■横浜国立大学大学院 環境情報研究院助教授
中井 里史さん
患者に明るい展望を
いまさら言うまでもありませんが、化学物質過敏症は、いつ、どこで、誰が罹ってしまうかわからないという特徴があり、万一罹ってしまった場合には、周囲の人の理解や協力を得た上で治療・療養を行うことが必要です。が、残念ながら、私たちの力不足などもあり、未だに何をどうしたらよいのか、といったようなことが患者さんのみならず、サポートする方にもうまく伝えられない状況にあると思っています。
今回旭川に短期滞在型療養施設が建てられました。実験施設としての意味合いもあるため、今後改善すべき点がでてくるやもしれません。しかし、このような施設ができた、ということ自体は患者の方、患者を支援される方、さらにわれわれ研究者にとっては大きな前進であると考えます。今後ここでの経験や研究を踏まえた上で、患者さんにとって明るい展望が開けていくことを切に望んでやみません。というよりも、どんな小さなことであろうと何であろうと、こじ開けていかなければならないと考えています。 |