CS支援センターの活動から
会報「CS支援」
共同研究者のごあいさつ  =会報第2号(2001.8.15)
 

■東京大学大学院 新領域創成科学研究科環境学専攻教授
 柳沢 幸雄さん

 はじめの一歩 
 どんなゲームだったか忘れてしまったが、子供の頃「はじめのイーッポ」とかけ声を掛けて一歩ジャンプしてから始める遊びに夢中になっていた記憶がある。
 一時転地住宅の完成は、まさにその「はじめの一歩」である。化学物質過敏症問題解決への道程の中で歴史に残る第一歩である。一歩の意味を考えてみよう。
 同じ一歩でもゼロから1への一歩と、1から2への一歩には大きな違いがある。割り算、1÷0と2÷1の答えをくらべてみれば違いがよくわかる。2÷1の答えは2だが、1÷0の答えは無限大である。ゼロから1、つまりはじめの一歩には無限大の価値を生み出す可能性がある。それと同時に事前に想定することの出来ない未知なる問題の山に遭遇するに違いない。私たちはゼロからの第一歩を担う幸運と栄誉に恵まれた。未知なる問題の一つ一つを丹念に、忍耐強く解きほぐして行こうではないか。
 旭川に続く、すなわち1から2への一歩をより実りある、より軽快なものにするために私たちに課せられた責任は大きい。

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