を広げることです。
 第3は、その力をもって政治や行政の課題とし、さらに全国に多くの脱化学物質コミュニティーが建設されることです。
 より大勢の人びとの協力で、伊豆・脱化学物質コミュニティーの建設を成功させましょう。

 

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